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542回目 2020/9/7

 今回は『即興小説』の話題はお休みし、アベマで視聴していた『彼女、お借りします』というアニメに挫折(ざせつ)した、心のよどみを吐き出そうと思います。


 ……主人公が生理的に無理だったんですよね。物語の設定そのものはすごく面白いのに……むしろ八話までよく我慢した方です。




(本編からちょっとネタバレと不満の垂れ流しが長くなりますので、作品に興味はあるけど未読・未視聴の方やそもそも興味がない方はブラウザバックをよろしくです。


 なお、これからの記述はあくまで『私個人が抱いた意見・感想』であり、原作マンガおよびアニメ作品そのものをおとしめる意図はありませんのであしからず)




『彼女、お借りします』という作品は、大学で数ヶ月つきあった彼女にフられて衝動的に『レンタル彼女ヒロイン』を利用した男子大学生が主人公の、ドタバタ系ラブコメディになります。


 ラブコメの設定やストーリー展開としてはとても興味深く、面白そうだと思ったのですけど……作中でも幼なじみ(男性)キャラから『クズ』と呼ばれる主人公(男性)を見るに耐えなくなりました。


 頭の中(モノローグ)がほぼすべて『自分のこと』に使われており、人間関係において『他人のこと』を考えたり気にしたりする素振りがほとんどないように見えたのが、まず気にくわないポイントでした。


 そのくせ、『ヒロインのこと』には(偶然とはいえ、主人公の私的(プライベート)な事情に巻き込んだのである程度は当然ですが)考える時間を長く割いているのが、『ヒロイン以外の人間(キャラ)』を軽視しているように見えて、不快感が増大。


 家族想いだったり友達想いだったりする描写はあるものの、とにかく『自分』に対する意識が強すぎて『他人をかえりみないキャラ』に見えてから、その印象がとれなかったのがつらかったです。


 まあ、下手に現代日本が舞台の作品であったからか、よけいに『キャラ』というより『人間』として見る意識が強まったのも、不愉快に思った原因かもしれません。


 要は、私の視聴スタンスが『リアル寄り』だったせいなのでしょう。この部分は『エンタメを見る姿勢』が作者の想定ターゲット層からズレていた、私自身の過失もあると考えています。


 それでもこの主人公、創作におけるキャラクター論で言う『平穏の破壊者(トラブルメイカー)』な役割をしているくせして、『あぁ、問題が次から次へと……どうしたらいいんだぁ!?』みたいな態度が見えるんですよね。


 いやお前、『自分が持ってきた問題(ひだね)に、自分で油を注いでいる自覚がないのか?』と思っちゃうんですよ。自作自演で炎上しといて、なにを被害者ぶってんだよ、と。


 何より腹が立つのが、『主人公が自分で用意した爆弾(うそ)の処理をヒロインに丸投げ』する自分勝手さでした。


 このストーリーは、『ヒロイン』の『プロ彼女』と呼ぶにふさわしい対人コミュニケーション能力と臨機応変さがなければ、ラブコメなどまったく成立しないまま主人公が恥をかいて終わるだけだったと推測されます。


 それくらい『ヒロイン』の状況判断能力と問題解決能力の高さがうかがえ、それと同じくらい『主人公』のトラブル生産能力と責任回避行動が目立っています。


 何せ私が思い出す限り、発生した問題の解決および解決手段を用意するのはいつだって『ヒロイン』であり、『主人公』がするのは『意志決定だけ』です(少なくとも私にはそう見えました)。


 ――っつうか、そもそも作中で出てきた問題って、ほとんど『主人公(おまえ)』の言動がそもそもの原因だろうが、ちょっとは自分で解決しようする姿勢を見せろよクズ! と言いたくなりました。


 もうこっちとしては『主人公』なんてどうでもいいから、『ヒロイン』が早く『主人公』との縁が切れるように祈ってしまったくらいです。

(まあ、『ヒロイン』の仕事が身内にバレるのを防ぐためでもある関係から話が続くので、なかなか切れないのはわかっていますけど)


 まだ救いなのは、『主人公』と『ヒロイン』の関係って『ビジネス契約(客とレンタル彼女)』から始まって継続中のため、『主人公』から『ヒロイン』に『問題解決の報酬(かね)』が支払われていることでしょうか。


 ……それでも、個人的には『レンタル彼女』が負う仕事として『ヒロイン』の負担が大きすぎる気がしてしまい、『主人公』ってトラブルと報酬が見合っていない『クソ客』だな、と思うんですけど。


 唯一、船から落ちたヒロインを助けるためにためらいなく飛び込んだシーンだけは(めっちゃ危険な行為ですが)賞賛できるものの、普段の言動がほぼ自己中心的すぎて気分が悪いです……。


 少し厳しい意見になりますが、このシーンって視聴者側のメタ認知視点では『ヒロイン』が船から落ちる前から丁寧に『体調不良』を抱えている描写があったんですよね。


 でも、『主人公』は事件が起きるまで気づいた感じがゼロでした。


 がんばってその場を取り繕っていた『ヒロイン』の演技力がすごかったのかもしれませんが、それでも『彼氏役』として『ヒロイン』を見てたんなら少しは異変に気づけよ気遣(きづか)えよ、と『主人公』に苦言を(てい)したくなりました。私だけかもしれませんが。


 ただ、自分でも『主人公』への反感が強くて、批判的な目で見ていた自覚はあります。なにせ、一話の印象から最悪でしたからね。


『自分に気があると思ったのに、あの態度は誰にでもやってんのかよムカつく!』みたいに『主人公』がキレてまして……いや、『ビジネス』なんだから当たり前だろ、と。


 そもそも、『デート体験』を金で買うような男が――たとえ見た目がどれだけよかったとしても――初対面から数時間で女性側の心証を好意(プラス)に持っていけると、本気で思ってんのか? と思います。


 断っておくと、『レンタル彼女』を利用する人々をけなしたいのではありません。


『女性視点』から考えれば、サイトに()せたプロフィール写真と仕事上の設定を見て『デートしたい!』と思った男を、『客』以上の目で見るなんてよほどのことがない限りあり得ない、と言いたいだけです。


 特にこの作品の『主人公』は、女性を性的に見る描写(こと)はほぼ隠していません。下心全開で谷間やら太ももやらをガン見してくるような男を、『キモい』以外の感想を抱けというのが無理な話でしょう。


 この作品の『主人公視点』から見た『ヒロイン』は視線に気づいていない風を装っていますが、おそらくほぼ確実に気づいた上でスルーしているはずです。


 職業柄、『主人公』のような(やから)の視線には何度もさらされてきたはずですからね。高いプロ意識から『身の危険がおよばない限りは無視する』と決めているんでしょう。私の想像ですけど。


 他にも細かい描写などから、一話ごとに主人公の『身勝手で自己中心的な性格』が見えてしまい、加速度的に『主人公』を嫌いになっていったわけです。


 というか本来、『レンタル彼女』みたいな仕事って『つかの間の体験』を売りにしているわけで、接客業の延長にある業種のはずなんです。


 それを考えず、『主人公』が勝手に盛り上がって勝手に落とされた気になって勝手にキレただけの『ひとり相撲』から『ヒロイン』に八つ当たりしてるシーンまで入ったら、『なんだこいつ?』と不快に感じるのが私の感性でした。


 ただ、『主人公』の性欲強めな描写はスルーできるんですよね。20代前半くらいの若い男の頭の中って、だいたい『あんな感じ』だとは思いますから。


 ……個人的には、『顔見知り以上の関係にある女性』を対象にして性欲を発散できる神経はわかりませんけど。ここはたぶん、一般男性と比較すれば私の方が少数派なのかもしれません。


 ともあれ、アニメ化による原作の描写省略があった可能性はあるにせよ、もうあいつ(主人公の名前はついぞ覚えられませんでした)を見るだけでイライラするような体になってしまったので、健康上の理由から断念した次第です。


 ……初めての経験ですよ、『創作物の主人公が嫌いすぎて体調崩しそうになった』とか。ここまで相性の悪いキャラを見続けた経験がなかったのでしょうね。思い出すと今も胃がムカつきます。


 とはいえ、創作における『トラブルメイカー』という役割そのものは否定しません。彼らは『停滞しそうな日常(ストーリー)を破壊し、山場のきっかけを作ってくれる』ため、作者としては非常に重宝するキャラなのですから。


 今回のアニメ視聴で確信したのは、『トラブルメイカーを主人公にできない』という、私の創作スタンスの確認ですね。『トラブルメイカー』はあくまで『脇役(サブキャラ)』だから耐えられるんだなぁ、と。


『(トラブルに)巻き込まれ型主人公』とかはラノベでもよく聞く属性ですけど、この作品はいわば『(トラブルに)巻き込ませ型主人公』ですね。本当、迷惑以外のなにものでもない。


 もしかしたらこんな風に思うようになったのも、感情表現が小説よりも豊富なアニメ作品に多くふれたことにより、作品への感情移入が高まってきた証拠なのかもしれません。


 プラスでとらえるなら、より作品世界への理解や共感が深まる感覚を手に入れた、と言えるでしょう。


 マイナスでとらえると、今回のように精神的ダメージが何倍も強くなった、ということでしょうね。


 創作作品への許容範囲がせばまった気がしてあまり歓迎できないんですけど、そのぶん自作小説に強い思いを込められるようになれればプラマイゼロでしょう。


 ひとまずは、そうプラス思考に考えておくことにします。


 ちなみに、今回の『即興小説』では珍しく一勝一敗でした。 


 一回目のお題は『うわ・・・私の年収、本』という謎の広告キャッチコピーで、必須要素(無茶ぶり)は『新聞』。文字数は『884文字』くらいで完結させられました。


 二回目にきたお題は『隠された悲劇』で、必須要素(無茶ぶり)が『セリフ無し』と地の文が長い私の得意分野がきました。ですが文字数は『952文字』で、こちらは未完になりましたね。


 特に一回目のお題がどう処理したらいいか謎すぎて、早い段階で(さじ)を投げかけました。完結までもっていけたのは運が良かったです……。


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― 新着の感想 ―
[一言] タイトル自体を知らなかったのですが、本日行ったアニメショップでCMが流れており、概要だけはなんとなくうっすらとわかりました。ああ、これのことかと思っていると、女性の二人組がちょうど通りがかり…
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