519回目 2020/8/15
今回は久々に二勝できました。やったね。
本日一回目のお題は『愛、それは殺人』という、いきなりやべーカミングアウトを突きつけられたような気分になるワードだった。
まあ、独自の価値観を持つ快楽殺人者とかそんな類の人間であれば、こういう考え方もなくはない。なので、創作の中ではありっちゃありだ。キャラを作りやすいかどうかは別として、だけど。
また、『愛、それは殺人』と日常的にいえるかどうかでも変わってくる。先述した快楽殺人者だったら価値観・信念のレベルで根付いているため、疑問を挟む余地すらない考え方となる。
しかし、解釈としては『愛したが故に……』というパターンも存在する。好きな人が浮気したことが許せず殺すことに……みたいなパターンだ。
私がまず思いついたのが後者のパターンだったので、衝動的な方向性で話を進めることにした。
それに付け加えられた必須要素(無茶ぶり)はというと、『資料』という小道具。一瞬で『バラバラに散らばった紙』のイメージが浮かんだので、それを採用することにした。
シチュエーションとしては、『自宅で仕事をしていた男性が、交際もしくは同居していた女性に刺された』みたいな場面を、三人称で描写していく短編になる。
作中の時間はほとんど動かないまま、現場の状況を描写してどうしてこうなったのか? を読者に推測させるような雰囲気になったと思う。
実際は『どうしてこうなったのか?』が作った自分でも詰め切れていないので、『解釈は読み手に任せる!』とぶん投げただけだが。
そんなやり方でも『914文字』書いて完結させられたのだから大したものだ。むしろ、中身がほとんどなかったため、最後の文章を書き終えたと思った後で時間が余ったくらいである。
そういう意味では、普段とは真逆の書き方をしていたといえる。中身を詰めていって周りの形を後から整えようとするのではなく、周りの形だけ作っておいて中身は後から注入する、みたいな。
書き終わった今でも、私はこの短編で書いた男性にどんな落ち度があって殺されたのか? 女性がどんな心境の変化を起こして反抗に及んだのか? それらがまったくわかっていない。
普段ならそこを押さえてから書き進めるのだが、シチュエーション重視に書いていったらこんなものである。作者も謎な部分を多く残す短編となった。
ただ、余裕を持って完結させられたことを考えると、『即興小説』では向いたやり方なのかもしれない。『15分』の中で収めようと思ったら、中身なんて考える時間も惜しいのだろう。
今回はシチュエーション重視で書けたが、次回以降も同じようにできるかはわからない。どうせやってみないとわからないのだから、こんなやり方ができるとだけ覚えていればいいだろう。
と、そんなこんなで二回目の挑戦をしたとき、お題になったのは『去年の処刑人』だった。『去年』は少し前にもきたので、さてどうするかと頭をひねる。
それからすぐに目を通した必須要素(無茶ぶり)は『靴紐』と、こちらは何度か経験がある小道具系の無茶ぶりだった。『靴紐』からストーリーを発展させるのは、今の私ではちょっと難しい。
なので『去年の処刑人』の部分からドラマを作るしかないと思ったのだが、真っ先に思い浮かんだのが『裁判』の様子だった。
実際の日本で死刑が行われる場合、執行人はまた別なのはわかっているが、『処刑人』の言葉で執筆中に浮かんだイメージがそれだったので、そのまま通すことに。
そこから膨らんだ情景をまとめ、ストーリーは『凶悪犯罪者の陪審員に選ばれた女性が、死刑判決を下したことを思い出して罪の意識を膨らませる』、という鬱系短編になった。
個人的に曇らせ展開は得意な方だったので、『973文字』を書きながらそこそこの体裁を整えることもでき、完結までさせられたのは僥倖だった。
さすがに時間に余裕があったわけではないので、最後の方はちょっとぶつ切りっぽい終わりになってしまった感じはあるが、描写的にキリがよさそうだったので完結設定にした。
これまでは終わらせたくても終わらせられなかったので、終わりにできるところまで書けたのは一歩前進といえよう。
この調子でそれらしい短編をそれなりのクオリティで作っていき、普段書いてきた小説に手を加えるときの自信も取り戻せればと思う。
最近は暑さにやられて、ますます作業が手に着かなくなってきているので、体調管理にも気をつけよう。
普段はあきらめているとしても、いざ完結を連続で作れるとうれしいものです。自己評価が低い自分でも、ちょっとは自信につながってくれるでしょう。たぶん。




