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838回目 2021/6/29

『読点なし』って地味に難しいです。


 一回目

 お題『消えた使命』

 必須要素(無茶ぶり)『若者使用不可』

 文字数『1149文字』 未完


 タイトル『理由を失った山里』


 死にゆく町に、死を待つだけの老人が居座っていた。


 否、死にゆく町を見届けようと、己の死を町の最後にすべく生き足掻いていた老人だった。


「なぜ、あなたは立ち去らないのですか? もう、この場所には歩くのもやっとな老体ばかりではないですか」


 こんなこと、耳に入る噂を頼りに、好奇心のためだけに他所から来た中年男なんかに言われたくはないだろう。俺がこの老人なら、殴れはすまいが怒鳴るくらいは平気でやる。


「良いのです。わしらはすべきことを失った。ならば、後はどこで朽ちるかは各々が自由。若者はこの地より去り、老骨はこの地に埋まる。そう、自身で選択したが故の結果でしょうて」


 しかし、この老人は落ち着いていた。ひどく、冷静に受け答えしてみせた。


 強がりではない。嘘を言っているわけでもない。ただ事実を事実として、他所者に語りかけているのだ。


 あぁ、確かにこれは、空っぽかもしれない。


「すべきこと、とおっしゃいましたが、差し支えなければ教えてください。それは、何だったのですか?」


「そうですな……町の作られた理由、とでもいいましょうか」


 薄く貼り付けた笑みが、一度こちらに背を向ける。


 ついてこい、と言うのだろうか? そういえば、取材と称して玄関にお邪魔してからずっと、立ちっぱなしだった気がする。


「お邪魔しても?」


「どうぞ、ついてきなされ」


 念のため、老人の同意を確認し、自分の見当違いでないと確かめてから、俺は靴を脱いで廊下を歩く。


 小さな背中だった。腰が曲がって、歩幅も小さい。


 それでも何の煩いもなく普通に歩行できているのは、この町ではとても珍しい。


 みな、何らかの病気にかかっているものが多いからだ。無論、生活習慣というより、老衰による避けられない病魔達なのだろうが。


「あちらに見えます山が、わかりますかな?」


「……すみません、どれのことでしょうか?」


 誘導された先は、この家の縁側。指を刺されたのは、いくつか頂点を空に向く山々だった。


 噂を頼りに来ただけの俺に、山の名前や由来までの知識はない。学者じゃなくて、単なる野次馬に近いのだ。そこまでの知識は求めないでほしい。


「では、こちらに座りなされ。座布団はここに」


「はぁ、ありがとうございます」


「では、あらためて山の方へ。お前さんから見て、物干しで区切られた額の、ちょうど真ん中の山が、それですじゃ」


「……あぁ!」


 言われてようやく気づく。


 俺が座った場所は、正面に洗濯物を干す物干し竿と支えの柱が二本あり、それはちょうど絵画の額縁のように外の景色を囲っていた。


 老人の言葉を頼りに意識してみれば、ようやく示したかった山が特定される。


//(時間切れ)




 二回目

 お題『打算的な彼女』

 必須要素(無茶ぶり)『読点なし』

 文字数『858文字』 未完


 タイトル『小悪魔ちゃんは振り向けない』


「お願い! 私の代わりに課題をやってくれない? もちろんお礼ははずむから……ね?」


「断る」


「少しくらい考えてくれてもいいじゃん!」


 気持ち悪いくらい媚びた声のバカを一蹴すると怒り出した。面倒くさい。


 こいつとは付き合いが長いからこそ魂胆が丸見えだ。むしろどうして俺に通用すると思える?


「そういうのはお前と話し慣れていない男子に使え。俺はとっくに免疫ができているから気色悪いとしか思わん」


「気色悪いってずいぶんな言い草じゃない! こちとらかわいく見せるためにめっちゃ努力してるんだからね!」


「知ってる。ついでに使い方を間違えてるのも知ってる」


 放課後のガラガラな教室で机を囲んでいなければ地団駄を踏んでいそうな顔だな。


 俺は家じゃ勉強に集中できないタチだから居残りで自主勉をしている。こいつは俺に課題をやらせようと粘っている。


 全くもって迷惑な話だ。というか今この時間も課題に取り組めば少しは終わりが見えてくるものを。


「これだからお前は馬鹿なんだ」


「はぁー!? いきなり相手の前で悪口とかそっちが馬鹿なんじゃないの?!」


「陰口を叩かれるよりマシだろ? あとで気づいたら絶対落ち込むくせに」


 喉を鳴らして口を閉じたところを見るに図星だな。


 付き合いが長いと良いところや悪いところも見えてくる。


 ついでに互いに言わなくとも伝わってしまうことも多いわけで。


 俺がこいつのことを知っているが逆もまた然り。藪をつついて蛇を出すこともザラだ。


「あんただって誰に対しても論破しようとするから友達いないんじゃない! 万年ぼっちのイヤミ男!」


「ならそっちは他力本願の八方美人だな。多少顔と愛想が良いからって、いつでも男が言いなりになると思うなよ?」


「むー!」


 意味不明なうめきをあげて思いっきり睨まれる。


 男子に言うこと聞かせる努力ができるなら勉強なんて楽勝だろうに。


 なんでこう、打算的なこと以外はおざなりなんだろうか?


「まさか。おまえ//(時間切れ)


 頭の中で文字のリズムを刻んでいるせいか、無意識に読点を入れていたみたいです。


 思考の中でも息づかいとかが(私の中では)あるので、『読点なし』はちょっと息苦しい制限ですね。


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