579回目 2020/10/14
一つ完結! あと、冒頭をちょっと気取るようになりました。
一回目の『即興小説』では『清いヒーロー』というお題が与えられ、そういえばなんか『ヒーロー』関連って最近よく書くな? と引っかかりを覚える。
物語における『主人公』であれば深く考えることも多いが、『ヒーロー』という存在そのものに注目することがあまりないため、書きやすくはない題材なんだけど。
なお、必須要素(無茶ぶり)は『英検』だった。これ、今考えれば『英雄検定=ヒーロー検定』なんて略し方をしてもよかったかもしれない。マンガの『ヒ○アカ』的な世界観で。
しかし、執筆当時は普通に『英語検定』でいいやと思えてしまったので、そんなひねりは特になかった。なぜかちょっと損した気分になる。
で、これらの条件から直感的に浮かんだあらすじは『ヒーローに憧れて自分の理想とするヒーローになるため、努力を惜しまない中高生の生活』って感じ。
もちろん、こんなものを短編でド真面目に書いても面白くないので、主人公の行動がズレているコメディタッチを意識して描くことに。
あんまり描写に迷うことがなく、『1002文字』書いて完結させられたのはよかった。ひとまず、完結させられるだけ上等だろう。
中身に関しては、うーん、コメディにしては薄味だと思う。主人公の一人称視点で思想を披露し、実際の行動では他人につっこまれる様子を描いたものの、モノローグが長くなってコメディ要素そのものは控えめだ。
あと、無理やりな解釈で『英検』をオチに持ってきたのだが、読み直してみてもネタとしてやっぱり弱い。ギャグとかコメディって難しいと改めて思う。
とはいえ笑いのツボなんて人それぞれだし、私の『面白い』が正しいこともあれば『つまらない』が間違っていることもあるし、結局、気にしすぎたら負けなんだろう。
ひとまず『私』という基準をフィルターに、いろいろ書いて試していくしか作品に対する評価なんて出てこないんだから、とにかく小説を書け、ってのが遠回りの近道なのかもしれない。
で、今回は一回目終了後に連続で二回目を書き始めたのだが、お題は『白いキス』と『○ルティーキッス』ってお菓子を思い出すものだった。
それなのに、必須要素(無茶ぶり)は『輪ゴム』と使いどころがよくわからないアイテムを渡されてしまい、一回目よりは構想に時間をかけることになる。
しかしまあ『即興小説』は構想に時間をかけすぎたら何も書けなくなるだけなので、どんな面白くないネタでも書き始める! のが鉄則だ(個人の意見です)。
というわけで、『○ルティーキッス』から舞台を冬に設定し、『輪ゴム』から『まとめられた郵便物』を連想した私は、奇妙なあらすじを思い浮かんだのでそれを書いていった。
内容は『朝、郵便物を取りに外へ出たら雪が積もっていて、すっごい自分好みの顔がデスマスクみたいに雪の上に浮かんでいた』、というあり得ない系シチュエーション。
私の浅い知識だが、デスマスクってかなりの衝撃で顔を縁取らないと正確な『顔』にならなかったはずなので、死体も残らず雪にデスマスクが残るはずがない。
……のだが、リアルなことを突き詰めても話が進まないので、理屈は謎だけど『顔』がくっきり浮かんでたよ! という体で話を書いていった。
最終的にはそのデスマスクと事故気味に唇を重ねて『白いキス』を達成する主人公を描く予定だったが、『882文字』で時間がなくなり描写まで至らず。
お題でも必須要素でも、必ず入れないといけない要素を構想の後半に持って行くと、失敗したときに未完成感が強くなるのはわかっていた。
わかっていたが、どれだけ即興で組み上げた土台でも一定の道筋ができてしまえば、私はそこに乗っかるしかできないタイプの作家なのだ。
最初にお題もしくは必須要素を『後半で出す!』と決めれば、軌道修正がほとんどできない。そういう風にレールを敷いたら、ある程度肉付けが終わるまではほとんどノンストップで駆け抜けるしかないからだ。
細かいところの設定や描写の修正は推敲で行うのだが、『即興小説』だと見直しの時間なんてほとんどないから不可能だし。っていうか、ほとんどの場合において時間が足りないし。
……無い物ねだりの言い訳が積み重なりそうだったので、この辺でやめておこう。
要するに、また次回がんばるってことで。
本編の長さに限らず、小説は『タイトル』や『あらすじ』はもとより、『一行目』で読者を引き込めなければ読んでもらえない。
そのためか、『即興小説』でちょこちょこ癖のある一文で始めることが増えてきた気がします。無意識でやってますし、実際に興味を引ける文章になっているかは謎ですけど。




