521回目 2020/8/17
今回は二勝できました。素直に喜んでおきましょう。
本日の一回目にきたお題は『俺の姉妹』。お題からして家族自慢でもしろ、と言わんばかりの圧力を感じた。たぶん気のせいだが。
ただし、それだけでは方針があまり定まらなかったので必須要素(無茶ぶり)を確認すると、『800文字以内』という単なる字数制限の追加。
つまり家族自慢を主軸に書け、ということ以外はフリーのままやれと言われたわけだ。自由度の高さと引き替えに、方向性が多様すぎて難しさは増している罠。
とはいえ、家族自慢ってイメージが先行してしまったので、いっそそのままのストーリーを書いてしまえと、プロットをさっさと固めることができた。
簡単に言えば『俺の姉と妹はうらやましがられるような家族じゃない、という愚痴』を、真ん中の長男視点で描写していった。
私は男兄弟しかいませんので、一時期の幼い頃は姉弟・兄妹関係にあこがれたこともありましたが、そこそこ年をいったら幻想なんてなくなってしまいますね。
ほとんどのご家庭だと、姉は基本的に弟を奴隷として扱い、妹は基本的に兄をさげすむようにできている……今ではそのように認識している。
通常の男女でも考え方の違いから折り合いが悪くなりやすいのに、それが身近な家族だったらよけいにこじれやすいのは当たり前なのだ。
そして、どうしても覆せない年功序列の上下関係と、男性の草食化に伴う女性の肉食化。他にもいろいろな要素が混じり合い、異性兄弟の複雑な関係は構築されていく。
というわけで、そんな姉妹に挟まれた男の悲哀を『799文字』で完結まで持って行った。今回は『800文字以内』という制限のおかげで、少しだけ読み直す時間もあったのがよかった。
まあ、書き終わった後にすべてを読み直せたわけではないので、完璧な推敲をできたわけではないのだが。
できたことと言えば、言いたいことをちゃんと盛り込めているかチェックし、字数制限ぎりぎりまで書きたいネタをねじり込むことくらい。
私の厳しい自己評価では満足に足る内容にはならなかったものの、それなりの形で完結させられたのは十分な成果だといえよう。
文字数制限に助けられたところもあるが、条件をクリアしてやりたいことができたのは達成感がある。なるべく、このときのやり方を忘れないようにしようと思う。
さて、二回目に挑戦したときにきたお題はというと、『間違った屍』という一見すると意味の分からないワードだった。
『間違った屍』というと、真っ先に思いついた可能性が『死体の取り違え』みたいな話か? とも思ったが、それでどんな話を作ればいいのか?
まだまだネタが固まりきらなかったので、ひとまず必須要素(無茶ぶり)をチェックしようと視線を向けると、そこには『ミュンヒハウゼン症候群』の文字が。
またお前か。おそらく必須要素で今一番お世話してやってるのがお前だぞ、『ミュンヒハウゼン症候群』。遭遇率高すぎるだろ。私のこと大好きか。
……と、毎度恒例の扱いにくいワードに対する愚痴を心の中ですませつつ、どうしたものかと考えながらプロットを練る。
頭があまり働かない時間だったので、苦肉の策として『他人の子供が死亡確認に立ち会い、親族のフリをして医者や看護師の同情をもらって喜ぶやべー女』を書いていくことにした。
もう自分で書いててどんな人間を登場させてんだよ、とつっこみたくなるが、『代理ミュンヒハウゼン症候群』を描こうと思ったらそんなやべー奴しか出せないのだから仕方がない。
それ以外の選択肢がないと、早い段階で見切りをつけて書き始め、なんとか『872文字』で完結させることはできた。
終わらせ方はまた強引だったが、一応短編の終わりとしては成立しそうな文章を書けたので完結設定にした。ぎりぎり合格、というのが私の中の評価である。
自分が同情されたり、偉いとほめられたりすることに快感を覚え、それらを他人から集めるために自分とは別の人間を傷つけ気を引く、というのが『代理ミュンヒハウゼン症候群』の代表的な行動である。
これを要素だけながら短編の中に盛り込めたので、描写に成功したと言えば成功した、のだろう。クオリティはあんまり意外性もない内容になったので、満足はできなかったが。
しかし、『即興小説』を完結させるのであればそれなりにクオリティを犠牲にしなければならないのは、今までの経験から明らかであり自覚していることでもある。
なんか不満を覚えてしまっているものの、現時点の私の実力ではこれが限界なのも事実なので、ありのままを受け止めていく必要がある。
理想と現実を区別し、認め、継続していく。地味ながら着実に成長できる手段である行動だ。忘れがちなことなので、ちゃんと自分に言い聞かせながら挑戦を続けていきたい。
完結させられたのはよかったんですけど、内容がどちらもネガティブよりなのは自分の気質が原因でしょうか? ポジティブ系コメディとか、たぶん私には書けませんね。




