615回目 2020/11/19
思いつきで作った物語に落ちをつけるのって、本当に難しいです……。
一回目のお題は『灰色の何でも屋』。『何でも屋』と書かれていたが、なぜか私の頭では瞬時に『情報屋』に変換されてしまい、以降『情報屋』としてお題を扱っている。
また、必須要素(無茶ぶり)が『コミケ』とまた扱いづらい舞台だったのも、私の中で『情報屋』という色をより強くしてしまった原因だった。
『コミケで販売しているマイナー同人誌の中に、スパイ用の暗号が組み込まれてたら面白くね?』と思ってしまったのだ。
というわけで、『灰色のカッパを着たサークル主が売る『香辛料豆知識』という謎な同人誌は、実は国外のスパイに情報を売るための手段だった』みたいなものを書こうとした。
結果は『713文字』で惨敗。プロットを構想する時間が長かった上、なかなか本文も進まなかったのであえなく時間切れになった。
今思えば、もう少しファンタジーよりの設定でもいけたんじゃないか? と思わなくもない。『コミケ』と聞いて『コミックマーケット』を思い浮かべてしまうが、『コミケ』という造語あるいは略語をファンタジー世界に作れば、意味が通じないこともないし。
イメージしやすいファンタジー世界だったら『何でも屋』にやらせられることはいくらでもありそうだし、私としてもやりやすかったのではないか? と思う。
……と思っている間にも、もしかして『何でも屋』に頼んで『コミケ』に買い出しを頼んだ、みたいなストーリーでもよかったんじゃないか? と新しいネタが降ってくる。
こっちの方がストーリー的にも自然さがあるし、SNSを利用して仕事になったらしい『何もしない人』みたいな実例もある。
あー、今さらになって自分の視野の狭さに気づかされるとは。やりようはいくらでもあったのに、惜しいことをしたと思う。
ただ、それを『15分』で思いついたとして、時間内に書き切れたかどうかはわからないんだけど。高い確率でダメだっただろうし、自分の能力を高く見積もるのはやめよう。
短編って難しい。『即興小説』をやっていると、毎日それを思い知らされる。
勝手に落ち込みだしたところで二回目の『即興小説』、いってみよう。
お題は『鈍い絵画』。『にぶい』? 『のろい』? 調べてみたら『おそい』でもいけるらしい。ともかく、形容詞をどう捉えるかでまず引っかかった。
次に必須要素(無茶ぶり)を見てみれば、『パスタ』と洋風ご飯の指定が追加される。これにより、現代の欧米っぽい舞台をイメージさせられた。
そこから導き出されたのが、『アルバイトを首になった男がストリートで売っていた絵を衝動的に購入し、後から著名な画家のものだと知って難を逃れた』みたいなプチ幸運エピソードだった。
ある意味で『成り上がり』系といえなくもないストーリーで、古典みたいな作品だったら『ストリート画家』が『神様』とかに変換されていただろう。
そんな由緒正しき王道風ストーリーを『779文字』書いて、時間切れになった。仮プロットもそのままなので、実質の文字数はもっと少ないことだろう。
今回の場合は……たぶん欲張りすぎた。プロットの構成段階で二部構成になっていたし、全部を描写しようと思ったらそこそこ時間がかかる長さだったと、振り返って気づく。
少なくとも『即興小説』でやりきるような長さじゃなかったのは確かだ。まだ短編の尺の感覚は曖昧らしい。
ただ漠然と続けているだけになっては意味がないが、どうも始める時と終わった後の感覚は違ってしまう。反省を終わらせてからの方でしか『がんばろう』といえない。
残念ながら、小説を始める前には『しんどい』とか『面倒くさい』とか思うようになってしまった。若い頃にあったはずの『楽しい』が、なかなかわいてこない。
ときどき顔を出すこともあるけど、基本的には他にいろんなことをしすぎて気疲れした後に書こうとするので、気分が乗らなくなってしまう。
そこらへん、生活リズムや生活の内容を変えていければ、少しずつでも改善していけるはずだ。あとは実行に移すだけ。簡単なことのはずだ。
ちゃんと『変わろう』とする意識、『変わりたい』と思う意識を持とう。大丈夫、人間はやればできるさ。
今さら何言ってんだ? って話ですけどね。執筆歴だけは長いのに、ここにきて基礎の基礎のこと嘆いてるんですから。
若い頃、もっと短編を書いとくべきだったかなぁ、なんて思っています。まあ、今からでも何とか経験値を積んでいこうとも思ってますけど。




