643回目 2020/12/17
この段階までくると、現実の日付に追いつくのを半ば諦めかけています。
一回目のお題は『大きな計算』。ぱっと思い浮かんだのは量子コンピューターとかがやるような『(桁数の)大きな計算』だったが、そんなもんで出せるほど私は理数系の脳ではなかったので即却下する。
しかし、一度量子コンピューターみたいなものが浮かんでしまった手前、別のイメージを引っ張り出してくるのが難しくなってしまった。
ただでさえ難しいお題なのに、さらに難易度を引き上げてしまった瞬間である。
なお、必須要素(無茶ぶり)は『右手』だった。『右手』でなにをするのか? どう使えというのか? お題でしくじった後に何の救いにもならない無茶ぶりを食らい、頭の中は大混乱である。
さて、どうやってストーリーを作ったものか、と悩むもののよさそうなアイディアがなかなか出てこない。書けそうなイメージもなく、構想にそこそこ時間を費やしてしまった。
とはいえ、捨てる神あれば拾う神あり。量子コンピューターの発想を逆転させて『(計算する人にとっては)大きな計算』という解釈で進めてみたらどうだろうか? と思いつく。
具体的には『発達障害』を持つ人で、簡単な四則演算でも『右手』などを使って指折りしないと『計算』もままならない、という感じならお題にも無茶ぶりにも対応できるだろう、と。
そうして『発達障害者の介助士として働く男から見た、施設の勉強風景』を書いていくことになった。大学時代の勉強は発達系をメインにしていなかったので、雰囲気しか書けないけれど。
ほとんどインスピレーションと想像で情景を思い浮かべて話を進め、『905文字』書いたところで時間切れとなった。よく頑張った方だと思う。
あんまりうまくできた気がしないが、何とか短編っぽい物を書けただけで上々である。自分の評価基準をとことん下げてやろう。
面白い物は、まあできない。書き方とか見せ方とか意識する暇もなく、ただストーリーを進めないと、という一心で書いてきたので。
私としてはちゃんと『即興小説』を書いて形にできたことだけでも大したものだ、と思うことにする。がんばったがんばった。
早々に終わったような雰囲気を出して、後々の作業から現実逃避をしつつ二回目の『即興小説』を考えていく。
お題は『嘘の小説訓練』。何となくだが、この言葉だけでコメディ作品を書くんだろうな、とぼんやりしたイメージがわき上がってきた。少なくとも一回目よりはいい傾向である。
それから必須要素(無茶ぶり)を見てみると、『「うー遅刻遅刻!」』という昔ながらの台詞が与えられた。これはもう、コメディとして使えと言われているようなものだ。
ただ気になるのは『小説訓練』の部分。やや古い作品のボーイミーツガールだとあるあるっぽいイメージのある『「うー遅刻遅刻!」』だが、これをどうお題に沿ってコメディに仕立て上げるかが問題だ。
そこで私は考える……そうだ、これを『小説訓練』にしてしまえ。
つまり、『マンガや小説などで用いられるテンプレ的なシーンを実際に演じてみて、執筆時のイメージをより明確にする……みたいな名目でいろいろやらせてみる』感じにしたのだ。
設定として、あんまり聞いたことはないが『作家の師弟』を出して、師匠の無茶ぶりに弟子が応える、みたいな形にしようとした。
とはいえ、ふんわりとしたイメージのプロットだけで書き進めたため、あんまり文章を書く速度が上がらないまま『825文字』で時間切れとなった。
シーンとしては、無茶ぶりを真に受ける弟子が全力で『「うー遅刻遅刻!」』を演じる部分を書いただけになってしまった感じ。やれた尺は半分くらい?
行動というより格好でコメディ色を強めた感じになったので、絵面としてはあまり進展のないまま始まってとぎれた短編になった。
やっぱり作中の時間コントロールがまだまだ甘いからだろう。ゆっくり描写するのには向いているが、効果的な情報の取捨選択をとっさにできないので、よけいな描写を増やすだけに終わることが多い。
悩みどころではあるが、時間をかけて推敲すれば解決できるんだから、と無理やり前向きに考えて気にしすぎないことにする。
あらゆる自分の基準をだだ甘にしないと、なにも書けなくなるんじゃないか? なんて思い出した今日この頃。なんとかまだ、短編でも書けるだけの余力は残っているらしい。
一瞬、この作品の更新そのものをぶん投げようかとも思いました。それでも文字を埋めだした自分をほめてやりたいです。
なんやかんやあって、結構深刻な逃げ癖がついているおっさんなので、完全に折れなかっただけ十分偉いですよ。




