538回目 2020/9/3
今回は二敗ですが、たぶん過去一で難産でした。
まず、手始めに開いた瞬間に飛び出してきたのは、『プロの結婚』という難題だった。これを見て、久しぶりに思考が停止したのを覚えている。
『結婚』というあまりにも自分とかけ離れたワードがきただけならまだしも、『プロ』ってどう解釈していいかわからない指定まできたら混乱するしかなかった。
久しぶりに『15分』の内に数分を長考に費やしたと思う。最近はお題を見れば一発である程度の絵が浮かぶのだが、これに限っては本当に真っ白だった。
やっかいなのが『プロ』の方。『何のプロか?』が定まらないと、物語の方向性も定まらないのだから決めないといけないのに、後で響く『結婚』のせいでなかなか決められない。
何かの『プロ』っていうのは、それだけでキャラクターの個性になる。無論、『結婚』っていうある種の通過儀礼の進行や雰囲気にも影響が出てくるのは避けられない。
だからこそ、どんな職業に関しての『プロ』かが重要になる……んだけど、候補がぜんぜん定まらなかった。いろいろ頭に思い浮かぶけど、書ける気がしなかったものばかりなのも痛い。
結局、無難(?)に『ブライダル関係で働いている新郎新婦(職場恋愛の末に結婚)が、自分の結婚披露宴にどんなおもてなしをするかで死ぬほど悩む』という内容になった。
何が面白いのかはわからない。でも、こうでもしないと何も書けなかったからしょうがないと、自分に言い聞かせることしかできなかった。
っていうか、このときはお題だけじゃなくて必須要素(無茶ぶり)もひどかった。『この作品を自分の最高傑作にすること』。無理に決まってんだろ、短編なめんな。
……本当、これだけ手も足もでない感覚のまま書いたのは初めてだった。ただ未完に終わったとはいえ、『825文字』は書けたんだから上等だろう。
もしかしたら文字を打つスピードがあがってきているのかもしれない。ストーリー的に何もさせてもらえなかった代わりに、ちょっとだけ気づけたよかった部分かもしれない。
それから精神的ダメージを押さえるために時間を開けて、二回目の挑戦に入ったときにパスされたお題は『不思議な凡人』。ものすごく普通に見えて、マジありがたかった。
必須要素(無茶ぶり)も『ひょっとこ』と、単なる属性や小道具扱いにできる難易度の低いもの。誰だよ、『この作品を自分の最高傑作にすること』なんて無茶ぶり入れた奴?
連続でやばいお題がきたらどうしようかと冷や冷やしていた私の予想はいい意味で外れ、すぐに浮かんだストーリーを書きだしていくことになった。
あらすじは『高校生の新生活が始まった瞬間に現れた、赤いひょっとこの仮面をかぶった同級生ができて、しかも主人公の隣の席だった』みたいな、なんか『なろう』っぽいタイトルができそうな感じになった。
とはいえ、起承転結の『起』部分だけなので、話の発展性はほとんどないまま書いていった感じになる。当然、『結』までいくわけもなく、『1020文字』で強制終了だった。
……まあ、一つ前があれだったので、クオリティなど二の次で普通に書けただけでもうれしかった。
ネタが浮かんで、文章が書けて、それなりの物語ができている。それだけで感謝できるんだから、『即興小説』の功罪はすばらしくも恨めしい。
まじめに反省するなら、もっと『終わらせる気がある短編』を書かないとなぁ、とは思う。思いつきの見切り発車が最近多いので、構想段階から未完に終わるだろ、とわかっていたものばかりだったし。
なかなか思いつきのネタをパッケージに収めるのが難しい。何が必要な描写か? どこが不必要な描写か? とかが今もわからないまま書いているのだから、仕方がないのだろうけど。
うーん、少し創作系のエッセイでも読んで短編・掌編の書き方を勉強してみようか? なんて思うようになってきた。
もう日課になって『短編を書くハードル』はかなり下がっているけど、『短編を完成させる自分への報酬』としてはまだまだ弱いし。
『15分』の縛りを解けばマシになるんだろうけど、あんまり長い時間集中力が続かないみたいなので、猶予をのばしたところで良作になるわけでもないし。
こういうのも試行錯誤か。ぼちぼちやっていこう。
ちなみにふと思ったんですが、私って一日に『即興小説』二本と『文楽』での感想一本やってて、日記をのぞけば『4000文字弱』は書いている計算になるんですよね。
……この文字数、普通に長編で書ければ、とっくに一作くらい書き上げられてるんじゃね? ――なんて、おそろしい考えに行き着きそうになったので全力で目を逸らします。
い、いいさ! 今からでも『長編執筆』も日課にしてやるさ! 今に見てろー!!(下っ端感)




