636回目 2020/12/10
ようやく本来の日にちに追いつけました。
一回目のお題は『うるさい星』。『うるさい』という形容詞があったため『星』は『犯人』の隠語にしか見えなくなっていた。
なにせ、必須要素(無茶ぶり)も『サスペンス』だ。一度発想が固まってしまったら、別のイメージに到達するのは難しい。
というわけで『うるさい殺人犯』を書いていこうと思ったのだが、前にも挑戦したとおり『サスペンス』や『ミステリー』は苦手な分野だ。
まずインプットの数も少ないし、これまでのアウトプットした数もさらに絶望的である。前と五十歩百歩の内容にしかならないのは目に見えている。
それでも、何とかそれっぽい形にしなければと必死に書いていくと、『やたらと声が大きくおしゃべりな犯人が即行で捕まり事情聴取を受ける』みたいなシーンができていた。
文字数にして『905文字』で時間切れとなったが、正直これ以上なにを書いていいかわからない状態だったので、制限時間に助けられたよくある例の一つになった。
そもそも、私が今まで見てきた二時間くらいある『サスペンス』系のドラマみたいに、難解なトリックや仕掛けが『15分』で思いつけるはずがない。
たとえ短編用に『サスペンス』が作れるテンプレがあったとしても、その存在を知らない私では書きようがない。
そもそも『サスペンス』って長編向けのジャンルじゃないのか? 短編で再現することは可能なのか? 可能だとして、いったいどうやればそれっぽくなるんだ?
勉強不足のジャンルに手を出すと、こうした混乱から抜け出すことができない。思いついた文章をただ書き殴るだけの作業になってしまい、非常に無様といえよう。
やっぱり多彩な作品を書ける人は、並大抵の読書量と執筆量を重ねているんだろうな、と思い知らされる。一つのジャンルを極めるだけでも大変なのに、幅広く一定以上のクオリティを出すのは頭がおかしいとしか言いようがない。
少なくとも、今自分が手を着けているジャンルもまともに書けなければ無理だな。とにかく多作でいかないと、自分がどんどん惨めになるだけだ。
もう何度目になるかわからない自分への警告を発しながら、二回目の『即興小説』を考えていく。
お題は『彼が愛した小説トレーニング』。このころになると考える気力すらあんまりわいてこなかったので、いっそのこと『即興小説トレーニング』そのものを登場させてやろうと考える。
ずいぶん前にちょこちょこと『即興小説トレーニング』のサイトに掲載されている作品を読んだのだが、サイトそのものをネタに書いている人もいたのでセーフだと自分に言い訳をする。
そして必須要素(無茶ぶり)は『三人称』。特に苦手意識を持っていないので書けるは書ける。小説を書き始めたときも『三人称』でやり始めたくらいだし、自分のフィーリングには合っているのだろう。
で、どんな内容にするかと頭をひねるも、脳の回転が遅くなっているのでそこまで突飛な発想が出てくるわけでもなく。
ほとんど何かの焼き回しのような『文芸部でノートに小説を書いている部員と、スマホで即興小説を書いている部員』を出し、普通に会話させるだけのプロットになった。
面白味はほとんどないものの、ただキャラを動かす感覚だけを確かめるように『1009文字』を書いて時間切れになった。
この短編は完全に正解が見えないまま終わり、今もどう締めればいいかわからない日常ものになっている。それか、『即興小説トレーニング』のステマ? ダイマ? みたいな感じか。
そういえば、『即興小説』って匿名性もそうだけど、書き手が自由に書いていい場所なんだから『読ませる努力』を特別必要としないのかもしれない。
それこそ『書き手が執筆の感覚を確かめるため』だけに利用してもいいのだし。というか、サイトの運営者も『自由に使っていい』みたいな説明が気をしていたと思う。
思えば、『誰かに見られる=誰かに見せる』ことを強く意識しすぎている状態が長く続いている。それが一番の執筆意欲の低下につながっているのも、何となくわかっている。
自分の小説は下手の横好きだ。それなのに、『プロの小説』と同じか近いクオリティを出さないとダメな気がして、自分にブレーキをかけ続けてきた。
その意識がダメなのだろう。こちらはド素人だ。もっと自由に、批判されても自分の表現をし続けられるのが、ある意味特権のはずなのだ。
自分で用意したハードルをはずせるかどうか、まだわからないけど。そのヒントが、ようやく目に見える形になった気がする。
あとは……冬場の空気で冷え切った指先がどうにかなれば完璧なのだけど。ヒーターの電気や灯油代、どうしてもケチってしまう自分が憎い。
これからはなるべくサボらないようにしたいと思います。一気に書くの、マジでしんどかったので。




