801回目 2021/5/23
改めて、ショートショートって難しいなと思いました。
一回目
お題『彼の遭難』
必須要素(無茶ぶり)『ペロペロ』
文字数『1223文字』 未完
タイトル『変人な恋人』
「……でさー、そつからはマジで死ぬかと思ったわ。コンパスが効かないは序の口で、雨が降ってきて体温は下がるわ、簡易テントは骨組みは曲がってるわ、食料目当てに熊が寄ってくるわ、本当に散々なハイキングだったぜ!」
「へー、そー」
「って、もう少し興味もってくんない? 貴重だよ、彼氏の遭難体験談?」
「そもそも遭難しないようにしてほしいんだけど? それに、鹿島くんって毎回のようにトラブルに見舞われてるから、心配するのに疲れちゃったのもあるし」
「うわー、否定できねー」
はぁ、と軽い態度を崩さない鹿島くんに呆れつつ、ペットの次郎吉に餌をあげる。
アウトドア好きな人って、みんなこうなのだろうか? お付き合いの経験があまりないから、比較対象がいなくてわからない。
でも、さすがに二回に一回のペースで遭難話を持ってくる鹿島くんは異常だ、ということくらいはわかる。
だからこそ、もっと計画的に慎重に行動してほしいんだけど、この人全部衝動的に決めるからなぁ。
今日だって、家でのんびりしていたところを電撃訪問されて、そこから失敗談を聞かされ続けたんだから、本当、自由人っていうか。
「でもさ、楽しそうだろ? 品野も一回行こうぜ、ハイキング! 絶対楽しいから!」
「遭難が? 私は嫌。鹿島くんみたいに絶体絶命になるほど興奮するマゾじゃないの」
「ちょっ、俺だってそんなんじゃねーし!」
少なくとも、私にはそう見えてしまうんだけどなぁ。
まだ食べ足りないのか、次郎吉が私の手をペロペロ舐めてご飯の催促をしてくる。
最近よく食べるようになって、病院に連れて行ったら肥満だって言われたから、我慢ね次郎吉。
「だいたい、嬉々として自分が死にかけた話をしてくる恋人が、楽しいから行こう、なんて誘われて行きたがる人なんていると思う? それとも私、そんなに自殺志願者に見えるかしら?」
「それ、間接的に俺が自殺志願者だ、って言ってない? 品野、なんか今日冷たくない?」
「別に? 家でのんびりしてたらいきなり現れた彼氏の世話で手一杯になったからって、機嫌が悪くなったりしないよ?」
あえてニンマリと笑ってやれば、鹿島くんはヒクヒク頬をひきつらせた。
「あー、っと……じゃあ、そろそろ帰るわ」
「あれ? もういいの?」
「お、おう。ちょっと長居しすぎたかもだし、俺も用事思い出したからな」
遠回しに、帰れ、って伝えたつもりだったけど、通じてよかった。
私は直接的に嫌だとかやめてとかいうのが苦手だから、ちょっと回りくどい言い方をしてしまう癖がある。
鹿島くんも、最初は気づいてくれなかったけど、それなりに付き合いを続けてたら、だんだん察してくれるようになった。
アウトドア系遭難癖は直して欲しいけど、それ以外は順調なお付き合いなんだろうな、とは思っている。
「じゃ、今度大学で」
「それまでに//(時間切れ)
二回目
お題『団地妻のお茶』
必須要素(無茶ぶり)『200字以内』
文字数『198文字』 完結
タイトル『届ケモノ』
「すみません、奥さん」
「お疲れでしょう? この団地はエレベーターがありませんから」
リビングのテーブルには、小さな段ボール箱と、独特な香りのハーブティー。
ソファに座る配達員はカップに口をつけ、すぐに静かになる。
「では、いただきます」
眠る配達員に、女性は笑みと長い犬歯を見せた。
荷物が床に落ち、軽い音を立てる。
空箱しか届かない人喰い団地は、今日も誰も帰らない。
『200字以内』でうまく話を作ってまとめるの、めちゃくちゃキツかった記憶があります。『15分』いっぱい使ってこれですし。




