576回目 2020/10/11
『即興小説』では、相性が悪いお題をもらうのもきついですが、お題が連続するのもきついです。
一回目に挑戦したときのお題は、『名付けるならばそれは能力者』。ローファンタジー系の世界観ができそうだったので、たぶん私向きのストーリーでいけそうと確信する。
さらに必須要素(無茶ぶり)が『弾丸』と、能力バトルものでは定番の能力候補を与えられたので、むしろそっち方面で書けと言われていると解釈した。
そうして思いついたのがいわゆる『プロローグ短編』の形式。
あらすじは『昔に異能をもっているであろう青年と出会ったことがあった少年が高校生になり、何の前触れもなく発火能力に目覚めた』という、ありがちなスタートを描いた。
文字数にして『969文字』を書いたが、途中で時間切れとなり未完作品となる。まあ、例によってオチをあまり考えずに書いたので完結は無理だっただろう。
ストーリー的には割とありがちで、中盤以降をどう展開していくか? という後の展開に期待してもらえなければ読まれない類の内容だった自覚はある。
昔はそういう『テンプレ』とか『ありきたり』とかをやけに忌避し、ちょっとひねった展開やストーリーを好んで書こうとしていた節があった。
現在では、『テンプレ』や『ありきたり』も練習で書いてみないと良さも悪さもわからない、と思うようになってきている。『即興小説』で無分類に書いてきた変化だろうか?
とはいえ、私の心構えが大幅に変わったわけではないため、『テンプレ』にどう『ひねり』を加えられるか? みたいな思考はどこまでも残っている。
『ありがち』をどうやって『変わってる』印象を組み込めるか。そこに注力しようとすると、意固地になっていた意識は霧散していく気がするのだ。
そう考えると、私の中には『ドッキリの仕掛け人』に近い考え方が根付いているのだと思われる。イタズラ心、とも言い換えられるか?
なんにせよ、驚きと発見とカタルシス……これが私の創作において大事にしている部分といえよう。あとはどれだけ私の技術が追いつくか、だ。
やっぱり実力不足を感じてしまったところで、二回目の『即興小説』について振り返ろう。こっちも、あんまりポジティブなことはいえないかも。
お題は『早い屍』という、ちょっとわかりにくいシチュエーションというか、なんというか。『屍』はいいとして、『早い』って何? とまず疑問が残る。
そして不運なことに、必須要素(無茶ぶり)が『バラン』とまさかの前日とのお題がかぶりが発生した。さすがに『バラン』で二ネタはきつい。
前日の『即興小説』もあって、『バラン』と弁当がイコールでつながれて離れないため、今回もそっち方面で考えることにした。そこはいい。
問題はほんちゃんのお題、『早い屍』。どうしても明るい系の話が出てこなかったし、時間もなかったので思いつきをそのまま書いていくことにした。
あらすじは『死体加工業者で働く男と、新人研修で見学している若い男のやりとり』。ホラー、に近い何かではあるのだろうけど、雰囲気的にそこまでホラー感は出なかった。
何となく会話劇で進めていったところ、『948文字』を書いて未完になった。新人のキャラを明るめなサイコにしたので、そこまで暗い雰囲気にはならなかったのが幸いか。
しかし、『即興小説』では圧倒的に一人語りを書くことの多い私だが、二人以上のキャラで会話をつなげるのもちょこちょこやっておかないと、と感じる。
会話の流れとか、ちょっとした皮肉とか、ウェットなジョークとか? とにかく、会話ならではの台詞は一人語りではどうにもならない。
『即興小説』は小説のウォームアップをかねた実験場だ。匿名だから何をしてもいいし、何をしても私の中では忘れられる過去にできる。
ここでいろんなことを試して、気づいて、取り入れていければいい。技術として身についている何かがあるかはわからんが、きっと執筆において役に立つ力がついていくと信じよう。
昔から『最高効率かつ短時間で最大パフォーマンスを』とか考える人間だったので、『じっくり地道に力を付ける』やり方に落ち着くと精神的に楽ですね。
ひとまず、なんでも『習慣化』させることが第一歩ですね。目に見えた結果をすぐに求めるのは疲れるのでやめましたよ、ええ。




