834回目 2021/6/25
純粋な読者20人越えを初めて受けました。
一回目
お題『男同士の成熟』
必須要素(無茶ぶり)『宇宙人』
文字数『1089文字』 未完
タイトル『夢を見た男たち』
オカルトはロマンだ。
UFOにUMAに秘密組織。
この世の謎を垣間見る情報は、隠されているからこそとんでもない魅力を放っている。
まぁ、クリスタルスケルトンみたいな、蓋を開ければどうということのないオチだった、なんてのも多いけど。
それでも本物はきっとどこかにある。そう信じて、今までずっとオカルト活動に力を入れ続けてきた。
「もう無理だ……俺は抜けるぞ」
「はぁ?! いきなり何言い出すんだお前! 今日もこれから、夜中ギリギリまで粘って宇宙人を探しに行く約束だったろ?!」
「もうそういうのはウンザリなんだよ!」
明確な拒絶に、言葉が出なくなる。
昔から二人でバカやってきた片割れが、こんなに追い詰められてたなんて気づかなかった。
「わかった……せめて、理由だけでも教えてくれ」
「理由? お前、まだわかんねぇのか?! 俺たちはもう終わってたじゃねぇか!!」
どれだけの鬱憤を溜めていたのか。あぐらから立ち上がると、俺の胸ぐらを強引に掴み上げ、至近距離で叫び出す。
「俺たちはもう、四十路だぞ?! いい加減、現実見ないと生きていけなくなるんだって、気づけよ!!」
それが、長年のオカルト仲間だった相棒の、四畳半アパートで出した魂の叫びだった。
たしかに、夢しか見てなかった俺たちは、あっさり就活に落ちこぼれてフリーターになり、今の今までバイトで食い繋いできたろくでなしだ。
家族からはお互いにほぼ絶縁状態。話があると言えば金の工面だと勘違いされ、門前払いを食らったことだってある。
もう信用できるのはコイツしかいない、何で境地に至ったのは、もう十年も前のことだ。
それからは生活を削りながら、西にツチノコが出たと聞けば真っ先に駆けつけ、東にUFOが出たと聞けば飛んで行った。
大袈裟かもしれないが、夢のためだけに生きてきた人生だったと思う。
だからこそ、現実が疎かになっていたのは、否定しない。
「気づいてるよ。とっくに、俺たちが積み上げてきたものが空っぽなんだってことくらい」
「だったら……!」
「でも、だからって諦め切れるか」
決して声を張り上げたわけじゃないけど、わずかにコイツの腕の力が弱まった。
「そうだ。俺たちはずっとバカをやってきた。いい年齢した大人が、それこそ小学生のように夢ばっか見て視野狭窄に陥ってたさ。でもな、だからって今までの全部を途中で投げ出すのは、もっと格好悪くないか?」
無意識に、コイツの腕を掴んでいた。
先ほど向けられた激情に負けないくらい、手首を//(時間切れ)
二回目
お題『怪しいドロドロ』
必須要素(無茶ぶり)『手帳』
文字数『1084文字』 未完
タイトル『解説する遺書』
父親が死んだ。交通事故だった。
といっても、あまり悲しくはならない。俺も母親も、ついでに姉さんも、淡々と通夜と告別式を終えた印象だ。
父親は変わった人だった。性格もそうだが、言動がちょっとアレだった。
いわゆる、見える人。そう装っていたのか、それとも本当だったのか。血を引いていても、俺は父親じゃないから、真相はわからずじまい。
ひとまず、暗くて口数が少なくて、世帯収入くらいしか父親らしさを感じなかった人のいない部屋を整理していた時。
「何だこれ?」
見つけたのが、一冊の手帳だった。
文房具屋に置いてあるような、あんまり高そうじゃない手帳は、よほど使い込んだのかページがしわくちゃで少し膨らんでいる。
一時期テレビで見かけた、辞書を読みまくって勉強するという小学生の様子を特集した番組を思い出す。
それほどじゃないだろうが、それでも元の厚さの二倍はあるだろう手帳は、なぜか父親の引き出しの奥に隠されるように置いてあった。
「……まさか、浮気相手の連絡先とか、日頃の恨みとか、そんなヤバいこと書いてないだろうな?」
父親に対する薄い信頼がもたらす疑惑に促されるように、適当なページを開いてみた。
本当にヤバそうなことが書いてあったら、それ以上見ずに燃やそうと考えていた。
「……は? 何だこれ?」
が、俺の妄想に近い予想は、少し悪い形で裏切られた。
「『黒くてドロドロした黒い何か。リビングの天井の隅。不定期』……挿絵まであるけど、暇だったのか?」
これは、一体なんていうのだろう?
あえていうなら、図鑑だろうか? 見開きの左片方のページには絵が描いてあって、右のページには説明? 解説? らしきものが記述されていた。
しかも、いくつかその説明書きを読んでみてわかったが、この奇妙な落書きの居場所は全部、我が家のどこかを指していた。
「あの人、暇だったのか? それとも小説か何かの設定だったりするんだろうか?」
遺品整理で父親の黒歴史を拾うなんて、と微妙な気持ちになりつつも、ふとあるページに目が止まる。
『片足だけの何か。動くところは見たことがない。推定無害。自室のクローゼット右隅』
この部屋のことだ。
父親の書き置きを信じるなら、俺の背後にあるクローゼットの中には足らしき何かが入っているらしい。
「……ははっ、まさか」
乾いた笑いは、無意識だったかわざとだったか。
そんなことも気にならないくらい、俺の口の中はカラカラに乾いていた。
ここにきて父親の『みえるせ//(時間切れ)
『解説する遺書』の方だったんですけど、何がよかったのかはわかっていません。別に多くの人に読まれたいわけでもないので、分析とかもしないでしょうが。




