827回目 2021/6/18
今までで一番の無茶ぶりが更新されました。
一回目
お題『情熱的な夏』
必須要素(無茶ぶり)『文を動詞の現在形で終わらせない』
文字数『905文字』 未完
タイトル『ひと夏の火遊び』
「夏といえばナンパだと思わないかね、諸君?!」
「マジでやるの? っつか、俺とお前しかいないのに諸君て……」
男二人で虚しく海水浴に行こう、とか言い出した時にはついに暑さで頭がやられたと嘆いていたが……そういう魂胆かよ。
ってか、俺もそうだけど絶対こいつもナンパなんかしなことねぇだろ、絶対。
それなのに道連れを連れてきただけで、よくもまあそんなに気が大きくなれるもんだな。
いっそ尊敬に値するよ、お前のバカは。
「で、誰に声かけるか決めてんのか?」
「もちろん! 狙い目は二人連れの女の子たち!」
「その心は?」
「タイマンよりも複数人、かつ人数が同じなら警戒度は低くなって狙い目!」
あー、一理ある、と言っていいのかそれ?
「というわけで、声かけてこいさあさあ!」
「は? 俺が?」
「他に誰がいるんだよ、毒舌女顔!」
「殺して欲しかったか水臭い」
「ほら、冗談言ってないで早くナンパ!」
って!? 背中殴んなよ、クソ!
後で絶対ぶん殴る、本気で!!
「はぁ……あのー」
「はい?」
「ツレに無茶振りされてナンパしにきました? どうしたらいいですかねお姉さんたち?」
ひとまず、無難に嘘偽りなく事情を説明してみた。
相手は砂浜にシートを広げて、パラソルの中で寛いでいたお姉さんたち二人組。
たぶん、中坊の俺らよりは年上だからお姉さんと言ってみたが、どうしよう、マジで無策なんだが。
「あら、君かわいいね。どこからきたの?」
「駅3つは向こうの田舎から。ちなみに、ツレはあそこ」
「あそこって……あのなんかスケベそうな顔の?」
「そう、あの下心しかなさそうな顔の」
「えー、君ならいいけど、あの子はちょっと」
ですよね、俺も女ならあんなの近づけたくないと思った。
「それより君、ちょっと頼み事があるんだけど」
「あぁ、はい、ご迷惑をおかけしたんで、パシリくらいならやりますよ、っとジュースですか? それとも食べ物?」
「これ、私たちに」
「……へ?」
渡されたのは……サンオイル?
え、ぬれってこと? おれが?//(時間切れ)
二回目
お題『小さな人々』
必須要素(無茶ぶり)『アメリカ』
文字数『1083文字』 未完
タイトル『パツキンのトーコビ』
小人は、見かけたら幸運が訪れるとか、寝ている間に仕事をしてくれるとか、そういう不思議な言い伝えがそこかしこにあったりする。
妖怪というより、妖精の類いだろう。少し前にも、小人サイズのオジサンがどうとか、そういう話を聞いたことがある気がする。
そうした存在は大抵、その土地によって適切な見え方がある、と俺は思っている。
日本の妖怪に白人はいないように。まあ、鬼や天狗のルーツが外国人だった、なんてのも聞いたことはあるが、少なくとも本物を見たわけじゃないからわからない。
だから、俺も小人って漠然と、小さな日本人みたいな姿だと、勝手に思ってたんだ。
「……金髪に白い肌じゃん」
まるっきり、欧米人だった。
「あ? 何や兄ちゃん、いきなりガンかましてくれよってからに。しばき回すぞ、こら」
しかもごりっごりの関西弁。ここまで濃い関西弁、久しぶりに聞いた気がする。
「えっと、こんにちは? なんかすみません、初めて見たものですから」
「あん? どないしたいきなり下手にでよって? 喧嘩やったらお得に買うぞ? 利子つけて返したるがな」
「いえ、喧嘩したいわけじゃないんですけど……」
驚いた。小人は結構、喧嘩っ早いようだ。
なんか、俺の中にあった小人イメージが跡形もなく崩れていく音が聞こえる。
なんかこう、もうちょっと神秘的なもんだと思ってた。
「あなたは、えっと、名前とかあります?」
「はぁ? 何でも構わへんぞ。好きに呼べや。ジョージでもサムでもリックでも」
「あ、やっぱりお国柄はアメリカですか」
「アホ。見た目パツキンの鷲鼻やぞ? 和名がしっくりくるわけないやろが」
ごもっとも……ってか、自覚あったんだな。
それ以前に、国や人種や文化って概念も知ってるんだ。意外と人間社会に明るいな、この外人系小人。
「じゃあ、サムさんとお呼びします」
「何でもええけど、ちなみに理由はあるんか?」
「え? 親指サイズだからサムさん、なんでしょ?」
「誰が上手いこと言え言うた、このボケナス!!」
え、なんかすみません。
「ホンマに、あんまイキってたらゲンコで泣かすぞ? あんま大人なめとったらあかんで、よう覚えとけガキンチョ」
「は、はぁ……」
見た目からしたら確かに俺の方が年下なんだろうけど、サイズ感のせいで違和感すごいな。
しかも、せっかく会えた小人にもらったのが、近所のおっさんみたいな説教って……夢がなさすぎる。
「あ、そういえばサムさん。ひとつうかがってもいいですか?」
//(時間切れ)
『文を動詞の現在形で終わらせない』……これやってみたらめちゃくちゃ難しかった記憶があります。ほぼ動詞で終わらせられない気がして、無駄に頭を使わされました。




