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747回目 2021/3/31

 お題のテイストが似ている感じがしました。


 一回目

 お題『小説家たちの国』

 必須要素(無茶ぶり)『甘栗』

 文字数『1058文字』 未完


 タイトル『自分だけの物語』


「あむっ」


 口の中に素朴な甘みが広がる。ホロリと解けた身の中につまった蜜が、舌の上を優しく刺激した。


 歯で簡単に砕ける甘栗は、人工的な甘味を好まない私にとって、貴重な食べられる甘味だ。


 どうも砂糖との相性が悪いのか、同じ栗でも甘露煮になると途端に食べづらくなってしまう。


 脳を働かせるために甘いモノを、となると大体は果物に手を伸ばす。


 そうして私は、いつものように筆を進めるのだ。


『自分だけの物語』を、書き記すために。


「よぉーっす! まぁた田舎くさいもん食べてんな、お前は」


「こんにちは、ハル。でも、開口一番に私の嗜好を腐すのは、あまり褒められたことではないよ?」


「へーへー、そりゃ悪うござんしたね」


 肩をすくめるハルは、近くに住む執筆家の息子さん。年齢は私より少し下だけど、まだまだ子供っぽい弟のような子。


 それでも、すでに『自分だけの物語』を完成させているのだから、この国では立派な成人で、一人前と認められている。


「で? アンネはまだ書いてんのか? 適当に済ませればいいじゃん、そんなの。この国だけの変わった因習ってだけだろ?」


「そういうわけにはいかないの。私は『自分だけの物語』に真摯に向き合いたいから、ほんの少し人より時間がかかっているけれど、いつか納得のいく形で完成させるって決めてるから」


「……ったく、アンネは真面目すぎんだよ」


 不貞腐れているハルに苦笑するが、『自分だけの物語』に嘘はつきたくない。


 それに、自分の今後の生き様にも正直になりたいから、真剣に続きを書いている。


 この国では国民全員が『自分だけの物語』を書くことを義務付けられている。


 将来の自分でもいいし、理想の自分史でも構わない。


 それを完成させて成人した後、その物語を裏切らないように、裏切られないように目標を立てる意味で、小説にする。


 変わった風習として広まった今では、私たちの国は『小説家の国』なんて呼ばれ方をしている。


 でも、それは少し間違いだと思っている。


 小説は、生涯において一作だけならば誰もが書けるモノだからだ。


 物語は、誰かの人生録に等しい。そして、成人の証として提出を求められる『自分だけの物語』は、空想の自分がたどる物語を写したものだ。


 憧れの自分を思い描いたことのない人など、それこそ数えるほどしかいないだろう。


『自分だけの物語』は、それを文字に起こすだけの作業だ。だから、誰でも一作は必ず完成させられる。



//(時間切れ)




 二回目

 お題『興奮したユートピア』

 必須要素(無茶ぶり)『ピアノ』

 文字数『993文字』 未完


 タイトル『取るに足らない理想郷』


 誰にでも理想は存在する。


 ああなりたい、こうなりたい、そうなってほしい、こうであればいいのに。


 人と同じ数だけある理想は、しかしそれら全てを集めても全ての人々の理想を叶えるユートピアにはなってくれない。


 誰かの理想は、他の誰かの理想を否定する要素を持つからだ。


「はーい! 俺、女子にセクハラしても許される世界がいい!!」


「だからお前はモテないんだ」


 たとえばそう、ちょっとした暇つぶしなのに割とガチめに社会的な死を迎えそうな意見を言う馬鹿の発言がわかりやすい。


「えー!? お前らだってそう思うだろ?! ってか、男は一部の例外を除いて大体女子にエロいことしたいだろ!? 俺だけ違うみたいな感じでハブるのやめろよ!!」


「いいか、世の中には本音と建前が存在するんだ」


「言いたいことはわかるけど、さすがに大っぴらに肯定するのはちょっと」


「ってか、場所考えろよ。ここ昼休みの教室だぞ? そして、うちの学校は共学だ……意味、わかるよな?」


 馬鹿話に参加していた友も加えて、三人がかりでバカを諭そうとする。


 ほら、少し視線を横に向ければ、汚物を見るような目で俺たちを見てくる女子の表情が拝めるぞ。


 こういう時、その発言をした個人が責められるはずなのに、一緒にいるってだけで周りにいる奴らも同じ考えだと思われるんだよな。


 こんなクソったれな連帯責任、絶対にかぶってやんねぇ。


「えー、お前らもいろいろ言ってたじゃん。毎日好きなようにピアノ弾けたらとか、誰にも邪魔されずにゲームしてたいとか、世界中を旅して強いやつと戦いたいとか!! なんでお前らの夢は問題なくて、俺の夢は否定されるわけ!?」


『倫理的にアウトだから』


 まして、冗談で言ってるならまだしもコイツ目が本気だったから怖ぇんだよ。


 エロマンガやAVじゃあるまいし、そんなもん頭の中で考えるだけにしとけよ。


「ちぇー、つまんねぇの。どうせなら実現しないようなこと言ってもいいじゃねぇか。遠慮してっとストレス溜まるだけだし」


「お前はもう少しストレスと恥を感じた方がいいぞ」


「大体、本当にそんな世界になったとして、実際にやる勇気ないって」


「いや、そもそもこんな話に付き合うだけ無駄だぞ。どうせ仮定の話なんだから」


「そうそう! ほら、こーんなことしたら殺されるぞ//(時間切れ)


 中身の空気間はぜんぜん違う物になりましたが。にしても、私の書く小説はあまり振れ幅がないように感じるので不思議です。


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