672回目 2021/1/15
そういえば私、『転結』を書く練習をしたい、って言ってましたっけ?
一回目のお題は『儚いカリスマ』。何となくだが、『儚い』を結構ストレートに『虚弱体質』と変換してしまったので、最初から話運びがかなり限定されてしまった。
私のせいかどうかわからないが、やれることが一気にせばまった上で必須要素(無茶ぶり)を見てみると『三人称』の指定が。
このごろの『即興小説』だと基本的に一人称で進めていたので、『三人称』は結構久し振りな気がする。まあ、私の中では世界観や描写のしやすさで『一人称』と『三人称』を使い分けることも多いので、どちらかに対して苦手意識はあまりないのだが。
それはそうと、短編の内容について考えているとき、『カリスマ』をどういうものにするかで少し悩んだ。具体的に『どの程度のカリスマか?』という部分に。
『カリスマ』といっても、影響を与える集団の規模や母数によって程度が異なる。小学校一クラス分で人気があるのと、SNSでフォロワー100万人の人気があるのとを比較するようなものだ。
なのでどのくらいに発揮される『カリスマ』なのかを考えていたが……ぱっと出てきたのがファンタジー設定の『地方領主』だった。
別にファンタジー設定が悪いわけではないが、『即興小説』では若干気が引けるジャンルではある。下準備に時間がかかるジャンルだと思っているからだ。
ファンタジー世界特有の設定は、何かの使い回しでない限りその都度作っていかないと必ずどこかで矛盾が生じて破綻する。
私の場合、ファンタジー設定はプロット段階から独立している場合が多く、『即興小説』でも一から設定を組みたくなってしまうからだ。
が、そんなところに力をかけていては何も進まないので、結局は出たとこ勝負でやるしかないわけだが。
そんな感じで、適当に『領民や部下から慕われているものの、虚弱体質すぎて領地政務もままならない領主』を思いつくまま書いていった。
会話相手として従者をおいたところ、敬語に気を使ってなかなか執筆速度が上がらなかったため『893文字』とやや少な目で時間切れとなった。
ファンタジー世界の貴族言葉、と言っていいのかわからない部分は、敬語もそうだが会話にウィットが必要になってくると思っているので、難易度が高く感じてしまう。
ウィットは、簡単に言えば上流階級では当たり前の知識や常識になぞらえた冗談や皮肉のようなもので、一定の教養を伺わせながら面白味を追加せねばならない。
ド庶民の私にはなかなか日常生活で身につく感覚ではないため、探り探り書いていくしかなく当然時間がかかる。
これがさらさら書けるくらい、ファンタジー作品を書いていれば別なのかも知れない……というか、ウィット辞典とかないかな? 変わり種の文章辞典みたいな感じで。
そういう、言葉の使い方・言い回しの使用例とかがあれば楽になりそうだなぁ、と普段あまり使っていない辞書について思うところができたのだった。
締め方が変な感じに終わったと自覚がありつつ、二回目の『即興小説』について考えていこう。
お題は『意外な友人』で、こちらもなぜか『は虫類と遊んでいる女子学生』がぱっと浮かんだため、作品のイメージが最初にほぼ固定されることに。
また同時に、『意外な友人』が人類ではなくは虫類になったのも地味に確定した。ここからすでに迷走が始まっていたのではないかと思う。
さらに必須要素(無茶ぶり)を見てみれば『唾液』と合ったので、良きタイミングで唾でも吐き出しときゃすむだろう、と高をくくる。
完全に学園物の雰囲気で構想は進んでいき、ひとまず『放課後に帰宅しようと駐輪場にきたら、クラスの女子がヤモリと遊んでいた』、みたいな出会いから適当に書いていった。
会話はさほど弾まなかったものの、地味系主人公のモノローグがなぜかすごく書きやすかったのもあって『1053文字』と文字数はそこそこいった。
内容はそこまで特筆すべきことはなかったように思う。ただ、私の気のせいかも知れないが、現実の会話と心の中のモノローグにあまり違和感が出なかったように思う。
会話の延長、みたいな言葉遣いで思考を進められた、みたいな? あんまり地の文でも説明口調とか入れたくないと最近は思っていて、自然な会話を続けるように書きたくなっているのもある。
それが私の中で表現したいリアリティに抵触するのだろう。一人称視点ならばなるべく、会話とモノローグにはわざとらしさを排除したいと反射的に構えてしまうくらいには。
私の中のおもしろさは、やらたと細かく要素が区分されているような感じがして、すべてを一定水準以上にしようと思ったらすごい時間がかかりそうだ。
改めて、自分に課していくハードルの高さを確認して、少しげんなりしてきた。完璧主義的思考は、そうそう頭から消えてはくれないらしい。
ひとまず、今日のところはこの辺で終わっとこう。あまり気にしないようにして、それこそ気楽に考えられればいいなと願っている。
早速できていませんでした。自分の反省に気づくのって、基本的にやっちまった後なんで修正がきかないんでしょうね。ダメだこりゃ。




