755回目 2021/4/8
なんか不思議なテイストだな、と読み直して思いました。
一回目
お題『光の微笑み』
必須要素(無茶ぶり)『二人称』
文字数『1213文字』 未完
タイトル『生来の天性』
コミュニケーション能力は、訓練すれば誰でも身につけられる力だ。
が、たまに天然で人たらしと言われるほど、対人コミュニケーションが元から高い人間もいる。
そいつの周りには自然と人が集まり、楽しそうな時間が流れ、笑顔が何度も咲き乱れる。
「おいおい、小テストでその点数はやべーだろ!」
「うっせー! 天才野郎に俺の苦労がわかるか!!」
それは今日も変わらず、教室の中心で馬鹿騒ぎが起きていた。
先程成績をいじった男が、天然人たらし。いじられた方は、入学当初はゴリゴリの不良だった。
俺は傍観者だから、彼らの間に何があったのかはわからない。でも、元不良の欠点をあげつらっても、笑いに変えられるくらいの好意や信頼は築いているのだろう。
教室の中心は、いつも天才と呼ばれた彼がいた。自然と人が集まり、時折起こす喧嘩も大ごとにはならず、穏やかな空気を保っている。
いわゆるスクールカーストなんてのも存在するが、このクラスに限ってはあまり意識されたことはないだろう。
実際、あまり対人コミュニケーションに自信がない俺でさえ、この教室を居心地が悪いと思ったことはなかった。
「あれ、また何か難しい本でも読んでんのか?」
「難しくない。ただの小説だ」
「いやぁ、旧字体の漢字がゴロゴロ並んでるやつはハードル高いって」
以前、教室で本を読んでいたら、彼に絡まれたことがある。
最初はウザ絡みでもされるのかと警戒していたが、交わした会話はそのくらいで、彼にしては淡白なやりとりだったと思う。
それから何度か接するうちに、彼は『相手が不快に思うライン』をわかっているような節があった。
俺が嫌がる、もしくは鬱陶しいと思う直前で、彼はいつも会話を引いていたと気づいたからだ。
相手の感性を読む力は、意識的に習得しようと思えばかなりの時間と経験を要するだろう。少なくとも俺はそうだ。
しかし彼はこともなげにやっているところを見るに、天性の人懐っこさとエスパーじみた配慮が自然とできていると思われる。
彼は、控えめに言っても理想の学生だっただろう。
俺もそう思っていたが、その認識もある日覆された。
「あ……やあ」
『……何してるんだ? こんなとこで、一人で?」
放課後、少し本屋に寄り道して帰っていた日、彼は公園で一人、ボーッと空を見上げていた。
元気、というか覇気がないその姿は、学校での様子と違いすぎて、かなり驚いた記憶がある。
「疲れたんだ……信じてもらえないかもだけど、俺ってあんまり、人と一緒にいるの得意じゃないんだよね」
ぽつりと漏らした告白に、少し興味を惹かれて話を聞いてみれば、なんとも言えない話だった。
彼は天性の人たらしだ。同時に、根っからの隠キャでもあった。
彼自身は一人を好むのに、周りが放っておいてくれない。
彼の明るい//(時間切れ)
二回目
お題『明日のカラス』
必須要素(無茶ぶり)『1500字以上2000字以内』
文字数『1305文字』 未完
タイトル『パステルクロウ』
ある神話では、カラスはもともと真っ白な鳥だったという。
なぜなら神の使いであり、神聖視されていた動物だと信じられていたからだ。
が、あることをきっかけに神様の不況を買い、その罰として体を真っ黒に染められてしまったという。
……まあ、これはあくまで神話の話だから、どこまで信じられるものかはわからない。
少なくとも、私たちが生まれた時にはカラスはすでに黒い鳥であり、賢い鳥であったのは事実だ。
「……あー」
その日、真っ赤なカラスを見つけてしまうまでは。
「え、赤……ペンキでも塗った? それくらい赤いんだけど……」
突然だが、私の家のゴミ集積所には何羽かカラスがナワバリとしていて、燃えるゴミの収集日になると毎回のようにどこからか飛んでくる。
今日も今日とて、生ゴミ目当てに飛んできたカラスを怖いと思いながら通り過ぎようとして、この日は失敗したのだ。
「えー、どうしよう? こういうのって、鳥獣保護法? とかで保健所に連絡したほうがいいのかな?」
もし人間が意図的にペンキでもかぶせたのなら、今の時代立派な動物虐待である。
そうでなくとも、野鳥は確か色々と法律的に保護的な何かがされていたんじゃなかろうか? にわか知識なので確かなことは言えないが。
「なんにせよ、真っ赤なカラスとか余計に怖いな……写真だけ撮っとこ」
通報するにしても証拠があったほうがいいし、純粋に物珍しいからと、通り過ぎる前にスマホで写真を一枚。
フラッシュの機能をそのままにしていたためヤバいかと思ったけど、幸いカラスは無反応でゴミの周りをうろついていた。
それから一日、なんだかんだでカラスの存在をすっかり忘れ、写真に撮ったことも忘れた頃。
「……うっそー」
次の燃えるゴミの日に、真っ青なカラスを見て再び思い出すこととなった。
「今度は青? ……うわ、前の赤いのとおんなじで原色っぽい色じゃん……無駄に艶があるから、なんか生々しいな」
なお、青いカラスは一羽ではなく、収集所に集まるカラス全部がその色になっていた。
ちょっと可哀想になってきたが、大きめの鳥はやっぱり怖く、近づかないように遠くからまた写真をパシャリ。
流石に二回も異変を目にしたため、頭のどこかに引っかかりを覚えながら時間を過ごすことになった。
で、次の燃えるゴミの日……最初の赤いカラスを見かけて一週間が経過した。
「真っ黄っ黄?!」
今度はレモンっぽい淡めの黄色に染まったカラスたちが、相変わらずゴミ袋をせっついていた。
「なになに?! 流石にどうなってんのこれ?! 嫌がらせにしてはカラフルすぎだし、カラスにしては人間に無頓着すぎない?!」
私はずっと、カラスの着色に人間が介入していたと思っていたが、それにしてはカラスが私を見ても怒ったような動きを見せないのがおかしい。
もう三回もカラーチェンジを食らったのだ。犯人だけでなく、人間そのものに敵意を抱いてもおかしくない回数である。
なのに、黄色のカラスはゴミ袋に夢中。横を通る私なんて眼中にない。
から//(時間切れ)
お題がわからないなりにがんばってやったんでしょう。すでに他人事ですけど。




