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746回目 2021/3/30

『地獄』って何があるんでしたっけ?


 一回目

 お題『地獄学校』

 必須要素(無茶ぶり)『文学』

 文字数『846文字』 未完


 タイトル『地獄の現世講座』


「ぎりぃづぅ」


 あぐらをかいていた亡者たちが立ち上がる。


「ぅれ゛い」


 こめかみにツノを生やした鬼たちがこうべを垂れる。


「ぢゃぁぐせぎぃ」


 そして、喉が物理的に潰れた死者の声によって、再び亡者たちが地面にあぐらをかいた。


 ここは、現世で言う地獄に位置するところの広場である。少し横を見れば針山地獄がそびえ、反対側を見れば釜茹で地獄の窯が煮詰まっている。


 そんな拷問上等な環境の中、熱気と死臭が渦巻く荒野にて、なぜか青空学級が始まろうとしていた。


「ぎょ、ぎょぉのげんぜのべんぎょおは、じょぉぜつにづいで」


 教師役は、どれくらいの期間拷問を受けたのかわからないが、肉体の欠損が激しい死者だった。


 現世の勉強、と銘打っている都合上、現世を知っている元犯罪者の死者にしか務まらないのであろう。


 なお、亡者は地獄の拷問ですでに思考力が死んでいるため、その場の賑やかしにしかなっていない。


「はい、黒縄地獄の死者先生」


「あ゛ぃ、お゛にのがんじゅざん」


「小説? ってなんですか?」


「じょぉぜぅは、にんげんがぎょぉずる、ごらぐのひどぉづ、でず」


 生徒役であるゴツい大鬼の質問により、まずは小説や文学についての説明から入る死者。


 喉によって聞き取りづらくはあるものの、説明自体は明朗としていて、鬼たちの理解はそこそこ早いように思える。


 現世では教師をしていたのだろうか、死者の説明が終わると取り出したのはこれまたボロボロな本だった。


「ごんがい゛は、じごぐつながぁりぃで、あぐだがばりゅう゛のずげの『ぐもの゛いど』、でず」


 本のチョイスが地獄繋がりなのはいいのか悪いのか。


 比較的読みやすい部類の名著を紹介した死者だが、現世の常識を全く知らない鬼たちは疑問が尽きない。


「なぜお釈迦様はこの亡者にだけ救いを与えたのですか?」


「蜘蛛がもらった慈悲ならば、地獄に行く前の裁判ですでに開示されていたはずなのに、なぜいまさらになって//(時間切れ)




 二回目

 お題『箱の中の解散』

 必須要素(無茶ぶり)『レモン』

 文字数『967文字』 完結


 タイトル『箱庭世界の終末は』


 今、破滅の始まりが天から降り注いだ。


「総員! 第一種戦闘配置!!」


『はいっ!!』


 来るべき時が来るまで、整然と並んでいた精鋭が答えてくれる。頼もしい限りだ。


「奴の動きは未知数だ! 総員、警戒を最大にして備えろ!!」


『了解!!』


 打てば響く部下たちの声を背に、見上げた先に現れたモノに戦慄する。


 大きい。その上、長大だ。二本の巨大な棒状の兵器は、俺たちがいる世界を容易く壊せるほどの質量を備えているだろう。


「ぎゃあ!!」


「くそ、隊長!!」


 現に、たった一度の接触で、俺は多くの仲間を失ってしまった。


 あいつは少し熱血漢で苦手なところはあったが、最近になってようやく付き合いやすいと思っていた部下。


 あいつはいつも痺れるようなラップを吐くお調子者で、なにかと馬が合わないやつだった俺でも気があった仲間だった。


「くそ、くそぉっ!!」


 いい奴も悪い奴も、ついでによく話したことないから知らない奴も。


 棒状の兵器によって、俺たちの世界はどんどん壊され、同時に命も散っていく。


「俺たちが、いったい何をしたっていうんだ!!」


 止まらない涙と衝動のまま、俺に狙いを定めた悪魔に叫ぶ。


 俺の渾身の呪詛は……棒状の悪魔には、届かなかった。


 体が持ち上がる。


 そして、今までいた地面を、世界を、残酷なまでに見せられる。


 もう、俺以外の仲間は誰もいなかった。


 世界の終わりを見せつけられた。


 そして、場違いにも思ってしまう。


「俺たちがいた世界は、こんなにも、ちっぽけだったんだな……」


 直後、俺の意識は闇に沈んだ。




「ごちそうさま」


「うわ、また綺麗に食べたねー」


「まあ、一応ね。時間がないのに作ってくれたんだから、全部食べるのが子どもとしての礼儀かなって」


「そんな気を使うものかね……うわ、レモンとか皮だけになってんじゃん。食べたの? 酸っぱくない?」


「うーん、レモンより最後に食べた梅干しの方が苦手かな。耐えられる酸っぱさなんだよね、レモンは」


「あっそ……あ、次移動教室じゃなかったっけ?」


「そだね。じゃあ、片付けて行こっか」


「はー、午後からの授業だるいわー」


「そうだけど、もうすぐ終わるし頑張ろう」


「へーい」


 前にアニメをやっていた『鬼灯の冷徹』で見た知識を思い出そうと必死でしたよ、一回目を書くとき。やっぱりさらっと視聴だけで知識は身につきませんね。


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