544回目 2020/9/9
今回も二敗でした。でも、一つ長編にしたら面白そう、と思ったプロットができた気がします。
本日、一回目にスマホと向かい合ったときのお題は、『黄色い宴』という謎の色指定がついた特殊状況だった。
そもそも『宴』単体でも手に余りそうなのに、『黄色』って謎の縛りも加わったためあつかいにくさが倍増。
さてどうしたもんか、と思っていたところで必須要素(無茶ぶり)を見ると『北海道』と書かれていた。『北海道』で『宴』……フェス?
なんか普段よりイメージが固まりにくく、何とか連想でネタを転がしてストーリーにできないか悩むこと一分強。
『黄色』と『北海道』からなぜか『じゃがいも』が浮かんだので、『地元の活性化をねらった村が、○ゃがりこで村おこしをしようとする』、という謎なストーリーができあがった。
正直、今まで自分が書いてきたものとはだいぶ毛色が違うストーリーだったので、よくわからないまま書いていって『790文字』、ほぼ挫折する形で未完になった。
『宴』から『地域活性』を思い浮かべたのが、方向性迷子の始まりだったのかもしれない。というか、考えたこともない課題を即興で書くって、今思えばなんでこんなものに手を出したのか……。
たぶん、総裁選に出馬する石破氏のコメントやら過去事業やらをニュースで見たのが、この発想に至った原因だと思われる。おのれ、石破……。
あとは『黄色』から『チーズ』が出てきたので、『じゃがいも』と組み合わせたら真っ先に『○ゃがりこ・チーズ味』というワードが浮かび、無理やり組み込んだのだった。
こうして見ると、だいぶつぎはぎのぐらぐらでプロットを組み上げたんだなとしみじみ思う。やっぱり短時間での創作はアラが目立つな、と。
でも、きっちりしすぎようとして何もできなくなる私にとっては、ちょうどいいやり方なのかもとも感じる。やっぱり、創作のハードルは下がるので。
理想を言えば、今回のような突貫工事の事故みたいなストーリーが浮かばなければなおいい。……そこは、毎回挑戦する自分次第だから、今気合いを入れても無意味なんだけど。
次に時間をおいて挑戦したときに出てきたのが、『生きている町』というお題――お、これはファンタジーな感じになりそう、とちょっと期待した自分がいる。
ひっついてきた必須要素(無茶ぶり)は『《算数のたかし》』と、正直意味不明なかっこ(《》)付きの人物で困惑もしたが、このときの私はお題と相性がよさそう、と思ってしまった。
そこからの発想は早く、頭の中でぐにゃぐにゃと『生き物のように動く町』が思い浮かび、そこへ『町に自我があったら面白い』と思ったところで舞台が整った。
ただ、『即興小説』で今まで書いてきた背景が『現代より』だったこともあり、ファンタジー世界の一要素ではなく現実世界のファンタジー要素になった。
どういうことかと言えば、『現代日本から他の会社に出向して、生きている町と不思議な住人を相手に訪問販売をする会社員』、という形にあらすじが固まったのだ。
つまり、現実世界の認識を持っていながら、ファンタジーとしか思えない不思議な体験をする主人公、という『異なる共通認識』の比較を行える構図にしたことになる。
主人公側が現実世界よりにありながら、『生きている町』にすんでいくうちにファンタジー要素にもなじんでいき、これまでとのギャップに驚きつつも生活していく日常コメディっぽい仕上がりになった。
書いているうちはそこまででもなかったが、少し読み直してみると『面白い設定だな、これ』と思うようになっていた。未完ながら『1072文字』も書いていたのも、その証拠だろう。
『なろう』ではいわゆる『ローファンタジー』に分類される話になるだろうが、自分なりに現実とファンタジーを混同した世界・生活を描くのも楽しそうだ。
今までは読んできた物語の種類から『バトルもの』を主体にすることが多かったものの、お仕事ものもやり方によっては面白く書けそうだ、と思えたのが大きな収穫な気がする。
自分で書いててわくわくしたのは、『生きている町』が主人公に対して嫌がらせをする描写だ。
行く先々で通路を地図とは違うようにしたり、文句を言われたら近くの家を敷地ごと持ち上げて庭にある植木をしならせビンタしたり。
やってることはそこそこ迷惑なのだが、『生きている町』が悪戯好きの子どもっぽいキャラクターになって、地味に愛着が出てしまった。
どれだけ妄想がもつかはわからないが、長編で書いたら面白そうだな、と『即興小説』で初めて思った短編がこれだった。
機会があれば、これをベースにネタを考えてみようと思う。
これも、年齢を重ねたがゆえに心境の変化、ってやつですかねぇ。バトルみたいな激しいものが嫌いになったわけではないんですが、日常に近い落ち着いた話にも興味が出てきたっぽいです。
創作のすそ野が広がった、とでも思っておきます。それはそれとして、バトルもので停滞している長編、さっさと手を着けないとなぁ……(遠い目)。




