616回目 2020/11/20
お題のワードのせいか、このごろ犯罪臭のするプロットしか書いていない気がします。
一回目のお題は『暑いクリスマス』。すぐに『南半球』が思い浮かんだが、ブラジルしかりオーストリアしかり、行ったことも調べたこともない環境を描けるとは思えなかった。
それに必須要素(無茶ぶり)が『ゴルゴンゾーラ』と、がっつり北半球はヨーロッパのイタリア特産チーズを出されてしまっては、さらにどうしていいかわからなくなる。
即行で『南半球』を絡めるのはあきらめ、最近の気温の高さを引っ張ってきて『真冬に真夏並の暑さ』という異常気象の日本を適応してみることに。
環境はある程度固めたが、ストーリーは『ゴルゴンゾーラ』のせいでうまく組めない。とりあえず手近な設定を、と思って『家でだらだらしている少年』をイメージした。
そこから『チーズ好きの妹』が浮かんできて、最終的に『友達からプレゼントされたゴルゴンゾーラを食べようとした妹に一口もらったら腐った豆腐だった』、という意味不明なコメディになった。
会話の毒と鋭さがそこそこ高い、リアルよりの兄妹を描きながら『853文字』で時間切れとなった。とりあえず、オチまではたどりつけなかったのはいつも通り。
ふと、私が兄妹を書くと高確率で険悪というか、不仲な関係になりやすいなと気づく。男兄弟で育ったので昔は女兄弟にあこがれもあったが、いろいろ調べていくうちに幻想が破壊された結果だろう。
現在のイメージでは、姉は弟を奴隷にするし、妹は兄を邪魔者・異物扱いする、どちらにせよやっかいな身内というものだ。男兄弟に対して好感度の高い姉や妹なんて準絶滅危惧種だ、という意識が根付いてしまっている。
なお、『準』とつけたのは大学時代の同期でその例外がいたからだ。さすがに実例を見せられれば、『絶対にいない』と断言はできなってしまった。
ともかく、女性キャラを女性らしく書こうと思って女性心理を勉強したら、いろいろと幻想をぶちこわされた系男性作家である私にとって、姉キャラは暴君、妹キャラは生意気なのがデフォになっているのだろう。
他人の創作で見るのは問題ないのだが、自分で書くとなるとどうも変な固定観念としてガードしているような気がする。もうちょっと柔軟な考えで創作した方が楽しいだろうに。
そういえば、昔から『リアリティ』にこだわってきたけど、『ありえない』ことを表現するから創作は『楽しい』って側面もある。
あまり『リアリティ』や『リアル』にこだわったところで、『面白さ』にはなっても『楽しさ』にはつながらないんだろう。
もう少し自分の好きなように、好きなキャラを書いていく奔放さ、柔軟さを取り戻せれば、創作がしんどくなくなるかもしれないなぁ……なんてしみじみ思ってしまった。
気づけばまともな反省をしていなかった気がするけど、気にせず二回目の『即興小説』を振り返ってみよう。
お題は『素人の殺人』。また犯罪者かぁ……とそろそろ食傷気味になっている自分に気づく。もはや『死刑囚』が頭に住み着いてんじゃないか? と疑いが出始めている。
なお、必須要素(無茶ぶり)は『育毛剤』。コメディ系に落とせなくもないが、私の中にいる『死刑囚』がどうにも存在感を消してくれないのでシリアス路線しか浮かばなかった。
そのためか、できあがったプロットも『父親の育毛剤を勝手に使用したことで口論となり、事故で父親を殺したあげく郵便配達員を装った強盗も殺した』、というサイコパス風の展開になった。
だいぶ無茶がある設定だな、と思いながら『867文字』を書いて時間切れ。若干最初のプロットとは違う流れになりつつも、それっぽいストーリーにはなったと思っている。
犯人の一人称視点なので情景描写はほとんどない状態だったが、心理描写はそこそこやれたと思う。私は癖として、心理描写の方に比重を置くのは変えられないところだと改めて確認した。
あとは、異常者を書くのが結構楽しい。バトル展開がある作品だと特に、一般の感性からかけ離れた部分を一つ以上含ませた主人公をデザインすることが多いので、意外と異常者は書いてきた気がする。
異常者の描写が楽しい、と字面だけ見たら私の人間性が疑われそうだが、あくまで創作の表現としてやりやすいとか楽、という意味合いだ。誰に対しての言い訳かは知らないが、知っておいてほしい。
内容的には、起承転結と言うより序破急? みたいなイメージ? 細かい意味の違いはおいておいて、四部構成ではなく三部構成っぽい流れになった感じはある。
まあ、完結できなかったので中途半端なのは変わらない。やっぱり完結できないと、まともな評価ができないし。
文章がうまくなったり、ストーリーの展開や演出がうまくなったりする手応えもないし、やっぱり普通に作品作った方が地力はつくな、これ。
自作の方、もっとがんばっていこう。大丈夫、私はできる奴だ、たぶん。
クライムサスペンス的なのなんてほとんど書かないからこそ、どうストーリーを進めるかがわからないんですよね。まあ、私が書いた短編の詳細なジャンルなんて私もわかりませんが。




