741回目 2021/3/25
ここ数日を比べれば、まだ気楽に書けた方でした。
一回目
お題『右の芸術』
必須要素(無茶ぶり)『グーグルマップ』
文字数『1136文字』 未完
タイトル『山の秘湯・遭難ツアー』
「迷った!」
「バカァ!!」
「ぶべらっ!?」
満面の空元気で宣言したゆっこに、たまらず渾身の右ストレートを打ち込む。
ゆっこの左頬を捉えた拳は、ほんのりと痛みや熱を帯びて迷子になった現実を思い出させる。
「どーしよー!? 秘湯巡りで山の中なのに迷子って……完全に遭難じゃん!!」
「ふ、ふふふ……さすがめい、芸術的な、いいパンチだった、ぜ……がくっ」
「起きろゆっこ!! 私たちは寝てる場合じゃないんだぞぉ!!」
私の力借りてトリプルアクセルを決めた後、なぜか気絶してしまったゆっこの肩を掴んで揺さぶる。
どうしよう、全く起きない……そんなに疲れてたのかな?
「でも本当にどうしよう……? グーグルマップも山の中だから電波届かないんだよね」
一応スマホで確認してみるが、電波は一本も入ってこない。圏外なんてほとんど経験した事ないから、どうしていいのかわかんないよ。
「頼みの綱だったゆっこも寝ちゃうし、どっちに行ったらいいのかわかんないし、温泉入りたいし……」
いろんな不安と葛藤、ときどき欲望が私の頭をよぎっては消える。
ええい、諦めるのはまだ早い。
私は私にできることをしないと!
「えっと、まずは地図を見てみないと」
途中から電波が入らない場所だとわかっていたので、ゆっこは事前に紙の地図を購入していた。
それを見ながら歩いて迷ったんだから世話はないけど、何も指針がないよりマシだと思おう。
「あとは私が、この地図を正しく読み解いて温泉に……最悪、麓までの道がわかれば」
遭難したら怖いと思って、午前中に入山したのがよかったのかまだ日は高い。
状況は追い詰められてるけど、運が良ければ何事もなく帰る事だってできる……ハズだ。
「えっと、北とか南とかわかんないんだけど……文字が読める向きで見たら間違いない、よね?」
えっと、たぶん山を登ってく方が上だから……あれ? そもそも私たちが立ち止まってるここは、地図で言うところのどこ?
「えーっと、えーっと、印がついてるここが入山した時の入り口で、目的の場所が山のとこについてる印で、どうやって来たのかはわかんなくて……」
ちんぷんかんぷんな地図を眺めながら、山を歩いていた記憶をさらう。
最初はちゃんと整備された道を歩いてたんだけど、ゆっこが近道見つけた、って言うから獣道に入って、そしたらゆっこがだんだん焦り出して……。
「あれ? これもしかしなくともゆっこのせい?」
地面に伸びてる奴を見下ろすと、鼻ちょうちんを膨らませてのんびり寝ている顔が。
「…………」
「すぴー、ふがっ!?」
ちょっとムカついたからつまさきで//(時間切れ)
二回目
お題『ラストは妄想』
必須要素(無茶ぶり)『文学フリマ』
文字数『1222文字』 未完
タイトル『本を読まない行動力』
「よいしょ、っと」
家の本棚にあった本は、これで全部か。
しっかし、趣味だからってよくこんだけ買い込んだもんだよな、親父のやつ。それも、古臭いハードカバーばっか。
俺もお袋も弟も本なんて読まねぇし、中には外国の著者で原文のままだから、言語的に読めない本までありやがる。
ただまあ、一週間後に近所で開かれるフリマで本も取り扱い可でよかった。一気に在庫一掃できるからな。
「あとは、現地まで運ぶ用に段ボール調達して、梱包して……あー、値段もつけなきゃいけないんだっけか。ま、適当にお袋と決めるか」
親父は一向に処分してくれないから、長期出張している今のうちにことを終わらせないと。
不意打ちで悪いとは思うが、これ以上本に生活空間を圧迫される生活はうんざりだ。
保管場所がないからって、広くもない廊下にまで本棚並べやがって。実家で横歩きしかできないってどう言うことだよ。
廊下だけならまだいい。お袋の部屋に俺ら子供の部屋、果てはリビング・トイレまで、家中本ばっかで息が詰まりそうだ。
自分の部屋と廊下とリビングは俺が運び出し、他の部屋はお袋と弟がそれぞれ頑張ってくれてるはず。休日のうちに、もう少し作業を進めとくか。
「兄ちゃーん」
「あー? どしたー?」
「これ、フリマに出すんじゃなくてもらっていい?」
「は? どうしたお前? 本棚の角に後頭部ぶつけたか?」
「いきなりひどくね?」
突然トイレの本を整理してた弟からの頭おかしい発言に、ちょっと本気で心配になる。
本棚と段ボールの影から出てきた弟は、心なしかこめかみをひくつかせながら、分厚いハードカバーを手に持っている。
「おいおい、本格的にどうした? 教科書ですら読みたくないからってゴミ箱に捨ててたようなバカ兄弟の片割れだろ? 本なんて読んだら頭が悪くなるぞ?」
「エピソードは否定しないけど、本読まないから俺も兄ちゃんもバカなんだよ……じゃなくて、友だちにあげようかなって」
「な、なんだ……それならそうと早く言えよ。危うく救急車呼ぶところだったぞ」
「そういうガチで身内の恥になるようなことやめろよ!?」
冗談冗談、なんて言いつつ、119のダイヤルを押していたスマホをポケットに入れた。
「っていうか、こんなもん読みたい中学生なんて存在すんのか? お前、その友達本当に実在する人間なんだろうな?」
「俺も人のこと言えないけどさ、そろそろ兄ちゃんも自分より賢い人間を幽霊とか妖怪みたいな扱いするのやめようよ。余計虚しいから」
「だって、ウチの親父なんかそう言う感じだろ? お袋もよく言ってんじゃん。何言ってるかさっぱりわかんないって」
「そりゃあ……父ちゃんの言葉って難しすぎてわかんないけど。いや、それより欲しがってる子がいるんなら、あげちゃってもいいだろ?」
話が脱線しそうだったところを無理やり直し、//(時間切れ)
ただ、結構ずっしりと『自分のやり方が下手に見えて仕方ない病』が心にたまってきているので、爽快感はないという……。
こんなメンタルで創作やってたらちょっとしんどいんですけど、かといってやめられないんですよねぇ。




