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733回目 2021/3/17

 うーん、今回も調子が良かったと思っておきます、文字数的に。


 一回目

 お題『8月の悪意』

 必須要素(無茶ぶり)『文豪』

 文字数『1223文字』 未完


 タイトル『夢も現も枯れ果てる』


「……あぢぃ〜」


 セミが頭の中で騒いでる……汗が服に張り付いて気持ち悪い……もう少しも動きたくない……。


 テレビの予報で、今年は例年以上の猛暑になるとは聞いていたけど、流石に限度があるだろこれは。


 こんな大変な時期にエアコンは壊れるし、他のところでも故障が続いてんのか修理業者もこれないし。


 かろうじて回ってる扇風機も、熱風を運ぶだけじゃ涼にもならない。


 この世の地獄とはこのことだ……ちくしょう。


「せ、めて、冷たい飲み物、でも……」


 はいずるように床を移動し、冷蔵庫から氷を取り出した。


 少しでも熱を下げれれば、と思っていつも以上に氷を作っててよかった。体温を下げるのには全然足りないけど、気休めにはなる。


「んぐっ、ぷはぁ!!」


 とはいっても、節約もかねて飲み物は水道水なんだけどな。


 お茶とかジュースとか、毎回飲料用に買ってれば出費がバカにならないから、ある時期から水道水しか飲まなくなった。


 たしかに味気ないが、今の蒸し風呂のような部屋の中じゃ生き返る心地だよ、ったく。


「……あー、仕事、すっか」


 体力と気力が少しだけ回復した、と自分に言い聞かせながらデスクに戻る。


 今回の記事は、文豪の子孫にアポを取って取材したインタビューが中心になる。


 もちろん、作家繋がりの話が書かなきゃ意味がないので、現役で作家をしている子孫さん限定だが。


 血は争えない、なんて言うけど、結構先祖の文豪に憧れて作家をする人は多いらしく、想定以上の人数から取材できたのは嬉しかった。


「まぁ、メジャーなヒットを飛ばした人はいなかったんだけど」


 イヤホンで取材時の音声を聞きつつ、ひとまずインタビューの文字起こしから再開する。


 下手な横好き、なんて言っては失礼だろうけど、やっぱり文豪の子孫とはいえ必ずしも名作を作れるわけではない。


 それこそ、現代は娯楽が溢れすぎている。本なんかよりももっと手軽で、大勢の人を惹きつけるコンテンツがたくさんあるんだ。


 俺がやってるライターの仕事だって、いつお役御免となるかわからない。


 雑誌そのものが売れなくなっている時代だ。文字を書くしかできないライターなんて、それこそあっという間に切られてしまうだろう。


 文章を書くのは誰でもできる。誰もが等しく面白いと感じる文章は、誰でも書けるものじゃない。


 そういうスキルがあれば、向こうからオファーがくるんだろうけど、コピー記事が蔓延している今じゃライターの価値なんて暴落する一方だ。


「もう俺たちは、生産者ですらないんだな、っと」


 エンターキーを強めに叩き、ため息をこぼしてからまた文字起こしに戻る。


 もう少し、生きやすい業界だと思っていた。やりがいが見つかる仕事だとも、夢見ていた。


 それが、蓋を開ければネットじゃアクセス数稼ぎのために、真偽不明の情報をコピペするばっかり//(時間切れ)




 二回目

 お題『鳥の経験』

 必須要素(無茶ぶり)『義眼』

 文字数『1282文字』 未完


 タイトル『鳥俯(ちょうふ)の義眼』


 ある日、なんか不思議でグロいものを見つけた。


「え、これ目玉? ……うわ、ちょっとぬめって生暖かい!?」


 好奇心に負けて触ってみたら、なんかにちゃってした!? ほんのり人肌な温もりがリアルで怖い!!


「で、でも思ったより固いな……義眼、ってやつかな」


 ものすっごいまん丸でリアルな眼球だったからマジものかと思ってたけど、精巧な作り物っぽい。


 ちょっと安心したけど、やっぱりぬめってあったかいのは、その、誰かが装着したのを拾った、のでは?


「うわっ、なんか寒気した!! やめよう、無責任な想像するのは」


 ひとまず、落ちたままじゃ可哀想だと無理やり思い直し、近くの公園の水道で義眼を洗っておく。


 土とかついててばっちぃかったからね。持ち主も、地面に落ちたままの義眼とか入れたくないだろうし。


 ……あれ? 義眼を道に落とすシチュエーションって、どんな状況?


「……よそう。暴力沙汰なんてなってない。きっとカタギの人の持ち物だよ、うん」


 一瞬よぎった反社的な人の顔を頭から追いやり、ハンカチでふきふき。


 綺麗になったところで、さてこの義眼をどうしたものかと考える。


「普通に考えれば、交番かな。落とし物……だよね? あれ? 自信なくなってきた……」


 大丈夫? 下手すれば私が誰かからえぐりとったとか勘違いされない?


 物が物だから、さっきから物騒な考えしか出てこないよ……誰だよ、こんなの落としたの?


「にしても、本当に良くできてるなぁ……あ?」


 何気なく太陽にかざして、瞳の部分を覗いていたら、ふとその中に何か別の景色が見えた気がした。


「ん〜、うわっ!?」


 よくよく見てみようと義眼を近づけると、どこかわからない山を見下ろす景色が飛び込んできた。


 思わず落としてしまった義眼を慌てて拾う。びっくりした、結構はずむんだ、これ。


「なに? 何なのこれ?」


 もう一度、今度は慎重に義眼と見つめ合ってみると、今度は空をすごいスピードで移動する様子が飛び込んできた。


「すご……まるで鳥の目と繋がってるみたい」


 驚きと、少しの感動でじいっと義眼を覗き込んだ。


 まさに飛行中の鳥の目から見た景色のように、とんどんと義眼の景色は移り変わっていく。


 ジェットコースターのようでいて、でも私は地面に足がついているから怖くもなくて。


 なんだろう、VRみたいな体験を、作り物の目玉越しにできている。


 原理も理屈もわからない。


 ただただ、自由な鳥の視界に見入っていた。


「いいなぁ……自由に空を飛べるって、どんな感覚なんだろう?」


 次第に、そんな途方もない憧れが、私の中で膨れ上がってくる。


 飛んでいる景色を見てしまったせいか、その欲求はどんどん強くなり、抑えきれなくなっている。


「あそこなら、飛べるかな?」


 気づけば、近くで一番高いビルの屋上を見上げていた。


 なんだか、今なら自力で空を飛べる気がしてきた。


 ううん、飛べるよ、きっと。


 このめだまからみたけしき//(時間切れ)


 自分が思ってもない視点から書き始めることが多いので、『即興小説』も無駄じゃないと思いましょう。そうしましょう。


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