695回目 2021/2/7
今回の執筆中、ちょっとショッキングな出来事がありました。
一回目のお題は『思い出の何か』。『何か』って『何』? とセルフツッコミをするも、誰かから答えが返ってくるわけもなく。
ひとまず『思い出』に関する『何か』を執筆中にでも作らないといけないことは理解した。『何か』って書いてあるんだから、なんでもいいんだろう。
それで必須要素(無茶ぶり)が『蝉』だったので、自然と季節が『夏』に確定する。条件反射でイメージできる要素だったので、これは脳死で適応してもいいだろう、と。
さて、そうなったら『夏の思い出』みたいな大喜利になってきた。昨日分で書いた時の無茶ぶり『若者使用禁止』がここだったらハンデにならなかったのに、と思わなくもない。
とはいえ、すぐにネタが降ってくるはずもなかったので『夏』と『思い出』にありがちな設定から、アドリブで話を進めていくことにした。そうでもしないと、時間がすぐになくなってしまう。
そうして埋めていったところ、『小学生の頃に親の里帰りで訪れたことのある田舎で、地元の子供と作った秘密基地に残したタイムカプセルを取りに行った』、というプロットに落ち着いた。
なお、その際に衝撃の出来事が巻き起こった……ど忘れで『タイムカプセル』という言葉が出てこなかったのだ。
概念は覚えているのに、その名称を思い出せない感覚は、初めてながら結構焦った。え、ど忘れした? マジで? 知ってる言葉のはずなのに? って。
変な焦りを覚えつつ、思い出せないものは仕方がないと言い回しを工夫して単語を出さないようにして難を逃れた。が、執筆終了後も思い出せなかったらと思うとぞっとする。
そうしたプチ災難に見舞われつつも、『1006文字』とそこそこの文字数で時間切れとなった。形式的には主人公一人称視点のモノローグ短編になる。
だいぶ断片的な語りしかしなかった上に、実際の『何か』を書く寸前で時間切れになってしまったので招待は謎のままで終わってしまった。
ちょっとぶっ飛び設定で『ハイテクノロジーなオーパーツ』でも入れて、SFチックな話にしてやろうかとも思っていたが、順当に『幼い日の輝かしい思い出』くらいにしておいた方が良かったかもしれない。
まあ、書き切れていないのは変わらないのでいらぬ心配ではあるのだが。それなりに違和感のないものが書けたので、及第点だと思うことにしよう。
無理やり自分を納得させている感を残しつつ、二回目の『即興小説』を書いていこうと思う。
お題は『突然の小説新人賞』と、完全に私が苦手とする分野に指定された。もういいよ、『小説新人賞』は。ラノベ界隈でもわからなくなっているのに。
しかも、必須要素(無茶ぶり)も『志賀直哉』とか作品を一つも読んだことのない作家をぶち込まれるし。誰だよ。これでどう書けっていうんだよ。
まるで名作文学ハラスメントを受けているような気持ちになりながら、何とかしてごまかすにはどうしたらいいかを考える。
私のラノベ脳では、あり得ないシチュエーションくらいしか思いつかない。いい意味で奇抜ととらえられたら恩の字だが、基本的に意味不明で脈絡のないストーリーになりがちという欠点もはらんでいる。
それでも自分の中で納得できる落としどころを探していった結果、『書いた覚えのない小説で新人賞の通知が届いて困惑する』、という変な話になった。
ストーリーのもっていき方によっては『世にも○妙な物語』風にできそうな題材ではある。私の腕では、そこまで奇妙で不思議な話にまではできなかったが。
ひとまず、いろいろ状況証拠から推理していって身内が犯人、と断定するまでは書こうと思っていた。時間がなかったので、『987文字』でぶつ切れになってしまったが。
たしか、ラノベか何かでこれに近い導入を見たことがある。おそらく、無意識に脳の中にあった引き出しから引っ張り出してきたのかもしれない。
そう思えば、なんかそれらしい設定にできたと思わんでもないから不思議だ。どうも、人が似たような設定を出していたら安心するらしい。創作者なのに。
少し調べれば自分の発想で行き着く程度の設定なんていくらでもある、と思えるのに周りに似たようなものが落ちていなければ不安になってしまうのだ。やっかいなことに。
とかく、私自身のオリジナルを信じられない自分がいる。奇抜でもいいはずなのに、奇抜すぎるのはどうも恥ずかしいというか怖いというか。
小説を書いて自己表現したいと思っているにもかかわらず、誰にも気づいてもらいたくないという矛盾した心情がぶつかり合っている。これはもう病気だ。
人との関わりが最小限になれば、と常に思っている。交流やつながりが増えるほど、私にとっては大きな負担だと感じてしまうから。
その点、自分の作品を気兼ねなく発表できるフォーマットが存在するインターネットは都合がいい反面、新たなストレス要因を大量に引き込む爆弾にもなりかねない。
最近よく思うようになったのが、次に投稿するときは感想欄も評価欄も閉じてしまおうか、ということ。閉鎖的ではあるが、それで自分のストレスが少しでも楽になるならいいかな、と。
本当なら、自分が書いた小説に賛否両論いろいろ意見を交わしあってもらった方が創作の参考にもできるのだが、それを許容しきるだけの土台が私の心に備わっていないと難しい。
【普通】をはじめとして自作におけるスタンスはオープンだったので、このまま続けたい気持ちもある。まあ、悩んでいる時点で答えはある程度決まっているのだろうけど。
こういう細かいところでうじうじ悩む時間が多いから、執筆にまで手が回らないのかもしれない。病みやすい体質はこれだから……少なくとも、ほっといても落ち込む性格だけは早々に捨てたいものである。
まさか『タイムカプセル』がとっさに出てこなかったとは……気づかない内に、私の脳は順調に老化しているようです。
おそろしい……。




