554回目 2020/9/19
今回は一勝一敗でした。
一回目に挑戦したお題は『安い星』。『星』の解釈でいろいろと物語を広げられそうだが、当時の私はマジで夜空に浮かぶ『星』をイメージした。
付け合わせの必須要素(無茶ぶり)は『牛肉』。関係ありそうでなさそうなラインのアイテムを、とりあえず『物価の指標』として使ってみることに。
というのも、『近未来SF』っぽいイメージのあらすじが思い浮かんだので、その雰囲気を出したかったからだ。
大筋の流れは『環境破壊によって大量の隕石が降るようになった地球で、日当を稼ぐために二束三文の隕石を拾って売る「星拾い」の仕事風景』を描いた。
一応、『近未来SF』を意識したので時代設定も今からおよそ二百年後にしてみた。オゾン層などの破壊が進んで、スペースデブリが燃え尽きずに地表へ降り注ぐ……みたいな感じで。
その上、人類の経済格差が著しく進み、富む者は富み、貧しい者はとことん貧しい二極化がほぼ完成した、という情勢も追加で投入した。
ちょっとしたディストピア世界ではあるのだが……なんでこんな設定がぽっと出てくるのかよくわからない。
ディストピア系未来SFは一度しっかり腰を据えて書きたい題材だけど、『即興小説』で出てくるような発想だっただろうか? と我ながら疑問がつきない。
まあ、この日はそんな気分だったのだろう。ファンタジーに傾倒した日が続けば、SFにかぶれたくなる日があってもいい。それが作家だ。たぶん。
というわけで、『862文字』でおおよそいい感じにまとめられたので完結設定にして放置。がんばれば『星拾い』の主人公から成り上がりとか、ディストピア世界の実状とかを語らせたりとかして、話を膨らませることはできそうだ。
しかし一期一会の設定なので、今後触れる可能性はないだろう。以前に『長編に書き起こしたい設定ができた!』と書いたものも、いまや記憶の彼方に飛んでしまった。
どんな短編だったっけ? ……思い出せないのなら、最大瞬間風速が強かっただけで長く印象が残らない作品だったのだろう。うん、そう思うことにする。
で、次に挑戦したらば『光の食事』というお題がきた。『光』が『食事』すんの? と疑問符を浮かべてしまったせいか、またしてもSF設定が頭にちらつく。
『光の玉のような見た目をした宇宙人』だ。『宇宙人』は厳密にいうと『地球人以外の知的生命体』を指す言葉だし、外見が『ヒト』じゃなくてもいいかな、って。
だが、必須要素(無茶ぶり)の『Twitter』で少しくじけそうになる。私の世界観だと『宇宙人』そのものは存在しても、『宇宙人』が『SNS』を利用する姿がレパートリーにないのだ。
何とか無茶ぶりを実現しようと少し考えたところ、『Twitterを利用する地球人を観察する姿』が浮かんだので、『星間探索中に発見した地球を監視する宇宙人』という、ありがちなストーリーを採用することに。
文字数は『708文字』と短めなのは、『宇宙人』らしい会話を作ろうと意識して文章をうつのに時間がかかったからだ。もちろん、落ちまで間に合うはずもなく強制終了を食らう。
考えていた落ちは一応存在し、『Twitterの文面からあふれる感情エネルギーが、宇宙人にとって良質なエネルギーとなることが判明し、深刻なエネルギー(食料)不足に陥っていた母星の危機を救える鍵になる』って感じを想定していた。
まあ、ちょっと物騒な見方をすれば『惑星侵略のきっかけ』みたいな情景だ。『宇宙人』が絡んだSFで侵略系のストーリーは定番中の定番だろう。知らんけど。
それを書くために『光媒介情報体』だの『辺境惑星生命体不可侵協定』だの、それっぽい設定を考えては投下していたのだが……『即興』を意識したら無駄な蛇足だったと思う。
このことから、どうやら私にはストーリーを書いているうちに、自分の方から背景事情が気になって首を突っ込んでしまう癖があるっぽい。
思い当たる節がありすぎて、これもまた文章を書けなくなった遠因にありそうだ。ストーリーを書きたかったはずなのに、それを埋めるための設定づくりで時間と体力を使ってしまってなにも書けない……なんてあるあるだし。
とはいえ、『即興小説』で原因を探ったところで解決策がすぐに思い浮かぶわけでもなく。むしろ、私の書き方の癖だと理解してしまったら修正もクソもない。
ある意味それらが、私にとっての『個性』となり『武器』となりうる要素でもあるからだ。適度に拾い、適度に捨てる器用さがあれば、この自己分析もメリットになりうるんだろうけど。
これで設定を書くのが楽しかったらいいんだけど、設定だけやってると飽きるタイプなのが残念だ。設定が細かくて重厚な作品そのものは好きなんだけど、作るのはやっぱり面倒で……。
うーん、また『長編』に戻りたくなってきた。意外と『書きたい意欲』は旺盛なんだなと日々感じる毎日である。
積極的な『長編離れ』からまだ数日ですが、手を出さないと決めた瞬間からやりたくなってくるのは、我ながら本当に現金な性格していると思いますよ。
ひとまず有言実行のために、九月中は距離を置いたままにしておきますけど。……あ~、十月になっても書けなかったらへこむなぁ~。




