805回目 2021/5/27
また更新さぼりました。ごめんなさい。
一回目
お題『小さなダンス』
必須要素(無茶ぶり)『自殺エンド』
文字数『607文字』 未完
タイトル『ねぇ、教えて?』
テレビがついている。
幼稚園のお遊戯会の映像で、園児たちが小さな体を使って懸命にダンスを披露していた。
「……ふふ、元気、元気」
それを、ぼんやりとした瞳で眺めているのは、園児の中の母親だろうか。
覇気のない声で応援する姿は、少々異様な様子だった。
「この頃は素直で、元気だった……あぁ、懐かしい」
テレビの光だけが照らす室内は、かなり煩雑としていた。食べ物の残骸や、脱ぎっぱなしの服など、見るからに掃除はできていない。
室内には女性のみであり、他に家人はいないようだ。テレビの光以外は、真っ暗な空間だけが女性をのぞいている。
「かわいい子、かわいくない子、どっちも子ども……ふふ、おかしい」
楽しげなお遊戯会とは裏腹に、母親のから笑いが虚しく響く。
光によって浮かび上がる母親の顔はずいぶんとシワが多く、老化以上の気苦労が透けて見えた。
「あぁ、もうあの子はいない。いないんだな」
ふと、女性は振り返って締め切った扉を見つめる。
立ち上がって、ふらふらと近づき、扉を開く。
「いるのかな? いないのかな? ねぇ、お母さんに、教えて?」
天井から伸びる紐。
だらりと倒れた首。
弛緩した四肢。
汚れた学生服。
足下の手紙。
揺れる身体。
女性は、そちらに、笑いかけた。
「ねぇ、教えて?」
壊れた女性は、物言わぬ子どもにといかける//(時間切れ)
二回目
お題『不幸なサイト』
必須要素(無茶ぶり)『三角関係』
文字数『809文字』 未完
タイトル『電脳蟲毒』
『縁の切り捨て場』
その看板を掲げたサイトには、主に恋愛関係の破綻による愚痴と恨み言が連なっていた。
『ずっと好きだった子のことを相談していた親友が、いつの間にかその子とデキてやがった。裏切り野郎、死ねばいい』
『勇気を出して告白したのに、私の思いをクラスみんなの前で馬鹿にされた。最低なクソ男。本当死んでほしい』
『俺が好きだって知っていながら、ずっと他のやつと付き合ってた上に、俺のこと馬鹿にしてやがったあの女。一生許さない』
『イジメから庇ってくれて、優しい人だって信じてたのに、私をイジメるように仕向けてたクズだった。人の気持ちを弄んで何が楽しいの? 地獄に堕ちろ』
ここに書き込まれる内容は、大なり小なり不幸で悲痛な書き込みばかり。
負の感情のるつぼと言える、掃き溜めに捨てられた言葉たちは、消えることなく積み重なっていく。
正しく呪言ばかりが集まるサイトに集まる人間もまた、暗いものに惹かれる人間だった。
『うわひっでぇw そんなやつ殺しちまえばいいじゃん』
『個人情報くれたら、ネットにいろいろ晒してやるよ。それで少しは憂さ晴らしできるんじゃない?』
『倍返しやっちゃおう! そう言うのに詳しい探偵とか興信所とか、URLで貼っとくわ!』
『凶器を探すならこのサイトがおすすめ。足がつくと嫌ならダークウェブもあり(自己責任でどうぞ)』
野次馬でしかない彼らの性質もまた、人の不幸を蜜に感じる不心得者ばかり。
名前も素性も知らない相手だからと、対立を助長させ、犯罪を唆し、更なる不幸を集めようと囃し立てる。
実際、ここのサイトが原因で殺人事件や未遂事件が何度も起きている。
それでもなお、サイトを消されず運営され続けているのは、吐き出す側にも見下す側にも需要が途絶えないからだ。
人間は闇を煮詰めて現実にする。
善性などすぐに食われて飲まれる。
す//(時間切れ)
しかし、今回の内容はだいぶ病んでる気が……。まあ、お題などからして苦戦したのはわかるので、やさぐれた気持ちが出ちゃったんでしょうね、たぶん。




