740回目 2021/3/24
今回も手応えはあまりありませんでした。
一回目
お題『許せない孤島』
必須要素(無茶ぶり)『タイトル「ただ、助けたかっただけなのに」で書く』
文字数『1080文字』 未完
タイトル『「ただ、助けたかっただけなのに」』
「ただ、助けたかっただけなのに」
空を切る手のひらに、悲しみと虚しさを掴んだ。
崖から乗り出していた身を起こし、改めて助けられなかった人の行方を見下ろす。
岸壁の下は、荒れ狂った波が逆巻いていた。ところどころに切り立った岩の柱が海面から迫り出していて、鋭利な槍に見えてしまう。
ここから、あの人は落ちてしまった。詳しくはわからないが、十メートル以上はある高さから。一直線に、海面に叩きつけられて。
「狂ってしまったのか……それとも、私が狂っているのかな?」
助けられなかった人は、少し前にこの島に流れ着いた、外の人だった。
ここは孤島。島に住んでいるのは、もう私しかいない。
昔はここにもいっぱい人がいたらしいけど、私が生まれた時には二世帯くらいの人間しかいなくて、その人たちも少し前の大時化で流されてしまった。
漂流者だったあの人を見つけた時、ようやく知らない人と出会えたと思って、嬉しかったのに。
みんな、いなくなってしまった。
「私が悪いの? それとも……こんな過酷な環境しか用意してくれない、この島のせい?」
私が覚えられたのは日本語だけ。教育はあまり施されなかったのは、親たちもまともに教育を受けられなかったからだろう。
この島は環境が厳しい。四季はあるけど、寒暖差が激しすぎて春や秋は数えられるほど短い。
そのくせ、夏は大時化が何度も島を襲うし、冬になれば大雪で視界が埋まる時も多い。
地下にしか作れなかった家は、夏は死にそうなほど蒸すし、冬は凍りそうなほど冷たい。
それでも生きてこれたのは、食料や飲料水だけは豊富だったからだ。
支障はあれど、食も住も困らない。漂流者の人も、安心して過ごしていたはずなのに。
「そんなに、怖かったのかな……」
崖から落ちる寸前の、あの人の顔が脳裏に焼き付く。
化け物を見たような顔だった。恐怖に歪んで、涙を浮かべて、許しを乞うていた。
漂流者の人を見てから、ずっとそうではないかと考えていた。
私は島の人しか知らなかったから、もしかしたら、と考えるだけだった想像が、この日、確信に変わった。
「私は、人じゃないのかな……?」
自分の手のひらを見下ろす。四本の指と、銀色の体色をした、あの人に振り払われた手を。
漂流者の人は、海岸に流れ着いた時は気絶していた。
初めて見た色の体なのに、私と同じような肉体構造を持っていた生物に、とても驚いたのを今でも鮮明に思い出せる。
もしかしたら仲良くなれるかもしれない、とと//(時間切れ)
二回目
お題『破天荒な恨み』
必須要素(無茶ぶり)『ギター』
文字数『804文字』 未完
タイトル『三本の弦が刻んだ亀裂』
ジャーン♪
「なぁ」
「あ?」
「なんでいくら弾いても沖縄民謡っぽくならないんだ?」
「ギター持ってて何言ってんの、お前?」
三線のつもりで弾いてたのか、それ? 弦六本あんだろうが、一目見て気づけよ。
弾き方も確か違うんじゃなかったか? えーっと、具体的には思いつかんが。
「……はぁ!? 何でもっと早く教えてくんなかったんだよ!? そのせいで五年も民謡教室通ったんだぞ!? 何が悲しくて洋物バンド結成しなきゃなんないんだコラ!!」
「俺にキレんなよ、勝手にやって勘違いしてたお前が悪いんだろうが!! っつーか普通にギター上手くなってんだからそっち本格的にやれよ!! なんで沖縄民謡なんだよ!? 俺らどっちも埼玉県人だろうが!!」
「心の故郷は沖縄なんだよ!! うちのばあちゃんだって奄美出身なんだからな!!」
「鹿児島じゃねーか!!」
どうして俺が責められんだよ!? 頭おかしいのかこいつ!!
「ふざけんなよ! 俺、夏川りみに憧れて沖縄民謡やろうと思ったのに……なんでギターにかぶれるまで放置してたんだ!! どうせ俺の勘違いを横目に笑ってたんだろ!? この性悪め!!」
「気づくわけねーだろテメェの特殊な嗜好なんて!! 若い男がギター持ってて違和感に気づけるやつなんていねーよ!! あーまたどっかのバンドにかぶれたなーとしか思わなかったわ!! ギター練習だけで本当は三線だな、とかわかるかよ!!」
「くそ……どうりでうまく音が出ないはずだ……全部お前のせいだ……ちくしょう」
「テメェ自身の間違い棚に上げてよくもまあ俺を責められるもんだな? 当たり屋みたいな恨まれ方されてる覚えはねーんだよこちとら。迷惑だから睨みつけんじゃねぇ、鬱陶しい」
こいつと友達やっててよかったのか、今かなり大きな悩みになっちまったんだが。
「っつか、ルームシェアの中で楽器やめろよ、//(時間切れ)
ちょいちょい難しいお題がこられると、どんな内容にするか本当に困ります。残念。




