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756回目 2021/4/9

 今さらですが、ちょっとセンシティブなタイトルを付けたかも、と思いました。


 一回目

 お題『安全な少数派』

 必須要素(無茶ぶり)『アメリカ』

 文字数『1244文字』 完結


 タイトル『真っ黒な少数派』


「コーヒーってさ、なんで濃いのが美味しいって風潮があるんだろうな?」


「あー、わかる。コーヒーは濃くなればその分、苦味も増すよね。なんだっけ、エスプレッソ? あれめちゃくちゃ濃くて苦いらしいじゃん」


「うへぇ、そんなん飲めるやついんのかよ? 俺絶対コーヒーにはミルクと砂糖マシマシで入れるわ」


 とあるファミレスで、四人の男子学生が屯していた。


 ひとしきり軽食を食べた後なのか、ドリンクバーの飲み物を各自用意し、ただ当てもなくだべっている。


「じゃあ、みんなコーヒーだったらアメリカンコーヒーの方がいいの?」


「アメリカン? それってどんなの?」


「簡単に言えば、味が薄めのコーヒー」


「へぇ、そんなんあるんだ。苦いの苦手だから、それで飲みやすくなるんならいっぺん飲んでみたいな」


「さんせー」


「右に同じー」


「そう? 濃くて苦いのもなれたら美味しいけど」


『はぁ?!』


 が、ここで一人の学生が少数派になったところで、残り三人からの厳しい視線が向けられた。


「おいおい、マジかよ? コーヒーなんて牛乳と砂糖がなかったら単なる泥水だぞ? それを飲むなんて、お前正気か?!」


「うん。っていうか、味の好みは人それぞれなんだから、他人にとやかく言われる筋合いないんだけど」


「はっきり言おう、お前の味覚はおかしい!! コーヒーはブラックで飲むもんじゃないぞ、絶対!! どうせ格好つけのファッションだろ? 子供っぽい自分を隠すためのカモフラージュがしたいんだろ?!」


「好みの違いだって……そもそも俺、逆に甘いコーヒーは飲めないし。なんかこう、舌に合わないから」


「おいおい、なんだぁ?! そりゃ間接的に俺らがお子ちゃまだっていいたいのか?! もしかして、アメリカンとかいうのも、俺らみたいな子ども舌はあっ水コーヒー淹れて飲めるようになってから出直せってことか、あぁん?!」


「いや、別に馬鹿にしてたわけじゃないんだけど……」


 すっかり居心地の悪くなったコーヒーブラック派の学生は、コーヒーミルク砂糖派の三人に詰め寄られてタジタジになる。


「っつか、アメリカンコーヒーで十分とか馬鹿にしすぎだろ!」


「え? なんで?」


「今さらとぼけんなよ! 薄いコーヒーって、要するにコーヒー豆ケチって淹れたやつなんだろ?!」


「あ、あー……」


「ほら見ろ! やっぱり俺らのこと馬鹿にしてたんじゃ」


「えーと、盛り上がってるとこ悪いけど、三人ともアメリカンコーヒーって、単に焙煎を浅くしたコーヒー豆を使ってるだけで、豆の量をケチった貧乏コーヒーってわけじゃないからね?」


 …………。


「ごめん」


「悪かった」


「知らなかったです」


「……逆にトーンダウンされると、対応に困るな」


 自分たちの勘違いを自覚した三人は、一気に大人しくなりジュースに口をつける。


 一人、ブラックコーヒーを口に含んだ学生は、インスタントな苦味に微笑んだ。




 二回目

 お題『純粋な姉妹』

 必須要素(無茶ぶり)『個室』

 文字数『1032文字』 未完


 タイトル『超能力を開く鍵』


 双子には……厳密には一卵性双生児には、ときおり不思議な共感能力が観測される。


 片方が別の場所で怪我をすると、同じタイミングでもう片方も痛みを訴える、などがポピュラーな事例だろうか。


 双子にはテレパシーのような潜在能力が存在する。


 それを証明しようと、たくさんの研究者が実験をしようとした。


 多くの実験では、一卵性双生児を何組も集めて、個別の部屋で片方に実験を行い、もう片方に問診をする。


 そうして何かしらの異変や刺激を受け取ったケースでは、双子のテレパシーの実在を証明する要素とされた。


 が、現実はそんなオカルトじみた結果ばかりではない。成功の度合いも、一定とは限らない。


 効果はあっても弱すぎたり、感覚的にしか捉えられず言語化できなかったり、個人差が大きすぎた。


 故に、常に人々の興味の対象でありながら、研究は遅々として進まないのが、テレパシー感応能力の実態だ。


「痛いよ……痛い」


 ある姉妹が、現れるまでは。


「痛い……痛いよぉ」


 六歳になったばかりの双子の姉妹。


 彼女たちは、他の被験体とは明らかに異なる反応を見せた。


 それは偶然だった。


 別々の部屋に入れて実験の準備をしようとしていた矢先、姉の方が誤って机の足に足をぶつけてしまったのだ。


 その瞬間、妹もまたその場にうずくまり痛がりだした。大人しく床に座っていただけの妹が。


「ほし!」


「おほしさま!」


 それから行われた実験での成果もめざましかった。


 妹に見せたカードの絵柄を、なんの説明もなしに問いかけた姉が当ててみせた。


「つめたいっ!?」


「ちべたっ?!」


 不意に姉へ氷を渡せば、妹が同じ方の手に冷感を訴えた。


 いくつもの実験の果て、彼女たちだけは本物の感応能力者だと断定された。


「ミヤー!」


「マヤー!」


 親の同意を得て、継続的な実験を行う環境が整えられてから、双子の様子を細かく観察した。


 能力の影響かはわからないが、とにかく姉妹は一緒にいることを望み、別々の行動を取らされることを極端に嫌った。


 実験後は決まって、相手がいる方を知っているかのように走りだし、抱擁を交わして名前を呼び合った。


 これは特異な反応だった。他の双子で似たようなことをするケースはあったが、毎回のように行う双子は、彼女たち以外にいなかった。


 おそらく感応能力の影響下にあると仮定した研究者たちは、りんりに//(時間切れ)


 無茶ぶりで『アメリカ』かつタイトルが『真っ黒な少数派』だったら、人種差別を連想しちゃいますよねぇ……内容はくだらないコーヒー論争だったのですが。


 タイトルも気をつけないといけないな、と思いました。


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