744回目 2021/3/28
我ながらもう少し頑張れたんじゃないかと思いました。
一回目
お題『生きているドア』
必須要素(無茶ぶり)『体の一部がシャコになる』
文字数『1152文字』 未完
タイトル『思った異常に暇な転生』
「ありあとあっしたー。まぁたおこしらっしゃーせー」
扉が開いたところで、どこからか人らしき声が聞こえた。
ただし、この場所に人はいない。先程扉を通った生き物も、一匹のシオカラトンボだ。
「あーだるっ。就職先間違ったかな……『転生のドア』って、思ったよりやること少なくて暇だわ」
パタン、とひとりでに閉まった木造の扉は、間違いではなく喋り始めた。
この扉は生きている……と言えるか甚だ疑問ではあるものの、確立した自我は持ち合わせているらしい。
大きな独り言も、ここには聞き届けるものはいない。彼……彼? の言葉が正しければ、彼自身は『転生のドア』なるものであり、この場所はいわゆる死後の世界の一部なのだから。
「っつーか、本当に俺一人だけかよ。職場に誰かいれば、暇つぶしにはなったかなー? まあ、雇用条件で一人がいいっつったの俺なんだけど」
大きな独り言はなお続き、どこから出たのかわからない大きなため息が空間に漏れ出した。
なお、その間一切扉が開け閉めされていなかったことから、この扉が口の役割を果たしているわけではないらしい。
「しっかし、あと何個体通せばお役御免になるんだ? 輪廻転生の苦役とか言ってたけど、退屈さで死にそうだぞマジで」
どうやら彼? は生前に重い罪でも起こしたのか、罰則として扉役をやっているようだ。
下手に人間と同じような自我があるため、ゆっくりとした時間の経過が余計に苦痛となっているのだろう。考える意識がなければ、永遠の時間も耐えられただろうに。
「……あれ? ここは」
「お? 次のお客さんは久しぶりに人か」
「え? だ、誰かいるんですか?」
すると、唐突に一人の若い男が扉の前に出現し、扉の声に混乱して周囲を見渡し出した。
「あーはいはい、そのリアクションも見飽きたわ。はい、一旦落ち着いて深呼吸ー」
「え? あの?」
「はい、深呼吸ー」
「す、すぅ〜? ……はぁ〜?」
「よし、疑問系は見逃してやる。そんでお前の目の前には何がある?」
「えっと……木でできた扉、です」
「はい、それ俺ね。初めましてもうすぐさよなら。訳あって扉やってるもんだ。短い付き合いだがよろしく」
「あ、はい。よろしくお願いしま……はあああぁぁぁ!?!?」
あまりにも自然体な言葉に納得しかけた男は、徐々に言葉の意味を理解して大口を開けて叫び出す。
「あ、信じちゃいないな? よしわかった、お前、一回俺を開けて、腕だけ扉の先に入れてみろ」
「ちょ、なんでそんな怪しい人の言うことなんか!!」
「やらなきゃ話が進まねぇんだよ、さっさとやれ」
かなり抵抗感を示したものの、扉からの圧力に負けた男は、渋々いわれたとおりに//(時間切れ)
二回目
お題『コーヒーとうどん』
必須要素(無茶ぶり)『直木賞』
文字数『1113文字』 未完
タイトル『コーヒーうどん』
ずるずるずる。
「……なぁ」
「ん?」
「何やってんの?」
「? うどん食ってる」
うん、そうだな。ここはファミレスで、お前はうどんを頼んだ。
そこに何の問題もない。あるとすれば、だ。
「聞き方を変えよう。お前、なんでうどんを一回コーヒーに浸して食ってんの?」
「…………新しい食べ方の発掘?」
「よくよく考えて出た結論がそれか!?」
流石に黙っていられなくなったので、迷惑を承知でテーブルをぶっ叩いた。
「目の前でめちゃくちゃ気持ち悪い食べ方見せられてる俺の気持ち考えろよ?! 絶妙に食欲が失せる組み合わせしやがって!! こっちは腹減ってたから定食頼んだんだぞ!?」
「知らないって。ずるずる。だったらこっち、ずびびーっ、見なきゃいいじゃん、すばびーっ!」
「食いながらしゃべんな、聞き取りづらい!!」
そして躊躇なくコーヒーカップにうどんを潜らせるな! 虫唾が走るわ!!
「ごっくん。何でお前がそんなに怒ったらのかはわからんが、とにかく落ち着け。周りの人の迷惑になるぞ?」
「ぐっ……! なぜだ、わかっていたことなのにこいつから常識を問われると心の底からムカつく……っ!!」
興奮しすぎた自覚はあったので、空いていた腰を落として深呼吸する……あ、すんませんね、うるさくして。
「まぁ、冗談はこれくらいにして」
「あ? もしかして真っ当な理由があるのか? その狂気の食事法に?」
「簡単に言えば、発想の転換をしたかったからなんだ」
「……良識を投げ捨てるの間違いじゃなくて?」
少なくとも、俺にとってうどんinコーヒーはそれくらい気色悪い光景だったんだが。
「前にも話したかもしれないが、俺、副業で小説家やってるんだけど」
「うんうん、初耳だな」
「それでこの前、出版した本が直木賞の選考に通っちまってな……あぁ、これも言ったっけ?」
「そうだな、初めて聞いたな」
「それで今、担当編集から『もっと奇抜な物語でいきましょうよ』とか無茶振り食らってんだよ。で、ネタに詰まったから、ひとまず奇抜なことをやってみて面白い話が思いつくかなー、って色々試してたんだ。悪いな、前に相談に乗ってもらったのに」
「うん、だから俺それ全部今ここで聞いたってさっきから言ってたよな? おん?」
何だこいつ、全然人の話聞かねぇじゃん? そろそろ真面目に定食の味噌汁ぶっかけていいか?
「……ま、単なる職場の同僚に話す話でもなかったか。小説のネタ云々はいいとして、せめて人がいる場所で気が狂ったようなことすんのやめろよ。一応お前も立派な社会人だろ?」
「へーい……ずす//(時間切れ)
せめて、『体の一部がシャコになる』ところまでは書きたかったんですが……私は何を言っているのだろうか?




