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765回目 2021/4/18

 割とどちらもしんみりする系? です。


 一回目

 お題『とびだせ霧雨』

 必須要素(無茶ぶり)『弾丸』

 文字数『1103文字』 完結


 タイトル『それは綺麗な色だった』


 荒れる息を誤魔化しながら、山の中をひたすら歩く。


 登山、なんていうほど険しい山じゃないけど、早朝で薄暗い山の中はどこか薄ら寒さを覚える。


 まぁ、霧雨に近い雨が体に当たっていて、実際に体温を奪われているからそう感じるだけなのかもしれないけど。


「はぁ……間に合った、かな」


 山道を抜けて、頂上にたどり着いた。時計を見れば、あと少しで日の出が見られるだろう。


 初日の出も毎年無視していた私が、こうして早起きして準備をして、山の天辺で朝焼けを見ようとしているのだから、変な笑いが出てきそう。


 ちょうどベンチがあったから、霧雨に濡れた座面をタオルで拭って、ありがたく座らせてもらう。


「はぁ、はぁ……慣れないことはするもんじゃないな」


 リュックから水筒を取り出して、一気にあおる。大きめの容量を買ったつもりだが、もうすぐ中のお茶は無くなりそうだ。


 しばらくうなだれて、疲れた体を休める。ときおり時計を確認して、日の出を待った。


「そろそろ、か」


 ベンチにお尻がくっつきそうなくらいの時間がたったくらいで、泣く泣く重い腰を持ち上げる。


 日の出が映えるか何かで、この山は写真スポットとして有名だ。


 今まで意識する余裕はなかったけど、よく見れば周りには結構な人がいる。たかが写真のために、ご苦労なことだ。


 お粗末ながら転落防止用っぽい木製の柵があったので、手をかける。


 だんだん空が明るくなってきた。さて、ネットの画像と比べて、実際の日の出はどうか……。


「ぁ」


 視界が、白に染まった気がした。


 目を細めて、その光景を味わう。なるほど、これはファインダー越しよりも、肉眼の方が見栄えがいい。


 周りでパシャパシャとシャッターがうるさいが、今は無視しておこう。


 私は、これを撮りにきたんじゃなくて、見にきたんだ。


「こういうのが楽しかったんだ……父さんは」


 先日亡くなった肉親を思い出し、ポケットに右手を入れる。


 小さな金属を握りしめた。海外で殺されかけた時の銃弾だ。


 あの時は『死にかけた記念だ』とかいう笑えない冗談に呆れたものだが、実際に紛争地帯の流れ弾で死んだと聞かされると、本当に笑えない。


「世界の景色を見にいく、か」


 父さんがそう、海外を渡り歩く写真家になったのは今でも理解できない。


 でも、ほんの少し。


 世界の景色を見に行きたくなる気持ちは、今日、分かった気がした。


「綺麗だな……朝焼けも、虹も」


 空はすっかり明るくなっている。


 霧雨も、いつのまにか止んでいた。


 また今日も、一日が始まる。




 二回目

 お題『苦い殺し』

 必須要素(無茶ぶり)『ペロペロ』

 文字数『966文字』 未完


 タイトル『死にゆくものへの奉拝(ほうはい)


「ペロ、ペロ」


「こら、そんなもん舐めるな、汚いだろ」


 狼の血を引く闘犬種のフューリはどんな指示にも勇敢に応えてくれる頼もしい相棒だが、何でもかんでも舐める癖は子どもの頃からついに直らなかったな。


 ため息をついて首を掴んでわしゃわしゃ撫でると、ようやくそれから顔を離してくれた。


「ったく……ただでさえ胸糞悪い仕事だったってのに、余韻まで後味悪くしないでくれよ」


 さっきまでフューリが舐めていたのは、依頼主の館から抜け出した二人の子ども……奴隷の死体だった。


 俺が受けたのは捜索依頼ではない……こんな言い方はしたくないが、駆除依頼だ。


「本当に、貴族ってやつは腐ってやがるな。実際に手を下した俺に、何をいう権利もないんだが」


 しばらく撫で回してフューリを大人しくさせた後、俺は子どもたちに刺さっていた矢を引き抜く。矢を揃えるのも金がかかるから、損傷が少ない物は回収するのが鉄則だ。


 この子たちは、どういう経緯で買われたのだろうか? 今どき、どこの平民も金に困ってるだろうから、口減らしに親に売られたか。


 二年続いてる飢饉によって、大勢の人間が死んだ。金があっても物が買えないなんてことも多く、餓死した貴族や豪農も少なくない。


 残った富める者はといえば、現状を回復させるつもりがなく、ただイタズラに私財を快楽に放つばかり。


「この国は、もう死んでるな」


 矢についた血を、彼らの着衣で拭い取り、矢筒に戻す。


「許せとは言わない。俺も生きるためにやった。恨むなら俺と、お前らを売った奴と、買ってろくに面倒も見なかった奴を恨め」


 簡易的な黙祷と、なんの慰めになるかわからない祈りを捧げる。


 せめて、魂だけは安らかにあってほしい。


「……行くぞ、フューリ」


「ウォゥ!」


 元気な相棒に少し元気づけられ、俺は依頼達成の証拠にと指定された、子どもたちの生首を二つ、麻袋に入れて歩き出す。


 これでようやく、この国から出られるだけの資金が手に入る。


「生まれ故郷とは言え、ここまで死んでる国に長居は無用だ」


 俺以外の同業者も、続々と出国していると聞く。俺もこの波を逃さないようにしないとな。


 せめて、次の国はここまで腐った場所でないことを祈ろう。


 神様とやらが、ほんと//(時間切れ)


 基準がわからないのですが、私の中で『現代より』か『ファンタジーより』かの線引きが、お題や無茶ぶりであるみたいで思いつきやすい世界観が最初に決まりやすいです。


 一回目が『現代より』で、二回目が『ファンタジーより』になったのは、本当、自分でも正直わかってませんけど。


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