59回目 2019/5/13
明確に書きたいネタがないと、何も書ける気がしませんね……。
短編を少し書き進めていくうちに、サブキャラの魅力をどう引き出すかがかなり難しく感じるようになった。
長編であれば(少々強引であっても)描写の機会を設けることができるのだが、短編だと文字数制限があるため要素をぎゅっと閉じこめないといけない、という意識が働く。
制限された中で、主人公をもっとも立てつつ、いかにサブキャラにも魅力を波及させて作品全体の面白さにするか?
元々短編に苦手意識を持っていた私にとって、ただ長編を書いていくより難しい。
三人称であればまだ描写の機会を平等に近づけられるかもしれないが、一人称で書いてしまった上に(案の定)性格に難がある主人公にデザインしてしまったので、他者を描く隙がほとんどない……。
思えば、陽キャラと言われるポジティブ系の人物をまともに描けたことがないのも反省点か。
どこかで読んだ覚えがあるが、小説家は基本的に読書家=インドア派から目指す場合が多いため、筆者に活発な気質を持たないことが多いらしい。(あくまで傾向の話だが)
必然、自分が知り得ないことはなかなか書けないものであるため、明るいキャラクターは書けない(もしくは下手)となりがちなのだ。
例に漏れず、私も思い返せば心底から明るいキャラクターは自然と書こうとはせず、物語に必要だからと無理して書こうとしていた気がする。
実際に書いてみてもどこかリアリティに欠け、魅力を十分に感じられる人物にできることはまずない。
自分の気質と相反するものを描いても、何か人を引きつけられるものを持つキャラクターを描けることができれば、小説の幅も広がるだろうに。
主人公は一番筆者が力を入れるキャラクターであるため、光る個性は自然と浮かび上がってくるものだ。
サブキャラは油断すればただの舞台装置にもなりかねない立場から、筆者がいっそう気を配らねば人間的な存在感が『死んでしまう』。
最初から細かく描写する必要のないモブキャラとも、最初から細かく描写することが決まっている主人公とも違う、適度なバランス感覚が求められるサブキャラの扱い方。
ピックアップしすぎて主人公を食っても(基本的には)ダメだし、個性がなさすぎてもモブキャラとそう変わらない存在になってしまう。
少しずつだが、作品のいろんな部分に目がいくようになったのだろうか?
意識して書いて自分の力にできればと思いつつ、やっぱり短編は難しいと悩む今日この頃。
まあ、最近はずっと私的創作論のような内容ばかりになっていましたから、よけいにそう思うのかも知れませんが。




