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830回目 2021/6/21

 今さら気づいたのですが、私は感情的な人間の反応が苦手かもしれません。


 一回目

 お題『気持ちいい言い訳』

 必須要素(無茶ぶり)『Twitter』

 文字数『1049文字』 未完


 タイトル『見に覚えのない蔑称』


 ある時から、Twitterで変なDMが届くようになった。


 届くのはおそらくみんな男性。内容はほとんどが卑猥な単語や誘いの数々。


 一応、健全なつもりで生きてきた私にはかなり気色の悪い体験だったわけだが、原因が身近な知り合いにあったと気付いてからは別の怖気に見舞われたものだ。


「で?」


「……で、って、何が?」


「あんたでしょ? 私のことヤリ○ンビッチとかつぶやいて拡散したの」


 SNSとかに詳しい友達がいて、こんな根も葉もない蔑称の出どころを探ってもらって、浮上したのが目の前の女だ。


 私の中ではとりわけ交流が深く、それ以前までは親友だと思っていたくらいには親密だと思っていた。


 まぁ、今回の件があって、私の思いはまったくもって的外れだったと突きつけられたわけだが。


「あー、うん。そうだよ」


「認めるの早くない?」


 なんだろう、開き直ってるわけでもないのに即答されれば、ちょっとそれは違うんじゃないかと言いたくなる。


 なんかほら、もっと言い訳を重ねたり、罪悪感を持ってくれたり、こう、あるじゃない?


 すとんと肯定されると、それはそれで納得がいかない。


「じゃあ、なんでこんな嘘書いたの? 私、日常生活に支障きたすレベルで迷惑してるんだけど」


 これに関しては本当なので、ちょっと自分でも怒った感じの声を出してみる。


 いやもう、ゲリラ的に送られてくるキモい怪文書を読んだ後、鳥肌が止まらないんだから。


 よくもまあ、あんな生理的嫌悪を一瞬で引き上げる文才が世の男たちにあったものだと、最近では感心するレベルに達しそうになっている。


「だってあんた、モテるじゃん?」


「……まずは最後まで聞こうか。それで?」


「私よりモテてるってことは、ヤリ○ンビッチってことでしょ? だから、私は嘘はついていない」


「ものすごい論理の飛躍と開き直りを聞いた気がする。いっそ清々しいなあんた」


 表情や声に一切の感情を乗せずに言い切るのがまた。


 純度100%の嫉妬、ってことでいいのか? それを私はどう噛み砕けばいい?


「念のため反論させてもらうけど、別に私モテてないし。たとえそっちの思い込みとか相対評価だったとしても、事実として誰かに告白されたことも、ましてや男女交際したこともない私を捕まえて理由がそれなのは、正直疑問でしかないんだけど」


「は? それは万年モテない私への嫌味か?」


「初めて感情的になったところ悪いけど、私はあんたの//(時間切れ)




 二回目

 お題『僕の体』

 必須要素(無茶ぶり)『日本酒』

 文字数『1098文字』 未完


 タイトル『土地神様のもの思い』


 昔々、僕は成り行きで神様になった。


 といっても、すごいことでも羨ましがられることでもない。


 人身御供。生仏。まぁ、そんな感じで山に置き去りにされた結果、体が滅びても魂的な何かが残ってしまったらしい。


 で、僕を生贄に捧げた村の連中を中心に、僕や他の生贄たちを供養し、祀る社ができた。


 そうして僕は擬似的であっても神格化され、神様としての肉体を形成するに至ったのだ。


「最近はお供えもちゃっちくなったけどね」


 人間には見えなくなった肉体で、備えられていた日本酒を飲む。上等なものじゃなく、そこらの店で買える安物だろう。


 神格化されたといっても、神としての名や姿を与えられただけであって、存在が強くなることとイコールじゃない。


 僕を信仰する人間が増えれば力は当然強まるが、逆に信仰が廃れれば力も一気に落ちる。


 僕が神として祀られてから、何百年経っただろうか。


 そこまでくると、僕は身近な罪悪感の対象ではなく、資料や口伝に出てくるだけの土地神でしかなくなっていた。


 特に、最近になって神を始め妖や霊といった、非実体を持つものに対する認識が薄れていっている。


 簡単に言えば忘れ去られていっているのだ。見えないんだから仕方ないかもしれないけど、少し寂しさは感じてしまう。


「お菓子は美味しいのが増えたけど、もう少し敬ってくれてもバチは当たらないだろうに」


 こうしてお供えを置いてくれるのも、ほとんど老人ばかりになってしまった。


 いつかは誰からも見向きもされなくなり、ひっそりと神の座も降ろされるに違いない。


 人間は勝手だ。


 勝手に命を奪ったかと思えば、勝手に守り神のように奉って、勝手に信仰を忘れてしまう。


「それでも、神にとって人間の認知以上に力になるものもないんだよなぁ……」


 持っていたガラスのカップを投げ捨てる。やっぱり、もう少しいいお酒が飲みたいものだ。


「これじゃあ寿ぐのにも呪うのにも力が足りないし、さっさと老兵は去るのみ、なのかなぁ」


 死した年齢から変わらない外見を見下ろし、嘆息する。


 僕は一体、どんな大人になれていただろうか? 考えても仕方ないことを、考える。


 神にとって忘れられることは直結した死にはならない、と、思う。感覚的な話で、実際にどうなるかはわからないけれど。


 でも、やはり忘れられて、消えてしまう時のことを考えてしまったりもする。その時だけは、少しだけ、生前の僕を思い出してしまう。


「……ま、生贄文化がなくなったんだから、この先も少しは明るい未来があるでしょ」


 社の中でかい//(時間切れ)


『見に覚えのない蔑称』なんか、主人公も相手も女性なのでもっと怒声を張り上げてもいい感じだな、と読み直して思いました。


 私自身が結構気の長い方であり、声を荒らげたり怒ったりすることが少ないので、なかなかとっさに書けないのかもしれませんね。


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