716回目 2021/2/28
今回はどちらもお題と必須要素でシチュエーションが限定された気分でした。
一回目のお題は『昨日の暴力』。初っぱなから物騒な状況を与えられたものだが、次に見た必須要素(無茶ぶり)の『日本酒』ですぐに事態を把握した。
ああ、今回の主人公は『酒で喧嘩沙汰を起こした輩』だな、と。もうこの組み合わせだと、前提条件がそれくらいしか考えつかないほどマッチしていた。
ただ私の経験上では、喧嘩や暴力を働くほど飲んだ経験はないし、そもそもお酒にそこまで強いわけではないので暴れられるほどの気力がわいてこない。
他の人から聞く『記憶が飛ぶほど飲んだ』とか『酔った勢いで喧嘩した』とかを体験できたわけではないため、感覚としてはあんまり理解できていない分野だ。
元から酔いが回るのが早い体質だったことも一因だろう。飲んで数時間もすれば二日酔いに近い症状がでるのだから、私に酒で暴れるのは不可能に近い。
さて、そんな中で私は『(およそ)記憶が飛ぶくらいの飲酒量で誰かと喧嘩したあげく、そのときのことを覚えていない人物』を描写するわけだが、ともかく雰囲気で乗り切るしかないと判断する。
なるべくそれっぽい想像で状況を補完しつつ、短編の主人公と同じ目線から探り探りで状況を開示していく作業を進めていた。
が、『1053文字』書いたところで酔っぱらいの回想失敗しか描けなかった。何も覚えてない、とか言われたらこちとらどうしようもない。
結局、主人公の職業もわからないまま終わってしまった。かろうじて、過去に似た状況でヤクザとやり合い夜逃げした、という情報が出てきたくらいだ。
改めて読み直してみると、この主人公はどんな生業で生きてきたのか、謎が多い。私が書いたキャラクターなのに。
何にせよ、今回は完結など無理だったのだ、ということで納得しておこう。いつかまた、やけ酒でもしたいところだ
酔っぱらいの描写にちょっと疲れつつ、二回目の『即興小説』を読み直してみる。
なお、この日は二回目の挑戦中に来客がきて対応したこともあり、数分ほど空白の時間ができるというイレギュラーが発生した。運が悪かったと思うしかない。
気を取り直して、お題は『早すぎたブランド品』。『ブランド品』は特別な製法や紋章などで物自体に付加価値を与え、質と同時に権威を高めた商品と解釈している。
それが『早すぎた』となると、私の中には『ブランド品だと言い張る何か』をイメージするしかなかった。どちらかというと、『信用と信頼のツケ払い』に等しいやり方を。
大まかな流れで言えば、『自分はいずれ有名になるはずの人物だから、今の内にその私物を売れば人財産になるぞ?!』、という三流ペテン師でも使わないような売り文句である。
それを、必須要素(無茶ぶり)が『文豪』だったので、『未来のベストセラー作家が用いた筆記具』を商品として売ろうとする、という無謀な男を主人公にしてみた。
理由はストレートに貧困。主人公だけの将来設計に存在する、輝かしい名誉を盾に金を融通しろ、みたいな暴論をたたきつける変人である。
途中で上述したアクシデントに見舞われつつ、主人公と店主の口論を『948文字』書いて時間切れになった。完結はできなかったが、もう少し時間があれば、あるいは。
すぎたことなので何とも言えないが、完結の気配くらいは見えたところまで書けたのがちょっと悔しい。オチはどうせ、主人公が叩き出されて終わりだっただろうが。
今思いついたが、実際にタイムトリップした本物の文豪だった、とかでもよかったかもしれない。時間に余裕があれば、そういう終わり方もできただろうか?
ま、今回は間に合わなかったので、次の機会にそんな機転を未来の自分に期待するとしよう。
もっと考えれば何か出てきたのかもしれませんが、第一印象あたりで決めないと『即興小説』は話が進みませんから。




