846回目 2021/7/7
なんか、うまくまとめようとして失敗した感があります。
一回目
お題『楽しい艦隊』
必須要素(無茶ぶり)『右手』
文字数『1014文字』 未完
タイトル『柵を一歩越えた先』
右手でタップするスマホの画面には、色んなタイプの美少女イラストがアニメのように動いている。
俺が中学生くらいの頃から、突然流行り出した戦艦を擬人化するゲームの、まぁパチモンだ。
ブームの一発目に流行ったゲームはやったことがない。パソコンでゲームなんかしたことなかったし、スマホは普通に容量不足だった。
だからってわけでもないけど、俺が始めたのは三番煎じくらいのゲーム。ユーザー数も伸び悩んでるみたいだし、そろそろサービスが終わるかもしれない。
「……よし、クリアっと」
でも、暇つぶしにはちょうどよかった。
高校生になってから急に、人間関係が面倒くさくなって、こうして時々サボっている。
今ごろ同級生たちは三限目の授業を受けている頃合いか。俺はどこぞのサラリーマンよろしく、寂れた公園で無課金スマホゲームで時間を潰している。
自分で言うことじゃないが、勉強も運動もそれなりにできる方だ。面倒臭いと思った人間関係も、実際そこまで険悪なものじゃない。
サボった次の日に顔を見せれば、普通に話しかけてくれる奴もいるし、笑ってちゃかされるくらいの距離感には位置している。
でも、窮屈になるんだ、それが。
狭い場所に大勢の人間と一緒に押し込められて、同じ内容の授業を受けると、不意に息苦しくなる。
たぶん、俺には根本的に全日制の授業が合わなかったんだろう。そう思わないとやってられない。
「あ、電池が」
うだうだ考えながらゲームをしていたら、バッテリーが心許なくなってきた。
仕方なくモバイルバッテリーに繋げて、楽しかったゲームを閉じてカバンにしまう。
「いい天気、だな」
手元ばかり見ていた目を、大きく広がった空に向ける。
天気は快晴。雲ひとつない洗濯日和。手で作ったひさし越しに、太陽の光が肌を刺すくらいの陽気なのが玉に瑕か。
平日に学校サボってぼんやりする時間は、少しの罪悪感と大きな贅沢感で満たされる。
今、この瞬間だけは、高速で動いているように錯覚する時間の流れからは切り離されて、自由を得られた気にさせてくれる。
養豚場の豚みたいな、身動きの取れない柵の中じゃなく、放牧で草を食む酪農牛みたいな心地だ。
「どちらにしても家畜なのは、皮肉にしても趣味が悪いな」
楽しいことは、もう空想の中にしかない。
現実にあるのは、窒息しそうなほどぎ//(時間切れ)
二回目
お題『信用のない人』
必須要素(無茶ぶり)『ジャケット』
文字数『829文字』 完結
タイトル『偏見フィルター』
私は偏見に塗れた人間だ。
たとえばサングラスをかけている人を見るや否や、私はその人を遊んでる陽キャと判断する。
中学生くらいだったか、登下校の道をただ歩いていただけなのに、サングラスをかけたおじさんにしつこく声をかけられたからだ。
あれは普通に恐怖体験だった。単に道を尋ねられただけだったとしても、トラウマになるのには十分な体験だったと思う。
たとえばジャケットを着ている人なんかは、私にとってみんな詐欺師だ。
小学生の時に一度だけ、訪問販売を装った詐欺師が訪ねてきたことがあったから。
その時、母親が対応していたと記憶しているが、押しに弱い母親では追い返すことができず、無駄に高い羽毛布団を買わされてしまった。夏場に、である。
それ以来、ジャケットは私にとって詐欺の象徴的アイテムになった。色や形が違っても、ジャケットを着用していると言うだけで、嘘つきの容疑を当てはめてしまうほどに。
他にも挙げればキリがないほど、私の中にはアイテムと固有のイメージが結び付けられて、相手の人格を決めつけてしまう癖がある。
それが幸いしたこともあれば、災いしたこともある。どちらかと言えば、災いの方が気持ち高めの確率で被ったかな。
失敗するたびに私は変な人扱いされるし、自然と友達も離れていってしまった。
私はただ、信用できない格好をしていると思って口走っただけで、周りからは私こそが信用ならない人間に見えると言う。
無理やりいちゃもんをつけて喧嘩を売るヤバい女、なんて陰口を叩かれているらしい。
喧嘩を売った覚えはないし、偏見は他の誰でもない私を守るための防衛手段にすぎない。
私が少し人と考えがずれていることと、信用できる人間かは別問題だと思う。
まあ、突然変なことを言い出したり、おかしなことをやりだす人間なんて、絶対ろくな人間じゃないだろうけど。
そんなのは、言葉にしなくても誰でもわかるだろう?
自分で読み直して、煙に巻かれていると思ってしまった時点で失敗なのでしょう。『偏見フィルター』は何がいいたいのかわからなくなっていましたね。




