561回目 2020/9/26
はい、二敗です。(もはや前置きすら不要ですね)
一回目のお題は『正しい小説トレーニング』と……、個人的には地味に精神的ダメージが入るお題だった。
いちおうメンタル調整の意味が自分にはあるとはいえ、名目上は休息中の私にとって『正しい小説トレーニング』なんてできていないし……。
また勝手に落ち込みそうになるのをこらえつつ、必須要素(無茶ぶり)を確認すれば『血痕』……って、どんな『トレーニング』をすれば『血痕』が? それも『正しい』? なかなかのカオスが予想された。
とはいえ、整合性をつけるのはこちらの作業だし……と考えてみたら、意外とそれっぽいのができそうな話題を思い出した。
『小説は作家が経験したことしか書けない』、というネットで読んだ誰かの意見である。ソースは不明(たぶん覚えてないだけ)。
これ、個人的には『一理はあるがすべてではない』意見だと思っている。『経験』があればリアリティは高まり没入感は増すが、作家が『経験』のないことを書けないか? といえばそうではない。
もし全肯定してしまえば、『ファンタジー』ジャンルはこの世に存在しないだろう。『ファンタジー小説』の古典として有名な『指輪物語』なども生まれなかっただろう。
さらにさかのぼれば、『竹取物語』とか『浦島太郎』とか、現実的にありえない状況やシチュエーションも『経験論』がすべてなら『実在した』ことになる。
そこまで論理が飛躍してしまえば、『経験したことしか書けない』というのは一つの側面でしかないことはわかるだろう。
何事も『過ぎたるは及ばざるがごとし』ってことだ。重要な要素ではあっても、それだけがすべてではない。
と、そんな戒めも込めて『アクションシーンを書くために部員同士で殴り合ってる文芸部』を書くことになった。……どんな飛躍だ? と我ながら思う。
『858文字』書いて強制終了を食らったわけだが、やってることが暴力的でも作風は割とコメディ寄りになった。
ひとまず、自分が持って行きたい空気や展開にはできたので、(完結こそさせられなかったものの)成功っちゃ成功した短編だろう。
『即興小説』でもプライベートの小説でも、たしかな手応えを感じることはまれなので、この気持ちを大事にしていきたい。
なんかわずかな希望が見えた最終回みたいな流れになりつつ、二回目に挑戦したときにきたお題は『とんでもない部屋』。
まずイメージしたのが『○にも奇妙な物語』的な『とんでもない部屋』だったが、そこからどう物語を転がすのかがすぐに思いつかなかった。
そこで必須要素(無茶ぶり)を見てみると、『予想外の展開』というただの無茶ぶりだった。『起承転結』の『転』にもっと振り幅をつけろ、ってオーダーなのだから。
結局、ストーリー面でのアドバイスになりそうなものはなかったので、何とか連想でごまかそうと頭を少しひねってみる。
で、出てきたのが『同級生の家に行ったら、一緒にきた友人が次々といなくなった上にトラップがわんさか』……という、謎な設定が浮き上がってきた。
設定的には中高生とかそのへんで、『同級生の家』がファンタジーな感じになっている。意識はホラー味を強くしてみたのだが……ちょっと謎なジャンルになったかも。
文字数は『892文字』ほどいけたが、オチに入る直前で時間切れ。いちおう『予想外の展開』を披露しようとしたのだが、私特有の癖である『前振りが長い』に阻まれ描写できず。
想定していたオチとしては、『同級生も消えた友人も、誕生日を迎えた主人公へのサプライズをしていた』というところを予定していた。
まあ、結局主人公が体感した『同級生の家で起きた奇妙な出来事のトリック』は明かされないままになるので、よく考えればおかしさが残る……みたいな余韻を残せればとは思っていた。
これは……ちょっと私も高望みというか、要素を盛りすぎた気がする。短編なのだから、伝えたいことややりたいことを一つ、ないし二つに絞って書かないとうまく伝えられない。
短編は適当なフィーリングで書いてきたから、まだうまく定まらない感覚は否めない。息抜き感覚で書いていると、理解も解釈もこんなものか。
まあ、次までに覚えていたら『伝えたいことの焦点を絞る』ことを意識して書いていこう。
自分で『つたない』と思える部分に目をつむれる寛容さができれば、なにを書いても納得できない状況からは脱せるかなー、と考えている今日この頃です。




