797回目 2021/5/19
うーん、つかみ所のない話になった、かな?
一回目
お題『魅惑の空』
必須要素(無茶ぶり)『文豪』
文字数『1089文字』 未完
タイトル『世界の切り取り方』
空を眺めるようになって、かれこれ二ヶ月が経過した。
「……何にも思い浮かばないものだな」
近くに置いていたメモ帳は未だ白紙。持ってきたボールペンは一度もノックさえされていない。
小説家になりたいと思って、まず練習にと身近なものを文章にしてみたのが始まりだった。
家の中の様子とか、散歩に出掛けている時の風景とか、出かけのスーパーでみた賑わいとか。
なるべく何でもない、日常の延長にあるものを見て、文豪っぽく書いてみるとルールを決めてやってきた。
けど、途中で沼にハマってしまった。
「空を魅力的に描写してみよう」
そう思い立って、じっと空を見上げるようになって、はたと気づいたのだ。
「空って、どう描写すりゃいいんだ?」
そりゃあ、雲の形とか色とか大きさとかは毎日違うし、晴れや雨でも表情は変わる。
でもそれを、どう文豪っぽく書くのか? で手が止まってしまった。
読書量はそれなりでしかなくて、文豪っぽい書き方も見様見真似でしかなく、正解がどこにもない状態でやっていたのだと気づいたのも、空を眺めだしてからだった。
空はシンプルだ。シンプルであるが故に、何をどう書いたらいいのかわからない。
今日も晴れた空をボーッと眺めては、通りすがる人からヤバいやつを見る目でヒソヒソ話される時間が過ぎる。
一度やり始めたことだから、とある程度の形になるまで粘っていたら、いつの間にか不審者扱いされていたのは驚きだった。反省しよう。
「はぁ……また何にも成果が出なかったから、いつもより空も澱んで見える……」
ん? 今何か引っかかったぞ?
憂鬱だから、空がくすんで、見えて……。
「あ」
そうだ、心象風景。
登場人物の、その時の気持ちによって空だって色や表情を変えるものだ。
小説でもよく使われてたじゃないか。気分が落ち込んだり、塞ぎ込んでいる主人公のシーンで雨が降ってたり、曇り空だったり。
現実でそんな偶然は滅多にないだろうけど、物語の中は演出で状況を加工できるんだ。
つまり、誰もが客観的に見た現実を描写するだけじゃなく、登場人物の心情を反映させた景色を描くことで、より文豪っぽさを表現できるってこと!
「おぉ、なんかすごい発見をした気がする!」
初めて、白紙のままだったメモ帳にインクを走らせた。
今日は素直に、物寂しく見えた俺の心情を参考に書いてみよう。
正解がわからないんだから、とにかく実験を繰り返していくしかない。
俺ができるやり方は、そんなことしかないんだから。
//(時間切れ)
二回目
お題『鋭い終身刑』
必須要素(無茶ぶり)『胸キュン』
文字数『1008文字』 未完
タイトル『盲目は胸キュンの後で』
……あぁ。
私は今、一生治らない病にかかってしまったかもしれない。
「……で? これで何度目の運命だったの?」
「失礼な! 初めてですよ! あんなに鋭く、激しく私の心を揺さぶった方は!」
「それ、言い方変えただけで何回も言ってるでしょ? その惚れっぽい癖、どうにかしたら?」
ぬぐぐ……幼馴染だからって言いたい放題。
学園の学食で、近くに人がいないから特別に話したっていうのに、なんて友達甲斐のない子なんだ。
「っていうか、前にも似たようなことはあったじゃない。何だっけ? ナンパされてたところを上級生に助けられたんだっけ?」
「そう! 颯爽と現れて追い返してくれたんですよ! 本当、格好良かったなぁ」
「はいはい、妄想フィルターを記憶と相手にかけるの禁止。あんたのイケメンフィルターは目が粗いからガバガバなんだって、いい加減気づけば?」
むぅ、また失礼なことを。
でも今度こそ、私の運命の相手だって確信があるもの。
この胸の高まりが何よりの証拠! この想いは死ぬまで私を離さないはず!
「もしかしたら、私は恋の終身刑を受けてしまったのかもしれない……」
「うーわー、ポエムにしてももっとまともな言い回しなかったの? 上手くもないし、微妙に臭いし」
「もー! 少しくらい友達の新たな恋を祝福してくれたっていいじゃないですか!!」
「これまで何人のダメンズに引っかかってきたと? なまじ顔がいいから、ほとんどの男はホイホイついてくるし、本当の優良物件がたまに現れても釣り針に引っかからない大物ばっかり。そろそろあんた、自分で恋愛対象見つけるのやめた方がいいよ?」
「今回こそは絶対だから、今度なんかないんです!」
そりゃあ、連続少女誘拐犯とか、生徒に手を出すロリコン教師とか、恋人になった途端暴力を働く最低男とかいたけど、今回は困ったところを助けてくれたんだから絶対いい人!
私の初めても生き残ってこれたのも、この日の相手に捧げるためだったに違いない!
「まーたこの子はトリップしちゃって……はぁ。相手はどんな人? 一応、暇つぶしに聞いてあげる」
「もー! なんだかんだ言って、私のことに興味津々なんですからー! 仕方ないなー、教えてあげます! 特別ですよ?」
「……うぜー」
背は私より高くて、声はどちらかというとハスキー。
筋肉がすっごくて、//(時間切れ)
どちらも主題がふわふわしている印象です。何をいいたいのかわからない。
まあ、私が見てきたラノベってメディアは娯楽が第一ですから、主題なんて際だたせる物じゃないかもしれませんけどね。




