781回目 2021/5/4
我ながら、不思議な世界観の作品だなぁ、と思います。
一回目
お題『フニャフニャの道』
必須要素(無茶ぶり)『2000字以上3000字以内』
文字数『962文字』 未完
タイトル『ショートカットに要注意』
この頃、雨の日が続いていたのは確かだ。
時期的にも梅雨だし、まあ仕方ないかなとは思っていた。傘をさして出かけるのは憂鬱だが、雨そのものはそこまで嫌いじゃないし。
でも、今日で一気に嫌いになりそうだ。
「やっちまったぁ……」
ぬかるみに、足を取られた。
まあ、ここらは田舎すぎるわけでも、都会すぎるわけでもない半端な土地だ。
数年前から家やアパートの建築ラッシュがあり、地価が地味に上がってきているくらいには、ベッドタウン的発展をしてきている。
道も舗装されたものが目立ってきた。土剥き出しの地面も、まだ残ってはいるがそこまで多い面積手間も無くなったように思う。
そんな土の道をたまたま通って、ハマっちまった。
「いやー、冷静に考えるとやばいな、これ」
なんて言うか、感触が底なし沼に突っ込んだ感触がする。
数日前まで普通の固い道だったのに、連日の雨程度でこんな粘着質になるか? 土が悪いのか土が?
いやいや、土とかマジでどうでもいいから。
かれこれ十分ほど、地面から足が抜けない。
そんな一大事を解決することが先だろう。
「でもどうしたもんか……」
伊達に十分間も足を突っ込んだままになっていない。俺が考えうる限りの、できるだけは既に試し切った後だ。
力づく抜こうとしたらさらに沈んだし、人を呼んだけど誰も答えてくれず、前にも後ろにも進めないまま時間だけが過ぎていった。
「スマホは、咄嗟に投げ出しちまったカバンの中だし、ろくに助けも呼べやしない」
俺のSOSができる唯一のアイテムだったスマホは、ちょうど俺が頑張って手が届かない場所で転がっているカバンの中にある。
前に歩きスマホして電柱に頭をぶつけてから、安全重視な生活をするようになったのに……こんな時に裏目に出るとか考えられるか?
こんなことなら遅刻するんじゃなかったな。無理矢理ショートカットなんて考えなかったら、こんな裏道きてないわけだし。
ついてないなぁ、どうしよう?
「八方塞がりとはまさにこのこと。せめてもの救いが、足が地面につくってことくらいだな」
そこはそれ、本場の沼地みたいに水深が深いわけでもなく、道端で溺死するなんて無様はさらさないでいい。
それてまも//(時間切れ)
二回目
お題『斬新な経験』
必須要素(無茶ぶり)『二号機』
文字数『903文字』 未完
タイトル『偽物フィードバック』
「はい、皆様お疲れ様でした! 当牧場で自慢の食材を使った料理を食べていただいて、本日のツアーは終了になります! それではご賞味あれ!」
『いただきさきまーす』
そうやって、他の参加者は次々と肉や乳製品を使った料理に手をつけていく。
ただ、俺はなかなか手が出なかった。というか、正直今にも吐きそうだ。
俺も、久しぶりに休みができたからとツアーに応募しただけの観光客で、周りの奴らと何ら変わりない。
一緒に牧場を見学して、加工食品になるまでの工程を見て、それで……家畜の解体を、体験した。
「……っ」
酸っぱいものが喉を逆流しそうになって、必死に水でかき込む。
気分は最悪だった。同時に、こんなことでメンタルが削れてる俺の繊細さにも、ちょっと驚いている。
解体体験に、と出されたのは流石に本物の動物じゃなかった。機械で模した動物で、牛とか豚とか羊とか、やたらと種類が豊富だった。
俺が参加したのは二人目。一人目のおっさんが苦労して、鶏型の機械に決められた手順でバラしていったのを見て、純粋に楽しそうに見えたから、自分から手を挙げた。
そんで出てきたのが、牛型だった時から嫌な予感はしていたんだ。
『こいつをまるまる一頭はバラすのしんどいから、途中まででいいですよ。まあ、雰囲気を味わうだけなんで』
ツアーガイドであり、牧場のスタッフでもある男はそう言って、機械解体用の道具を渡してきた。
実際、やることに複雑なことはなかった。ただ指示通りにやっているだけで、機械の体は面白いように小さくなっていったし。
だが……感触が、手に伝わるすべてが、異様に生々しかった。
まるで本当の動物を触って、傷つけて、肉を引き裂いているような錯覚に陥った。
スタッフ曰く『演出』らしい、時折飛び出る色付きの水が簡単に血を連想させてくる。
自分でもおかしいと思う。原型があんまりない機械の模型相手に、感情移入しすぎだって。
でも、なぜか消えない。本物と同じか、むしろそれ以上の感覚が、俺の手から消えてくれない。
他の参加者は疲れてそうではあったが、おれまた//(時間切れ)
お題の問題もあるんでしょうけどね。本当、ランダムで出されるお題はくせ者も多くて困ります。




