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745回目 2021/3/29

 今回は二つとも完結できた気はします。


 一回目

 お題『今日の愛』

 必須要素(無茶ぶり)『1000字以内』

 文字数『965文字』 未完


 タイトル『林くんは愛を伝える』


「愛しています、鈴木さん」


「うん、それ昨日佐藤さんにも同じこと言ってるの聞いた」


「明日は明日の愛がある!!」


「ラテン系の愛情は間に合ってます」


 そして、一人の男は四つん這いで取り残されたのであった……。


「よお、林。よかったな、鈴木が優しくスルーしてくれる女子で」


「……あれが優しかったのか、田中くん?」


「だって、佐藤の時は股間蹴り上げられてなかったか? 肉体的苦痛がプラスされるよりマシだろ」


「精神的苦痛があること前提なのは気に食わないが、田中くんのいうことも一理ある……と思う」


 負け惜しみか? 自分の中で言い訳が終わったのか、作家と立ち上がる林を見守る。


 厳密には、鈴木に告って袖にされるまでずっと見てたんだが。いやー、こいつの生態は見ていて本当に愉快だわ。


「にしても、よく飽きない……ってか心が折れないよな? 学年全員に告ってるペースだろ? 振られ続けてよく女子にアタックしようと思えるな?」


「前にも言ったが、僕は愛に生きる男だ。たった一つの想いがすれ違ったところで、通じ合う愛がいずれまた出会うと信じているからこそ、折れず腐らずいられるのだよ」


「なんか浮気男の典型みたいな言い分だが、志は立派なんじゃねぇの?」


 俺は真似しようとは思わんけど。


「そういう田中くんにはいないのか? 好きな子や、気になっている女子は?」


「えー、あー、まぁ、いるっちゃいるけど」


「ほう? もしかして、鈴木さんか?」


「は、はっ!? な、なんで……」


「よしわかった……鈴木さん!!」


 ちょ、何呼んでんだよ!? 否定くらいさせろって!!


「はいはい、また林くん? 今度はなに?」


「突然で申し訳ないが、どうやら田中くんは君のことを愛しているらしい」


「え?」


「ばっ!?」


 っかじゃねぇの!? 伝えるにしても、もっと言い方ってもんが……っ!!


「そ……なんだ」


「……っ!!」


 あー、もう!! どうしてくれんだよ、この空気!!


「うん、そういうことだから、あとは君たちに任せようと思う」


 林はそう言い残し、マジで俺たちを置いていく。


「……田中くん、今の」


「あー、えーっと……間違い……でもない、かな?」


「……そ」


 きはずかしいく//(時間切れ)




 二回目

 お題『青い善』

 必須要素(無茶ぶり)『足の小指』

 文字数『967文字』 完結


 タイトル『悪人と善人の顔』


 善人になりなさいと、子どもの頃に父から言われた。


 そんな父は、世間からしたら悪人だった。


 いわゆる、ヤクザという人種。法を守らない代わりに、法に囚われない悪人。


 だからだろうか? 父が父として見せた顔は、私と母を捨てて出て行ったその日にしか、見ていない。


「おはよう」


 教室に入って、誰からも返事がない挨拶をする。自分の机は、窓側の最後列。扉からは、少し距離がある。


「ふん」


「っ!!」


 足を、踏まれた。


 痛い……たまたま、通りすがった女子のかかとが、私の足の小指に刺さった。


 うずくまりたかった。痛いと声をあげたかった。我慢せずに泣きたかった。


「…………」


「くすくす」


 でも、こらえた。


 私は悪いことをしていない。


 私は悪人だった父の遺言通り、善人になろうとしただけだ。


 それがたとえ、自分を追い詰める独善であっても。


「……はぁ」


 私の机には、いかにもな花瓶と、一輪の花。


 種類は知らない。おおかた、道端に生えていたか、園芸部の花壇から手折った花だろう。


 水に浸かった茎の切り口は、乱暴に千切られていた。せめて、ハサミで切ってあげればいいのに。


「……っ」


 机の中を覗いてみると、腐臭がした。


 生ゴミでも入れられたのだろうか? 掃除が面倒で仕方がない。


 椅子の座面には、これまたありがちな画鋲の山。ご丁寧にテープで止められている。これも、片付けが面倒だ。


「…………」


 少し考えて、私は鞄を担ぎ直した。


 そして、私を横目で観察し、忍び笑いを漏らすケチな悪人たちを見渡す。


 父の遺言が、頭をよぎった。


「あぁ、なるほど」


 私はそのまま、教室を出る。


「悪人って、ブサイクばっかりなんだな」


 父は偽善者になれと言いたかったんじゃない。


 綺麗に育てと、言いたかったんだろう。


 なら、私にあの場所は必要ない。


 私が庇った元いじめられっ子は、実に楽しそうに私を見ていた。


 私があの場所で善人になる必要は、もうない。


「転学届って、どこでもらえるっけ?」


 無鉄砲な善人は、誰も守ってくれない。


 青臭いやり方は、少し見直した方がいいんだろう。


 次の場所でどう振る舞うか、私は歩きながら考えていた。


 一つ目はもうちょっと描写を削って展開をスピーディーにすればいけたと思います。もうちょっとがんばらないと。


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