592回目 2020/10/27
他の作家様って、自作が完成した(あるいは区切りのいい部分まで書けた)ら『達成感』を感じるものなんでしょうか?
一回目に提示されたお題は、『自分の中の旅行』。とんでもない旅程でも、『自分の(価値観の)中』に存在すれば『旅行』! と言い切ることか? と一瞬悩む。
まあ、そんなごり押しを通したところでまともなストーリーになるかは怪しいものなので、早々に別のプランを練ろうとしたのだが。
即行でネタを思いついては捨てたあと、必須要素(無茶ぶり)を見れば『イヤホン』と前日に引き続き登場したアイテムが与えられた。
ちょくちょくこういう事故みたいな被りが発生するので、なるべく同じ言葉を使いたくない私にとっては運が悪いなぁ、と思わずにはいられない。
とはいえ、いつものごとく文句ばかり言っていても始まらないのでネタを考えてみるが、妙案と呼べるようないいアイディアは浮かばない。
何とか書くだけ書こうとして、ひねり出して採用したのが『催眠療法でトラウマを解消しようとする人』を描くことだった。
イメージは『精神年齢の逆行』を催眠で行うことにより、本人が自覚できない慢性的なストレスの原因を解明する、というメンタル療法的な何かだ。
『旅行』の部分を『精神年齢の逆行』と解釈し、『精神の時間を巻き戻して自分探しの旅を行う』という理屈からお題を満たすことにした。
ちょっと特殊なシーンを描くことになったので、文字数は『913文字』とあまり伸びず。完結もしていないので、消化不良ぎみな短編となった。
書いてから『失敗したか?』と思ったのは、主人公の一人称で書いてしまったこと。催眠なんて主観が曖昧になる手法だとわかっていたんだから、三人称か催眠術をかける側の一人称にすればよかったのに。
なぜ『意識がもうろうとした人物の視点』で催眠療法を書いてしまったのだろう? ミステリーなんかの伏線などに使うんだったら、まだやりようがあったのか?
いずれにせよ、演出面での単純なミスだと思っているため、勘とフィーリングだけに頼らずもうちょっと考えて執筆をしたいと思う。
割と残念なミスを見つけてしまってから、二回目の『即興小説』はどうだったかというと。
まずお題は『捨てられた囚人』であり、微妙にシチュエーションがわかりづらい状況だった。
監獄かどこかに収監されているはずの『囚人』が『捨てられた』って、どこに? どうやって? と疑問がわいてくる。
それを消化しきる前に必須要素(無茶ぶり)を見てみれば、『2000字以上3000字以内』と現状の私には達成不可能な文字数制限が課されていた。
これは完結は無理だな、とあきらめられたのでひとまずお題にそうストーリーを適当に考えよう、と開き直る。
ひとまず、私の中ではスタンダードな展開を書いてみようと、『投獄されていた賊の牢屋が突然破壊され、脱出しようとしたら近くに化け物(魔物)がいることに気づく』というシーンにしてみた。
私の中ではファンタジーよりだが、自称・盗賊と書いてはみたものの解釈の仕方によっては現代と思われる可能性もあるかもしれない。
そんな世界観がふわっとした物語は『885文字』書いたところで時間切れとなった。案の定、文字数的にも未完になったのは仕方がない。
直前の執筆が微妙だったからか、私の感覚的に地に足が着いた書き方になっていなかったように思う。どこか浮き足だった、イメージの表層をすくうくらいの書き方というか。
うまく表現できないが、好調な状態で書けたものではなかったのは間違いない。起承転結の内、転も結も思い浮かんでいなかったのだから当たり前なのかもしれないが。
やはり、物語の始まりはすぐに出てくるが、そこを終わらせるオチも一緒に思いつくかは運次第になってくる。時間がない『即興小説』では、執筆時間を確保するためにアイディアは一瞬で練らないと厳しいからだ。
この部分は何度か反省点としてあげただろうが、考えたところですぐに解決策が出てくる問題でもない。とりあえず毎日書いていくことで、自分なりのコツややり方を模索していく他ないだろう。
なお、私の場合はもはや『達成感』など少しも芽生えませんね。むしろ、書き終わってすぐから反省点や修正点がどこかにあるはずだ、と考えるくらいですから。
よって、作品完成による『達成感』とともに得られるはずの『成功体験』が極端に少ないタイプの作家な私は、別の作業から『達成感』を補うしかなさそうなんですよね……我ながら面倒くさいな。




