表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
803/1238

804回目 2021/5/26

 自分の中では完成度が高いものができたつもりです。


 一回目

 お題『ちっちゃな幻想』

 必須要素(無茶ぶり)『予想外の展開』

 文字数『1227文字』 未完


 タイトル『トモダチ』


 友達ができたら、今より少し、楽しい生活になるかな?


「あははっ!」


「まてー! このー!」


 公園の砂場で、一人、山を作って遊んでいた。


 周りには、知らない子たちが鬼ごっこで遊んでいる。


 輪の中には入れない。たぶん、頼んでも入れてはくれない。


 僕は汚いから。臭いから。気持ち悪いから。


 お風呂に毎日入れない。ご飯も毎日食べられない。服も毎日洗えない。


 お父さんもお母さんも、僕のことはいないようにしている。


 誰も構ってくれない。誰も見つけてくれない。誰も助けてくれない。


 昼間はここで、一人で砂を触っている。そうして、他の子達が遊んでいる姿を見て、思うんだ。


「友達がいたら」って。


『いいよ、友達になってやる』


 変な声がした。


 後ろを振り向くと、僕より少し年上の男の子が、笑っている。


「……君は」


『わかるんだろ? 見えるんだろ? そう言うことさ』


 あぁ、またか……。


「いいよ。ありがとう」


『ん? おいおい、一人で砂遊びを続けんなよ。いいんだろ? 友達に』


「違う。君の言葉は、ありがとう。でも、友達にはならなくていいよ」


『……はぁ?』


「だって、君、人じゃないから」


 なるべく視線を向けないまま、彼のことを突き放す。


 子供の頃から、誰にも見えない人たちが見えていた。


 最初は、みんな見えてるものだと思ったから、お父さんやお母さんにもいっぱい教えた。


 それから、僕は見えない人たちと同じようになって、誰も僕を見てくれなくなった。


 見えない人たちと関わっちゃいけない。それが、見えない人になった、僕の反省。


『……なるほど? 幽霊はお呼びじゃないってか? せっかく声かけてやったのに、俺ら以上に陰気なやつだな』


「…………」


『まぁいいや。久しぶりに生きた人間と話せたんだ。今日の俺は機嫌がいい。少し力を貸してやるよ』


「いらない。ばいばい」


『残念。これは受取拒否はできねぇのさ』


「? どういう……」


 思わず振り返ると、もうあの子はいなかった。


 なんだつたんだろう? ……考えても仕方がない。もう少し、砂遊びをして、帰ろう。


「ただいま……」


 夕方、家に帰ったとき、変なにおいがした。


『よぉ、おかえり』


「……ぇ」


 あの子がいた。


 お父さんが、お母さんが、倒れていた。


 あの子が握ってるのは、包丁?


「なん、で?」


『力を貸してやるって言ったろ? ネグレクトする親に罰を与えてやったのさ。なんせ、俺とお前は友達だからな』


 ぐにゃあ、と笑うその子に、納得した。


 あぁ、だから関わらない方が良かったのに。


 見えない人は、幽霊は、生きている人に優しくない。


 知っていたのに、話しかけてしまったから、お父さんもお母さんも、倒れている。


「……もしもし、救急車を」


『あん? おいおい、毒親だろ?//(時間切れ)




 二回目

 お題『僕と女』

 必須要素(無茶ぶり)『ガム』

 文字数『948文字』 未完


 タイトル『あの日のガムは苦くてしょっぱい』


「ねえ、キスしよっか?」


「やだ」


「えー、なんでー?」


「……僕たち、ガム噛んでるじゃん」


 くっちゃくっちゃと、駄菓子屋で買ったガムを口の中で捏ねながら、隣の女の子を見る。


 近所に住んでる子で、よく一緒に遊ぶ女の子。ただそれだけであり、キスするような親しさじゃない。


「ふーん。じゃあ、ガムじゃなかったらいいの?」


「よくない。そういうの、気軽にしちゃダメだって言ってた」


「誰が? お母さん?」


「姉ちゃん。女の子は大事にしろって、いつも言われる」


「あー、そっかー」


 小学生の高学年になった姉ちゃんは、男だ女だとよく言うようになった。


 僕にはよくわからないが、大人になるといろいろあるらしい。


「たぶん、簡単にしちゃいけないことなんだと思う。だから、ダメ」


「へー、私の心配してくれるんだ?」


「心配、かな? でも、きっと後からやめときゃよかった、ってなると思う。それくらい大事だって、姉ちゃんが言ってた」


「それは違うと思うよ。むしろ、後悔するのはそっちだと思う」


 どうして? と口に出す前に、ベンチから立ち上がって、僕に指を差してきた。


「あのときキスしとけば、私のファーストキスをもらえたのにーって!」


「……よくわかんない」


 ただただ首を傾げる僕に、女の子は屈託なく笑っていた。


 何が楽しいのか、おかしいのか、僕には理解できなかったけど。


 後悔すると言う予言は、当てていったのだから不思議な子だった。




「……はぁ」


「ありがとうね、月命日に会いにきてくれて」


「いえ、こちらこそ、ご迷惑でなければいいのですが」


 線香の匂いと、立派な仏壇。


 彼女は、大人になる前に交通事故で亡くなった。


 もう十年くらい経つけど、おばさんはまだあの子の死を受け入れられているようには見えない。


 あの子に会いに、というよりも、おばさんの様子を見るために、最近は足を運んでいるところがある。


 馬鹿なことを考えて、後追いなんてしないように。


「また来ます」


「……ありがとう、忘れないでいてくれて」


 一礼してから、彼女の家を後にする。


 妙にませていたあの子は、こうなることをわかっていたのだろうか?


 //(時間切れ)


 こういうのが事故みたいにできるから、やめどきを失うのでしょうね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ