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823回目 2021/6/14

 毎日更新が本当に安定しなくなってきました。


 一回目

 お題『日本式のカラス』

 必須要素(無茶ぶり)『化粧水』

 文字数『1064文字』 未完


 タイトル『漆黒の白鳥』


 日本では、艶やかで美しい髪色を烏の濡れ羽色、なんて言うことがある。


 あぁ、昔の人間はとても洒落っ気を込めた言い方をしたものだ。


 なるほど、確かに美しい。


 俺はこの日、烏の濡れ羽色というに相応しい髪を持つ人と出会った。


 偶然、化粧品売り場の出入り口でぶつかっただけの、袖すりあう程度の縁でしかないが。


 それでも、ただ無関心にすれ違うよりはマシな出会い方をしたのだろう。


 もっとも。


「……なに、オッサン? 人の顔になんかついてる?」


 その人物が女性であれば、言うことはなかったのだが。


「いや、すまない。怪我はないだろうか?」


「ないけど……やたら硬いね。口調というか、態度というか? まぁ、俺には関係ないけどさ」


 オッサン、か。中年に差し掛かってからは、流石に自分を若者だと言い切る自信は無くなったが、こうも無遠慮に突きつけられると反発したくなる。


 とはいえ、迷惑をかけたのは事実。彼の持っていた荷物を拾い、詫びと共に差し出した。


「君のだろう? 重ね重ね、すまなかった」


「ありがとう……あぁ、何とか無事みたいだ」


「差し支えなければ、どんな商品を購入したのか、聞いてもいいか?」


「ん? 化粧水とかいろいろ」


「……あぁ、男性用の商品も出始めているのだったか」


「言葉遣いだけじゃなくて頭も硬そうなオッサンだね。まぁ、オッサンくらいの年齢じゃ、若い奴のことなんて理解できないもんだろ?」


 否定はしない。


 所帯は設けていないし、彼のような若者と触れる機会はほとんどなくなった。


 耳に入るのは、せいぜいテレビなどの媒体から流れてくる、無造作で遅れた情報ばかり。


 若者はとかく、流行には敏感だ。感度の悪くなった時勢を読むアンテナしか持たない老骨には、とても追いつけそうもない。


「これでもさ、苦労してんだよ。昔はどうだったか知らないけど、肌が汚いってだけでからかいやいじめの対象になったりするんだから」


「……その程度のことでか?」


「そう。他人の欠点は全力で突いてもいい、なんてやつばっかりなんだよ。これだって、周りが求める自分を演じるための小道具みたいなもんさ」


 ガサガサ、と袋を揺らす少年は、どこか達観したように言った。


 自分には自分の、彼には彼の、どうしようもない理不尽というのはある。


 世代や環境が違うだけで、生きにくさはそれぞれまとわりついているのは変わらない、ということか。


「そうか」


「そうそう。あーあ、しらないおつ//(時間切れ)




 二回目

 お題『気持ちいい小説練習』

 必須要素(無茶ぶり)『ヘッドホン』

 文字数『1010文字』 未完


 タイトル『快感のピース』


 暇を持て余した手慰みに、小説を書き始めてから気づいたことがある。


『ハマった時』と『ハマらなかった時』の差だ。


 たとえとして正しいかは別にして、俺にとっての小説はパズルのようなものだった。


 キャラ、設定、表現、描写、世界観などなど。


 それぞれの構成要素によってピースの大きさは違うが、完成したら大きな一枚絵になるのは共通している。


 俺にとっての『ハマった時』に出来上がった小説は、パズルピースのつなぎ目が寸分違わず整えられたものだと気づけた瞬間に出来上がる。


 自分で言うのも手前味噌だとわかっているが、『ハマった』小説は読み返すと物凄く気持ちよくなれる。


 反対に、『ハマらなかった時』の小説は、いわば多少の隙間を無視して組み上げた、不恰好な絵にしか見えない。


 そう、それはまるで、完成した絵にキリか何かで穴を開けまくったような、気持ち悪い出来だ。


 まあ、いずれにしろ俺がどちらも作った張本人であるわけで。


 気持ちいい小説か気持ち悪い小説かは、俺の下準備と制作過程にかかっている。


「……今回はハズレかな」


 部屋で一人、ヘッドホンに音楽を垂れ流しながら今日も小説を書く。


 俺が小説を書く時は万年筆と原稿用紙のクラシカルスタイルだ。特に意味はない。強いていうなら、文明の利器が得意でない。


 万年筆は父親から譲り……もとい拝借したものを使っている。うちの父親は多趣味だが飽き性でもある。使わなくなった道具は、ありがたく利用させてもらっていた。


「どこが悪かったかは、ひとまず書いてから確かめるか」


 俺の場合、小説の不備は一度完成させて読み直さなければわからない。


 良くも悪くも、途中で軌道修正ができないのだ。


 完成品が良作でも粗悪品でも、書いている最中は無心でするすると書き進められる。だからこそ、他の作家と比べても執筆量は誇れる部分だ。


 とはいえ、誇れる部分がこれ一つなのも事実。良作と粗悪品では、残念ながら後者の数ばかり増えていく。


 人は多くの失敗から、一握りの成功を引っ張り出すもので、全てが全て成功するものなどいやしない。


 わかっているつもりだ。が、こうも良作の当たりが低いと、心が折れそうになる。


 誰のためでもない、自分のためだけに小説を書いてきた。それでも俺は、自分を満足させられなくて不満を隠しきれなくなっている。


 ひとり//(時間切れ)


 ついでに、短編としての構成もできにくくなってきました。やっぱり短編って難しいですね。


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