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624回目 2020/11/28

 自由にやろう! なんて言い聞かせてますが、ふと『自由』なのが一番キツい『制限』だったな、と思い出しました。


 一回目のお題は『商業的な王』。『(あきな)いの王』、なんて言葉がぱっと浮かんだので、それを中心に短編を作ってみようかと決める。


 なお、必須要素(無茶ぶり)は『女使用不可』だったので、登場キャラが男性縛りになった。商人のイメージって男が多いから、そこはまあ別にいいんだけど。


 問題は私が決めた『(あきな)いの王』がファンタジーよりの呼称だったことだ。つまり、大まかな概要でいいので一から設定を組まなければならない。


 得意、というかそれしかやってこなかったこともあり、ファンタジー世界を作るときの私は『ゼロベース』が基本だ。どこか別の創作から世界観を借りるとか、そんな発想は一切ない。


 類似点が多くとも、世界そのものはその都度作っていくきらいがあるので、今回も『(あきな)いの王』を説明しながら大まかなイメージを作っていった。


 が、大枠とはいえ設定を考えながらだとなかなか文章が出てこず、時間切れで終わってみれば『679文字』と、最低ランクの文字数しかいけなかった。


 短編をそれで終わらせられればよかったのだが、実際に書けたところは短編のさわりだけ。キャラクターが会話を始めたところで終わってしまった。


 設定とか世界観とか、そういうものを描写するとどうも気取った表現を使いたくなって、文章を考える時間が長くなってしまう。


 そういう意味で、ファンタジー設定は私にとってなじみ深いものだが、致命的に短編向けでないジャンルなのだろう。前からそんな気はしていた。


 それでもちょいちょいやりたがるのは、ファンタジー的な設定や世界観が好きだからだろう。ファンタジーを長く書いてきて慣れている、というのも大きい。


 自作した既存の設定から引っ張ってこれたら、まだ執筆速度はましだっただろうか? と思うが、次にファンタジー的なネタが降ってきてもやらないと確信できる。


 私の頑固な部分が、『ファンタジー世界はシリーズごとに独立したもの』という固定観念を崩させてくれないからだ。変なところで柔軟さに欠けるのも、私の欠点なのだろうな。




 気づけばポジティブな考え方を忘れていたと気づいたところで、二回目の『即興小説』を振り返ってみる。


 お題は『刹那のあそこ』。こちらもまた『走馬燈』という言葉がすぐに浮かんだので、メインはそれでやろうとすぐに思い至る。


 ちなみに、必須要素(無茶ぶり)は『バッドエンド』だった。『走馬燈』をみた主人公を助ける気が全くない、無慈悲な無茶ぶりである。


 まあ、別に私はハッピーエンド至上主義でもないので、やれと言われれば主人公を殺すことに抵抗はない。むしろ殺すことが一種の救済だ、なんて考えもあるため、『死』に強いネガティブイメージもなかったりする。


 私の価値観はさておき、『走馬燈』から考えられるストーリーがそこまで突飛になりづらかったので、シンプルに『交通事故ではねられた一瞬で走馬燈を見て、そのまま死んだ』という、このままだと面白さもクソもないプロットが誕生した。


 それからはほぼアドリブで『走馬燈』の内容を書いていき、私にしては珍しく死ぬ直前のところまで書けたところで時間切れとなり、『1058文字』のフィニッシュとなった。


 想定は高校生で、自分のあまりにも振り返りがいがない人生をぼーっと眺めてから、ぐしゃっと地面に落ちて逝く、とかなりシンプルな構造になっている。


 順番は事故の原因となった外出直前の出来事、少し前の学校での進路指導、幼少期の弟とのやりとり、みたいな感じ。


 最後だけ唐突に時間が飛んだ感じになったが、交通事故にあったことと弟のおもちゃ(ミニカー)を奪ったことで、『走馬燈』と現在をリンクさせるつなぎにはできたんじゃなかろうか?


 適当に書いていても、後から見たらいくらでも理屈づけられるから伏線と言い張れる。こういう浅知恵だけがうまくなっても意味がないんだけど。


 ポジティブに考えるなら、そういう打算が無意識に働くくらいには書き慣れている、とも受け取れる。いずれにせよ、執筆の力にできるならなんでもいいか。


 最低限、一日二回のノルマは達成できたのだし、あまり目くじらをたてても自分を追いつめるだけだ。気楽にいこう。いろいろと。


『自由』って『なにをやってもいい』から『なにをしたらいいかわからない』になりやすいんですよね。人間は適当に放り出されるよりも、制限をもらった方がかえって好き勝手できるものです。


不自由(ルール)』の中でしか人は『自由』を感じにくいなんて、なかなかに面倒くさい生き物ですよね。そこが興味深いところでもあるんですけど。


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