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65回目 2019/5/19

 他の作者様は自作のキャラクターをどれくらいの時間で作り、理解しているのでしょうか?


 清濁(せいだく)(あわ)()む、という言葉がある。


 私が作品の主要キャラクター(特に主人公)に、比較的取り入れたいと思っている要素だが、実際にそうした人を描くのはとても難しい。


 良いことと悪いことを両方するだけなら簡単だ。何も考えず、自分の基準を貫いてやりたいことをやらせればいいだけなのだから。


 本当の問題は、『悪いことをしても魅力が落ちない人物像』に作り上げること。


 社会通念や良識を踏まえれば、『悪いこと=嫌われる』という図式は自明の理だ。


 どれだけ言い(つくろ)おうとも、『悪いこと』は人間社会の秩序を崩す『悪』である。


 あるいは財産を奪い、あるいは生命を(おびや)かし、あるいは名誉を地の底まで(おとし)める。


 仮にも法治国家で生まれ育った日本人の感覚からすれば、たとえ被害者が敵対キャラであったとしても、それらを一方的に害すれば主人公とはいえ非難は(まぬか)れない。


 子供のしつけでよくいわれる、『自分がされて嫌なことを、他人にしてはいけない』のと同じ理屈だ。


 大半の人間は他者への『共感性』を有しており、それが強ければ強いほど『他人の不幸を自分の不幸のように感じる力』を持つ。


 サブカルでいえば、ガ○ダムの○ュータイプを思い浮かべてもらったらいい。


 彼らは『他者理解の極致(きょくち)にいる人々』であり、一種のテレパシー的ネットワークを独自に構築した超人といえる。


 故に他者の悪感情にも敏感に反応でき、悪意にあふれた戦場での驚異的な危機回避能力につながった。他者理解のための能力なのに、現実は他者排斥(はいせき)の手段に使われる――何とも皮肉が利いた話だ。


 あまり原作を知らないので大きなことはいえないが、Zのカ○ーユ君なんかはより繊細(センシティブ)な反応を多く見せていた印象が強い。(スパ○ボや○ジェネなど、ゲーム知識が主だが)


 少し話がそれたが、大なり小なり人間には『他人の痛みを知る感覚』を持っている。(『サイコパス(=犯罪者ではないですよ、念のため)』と呼ばれる人々のような例外もあるが)


 だからこそ、他人の権利を侵害する行為に手を染めるに当たって、少なくとも『妥当性』や『説得力』がなければ周囲は納得しない。


 それは主人公であっても、ラスボス級の悪役でも、基本は変わらないと思う。(ただし、悪役は『どうしようもない純粋悪』である場合、カタルシスをもたらす役割を含め非常に魅力的なキャラになることも多い)


 大義名分とか信念とか、呼び方は何でも良いがキャラクターの『そっとやちょっとじゃブレない芯』が必要だ。


 私(筆者)であれば、『徹底的な自己批判(あるいは自己否定)』がそれに当たる。


 自分で自分を監視するような性質は、良いところも悪いところも含めて『キャラクター映え』はするだろう。(現実に存在したら割とウザい自覚もあるが……)


 そうしたものを、私は極力、主人公には持たせるようにしている。


 彼らを『作品の人形(コマ)』ではなく、『血の通った人間』として(あつか)いたいからだ。


 ただの台詞や文字情報だけで、ある種の『(あたた)かみ』を感じてもらえるように。


 我々の世界に存在しないだけで、きっとどこか(平行世界・別次元・外宇宙など)には存在している『誰か』だと思ってもらえるように。


 私はいつも、『実在(ノンフィクション)物語(フィクション)』を描いているつもりで、自作と向き合っている。


 ……だから、私は、続きがなかなか書けない…………はぁ。(落ち込みモード)


 私は自分の人間性(キャラクター)も把握できない頭しか持たないなので、大まかな設定だけでキャラクターを知ったつもりにはなれません。


 更新していく内に成長し、拡張されていくキャラクターの個性を完全に理解し管理するのは、めちゃくちゃ大変です……。


 みんなモブくらいの軽い(あつか)いができれば、楽なんでしょうけどねー。


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