514回目 2020/8/10
今回は久しぶりに一勝一敗でした。
本日一回目にきたお題は『思い出のネット』。すでに『ネット』と聞けば『インターネット』がまず浮かぶようになってきた時代だが、『思い出』となると意味合いが変わってくる。
しかも、それにねじ込めと言われた必須要素(無茶ぶり)が『全力のグロテスク』だ。この無茶ぶりはたしか二度目になると思うが、『思い出』に『グロテスク』をミックスさせろとは中々に無茶を言う。
というわけで、『ネット』は『インターネット』ではないものを探すことから始めた。『グロテスク』の『インターネット』で書くとなると、『思い出の蓮コラ』みたいになっても面白いとは思えなかったし。
で、次に思いついた『ネット』が『漁業用の網』だった。別に私の出身が港町だった、とか気が利いた理由もなく、なぜか真っ先に『漁業用ネット』が思い浮かんだのだから仕方がない。
それをベースに『グロテスク』を差し込もうと思ったものの……思った以上に『思い出』が邪魔をする。いや、『グロテスク』か?
いずれにせよ、食べ合わせが悪いキーワードだったため、なかなかストーリーが固まらない。というか、無理やりホラー展開にするしかやりようが思い浮かばなかった。
そんな意味がよくわからない急展開を盛り込んだ今回の短編は、『907文字』までいったところで未完に終わった。
今回も強制終了を食らったわけだが、最後まで決着を思い浮かばなかった短編であるので、正直助かったという気持ちがなくもない。
マジで完結数が減ってきているのは気がかりだけど、着地点が見えない短距離走をいつまでも続けられるほど私に根性はない。タイムを区切ってくれて、今回は助かった。
何せ、『実家に帰省中に散歩をしていると、放置されていた漁業網に何かいた』、みたいな出来の悪い都市伝説みたいな話になってしまったのだ。筆の勢いでは限界があるストーリーだったことは否定できない。
思いついてしまったとはいえ、もう少し終わりが見えそうなストーリーを組めなかったものか、と反省している。次こそは完結を目指して書きやすいプロットを組もう。
というわけで、二回目に挑戦したときにきたお題は『とんでもない修道女』。これはもう、キャラ小説を書けと言われているようなものだろう。
『修道女』とだけ聞けば、意外に『なろう』の主人公でもそれ系は見かける機会がある。まあ、だいたい『聖女』ものになるのだけれど。
そういうのはだいたい『悪役令嬢テンプレ』の派生系(高位貴族→宗教権力者の変換でしかないため)になりつつあって、そういう意味では個性は薄い。が、私は『聖女』ものが嫌いではない。
むしろ最近は長編のファンタジー系が読むのがだるい……もとい、趣味にマッチングするタイトルやあらすじが見つけづらくなったので、さくっと読める『悪役令嬢』系を慰めに読んでいるくらいだ。
なので、『修道女』でも何とかいける。そう捕らぬ狸の皮算用とばかりにそろばんをはじきつつ、必須要素(無茶ぶり)の『ラー油』をひっさげて短編に挑んでみた。
すると、『941文字』と文字数的にはさほどノリに乗れていなかった感覚が残ったものの、久々に『即興小説』を完結させることには成功した。ラッキー。
とはいえ、ストーリーの質はお世辞にもいいとはいえない。ただ単純に『孤児出身の修道女が出されたご飯に文句を言って、先輩にマナー違反を怒られる』だけの話だからだ。
たぶん、『なろう』で読んだ話の中で似たシーンがあったから無意識に流用したのだろう。我ながらどこかで見たような展開なので、否定はしない。
そう見ると、『とんでもない修道女』というには若干キャラが弱かったか。いや、いろんな意味で『破戒僧』を描けたら、それはそれで楽しそうだけど。
しかしつたないとはいえ完結できたことは素直に喜ばしい。本当に久し振りに『これで終わり』と思いながら締めの文章を書けた気がする。
たとえ……そうたとえ、読み直したストーリーが物足りなくとも、完結には変わりない。打ち切りエンドも完結は完結なのだ。
こう書くと、やはり時間経過によって自分へのハードルが高くなっていたのがわかる。『即興小説』に質を求めても仕方がない。一つのパッケージとして成立させられるか、そこが問題なのだ。
これからも引き続き、短編を中途半端に終わらせないようにだけ気をつけて挑戦を続けよう。下手な鉄砲、数打ちゃ当たる。数をこなすのが目的なのだ。
最初のプロットを忠実に守って締めるべき、なんてのも私の中のこだわりでしかありませんからね。どんな形であれ、終わらせられたらそれでいいのです。
完結の経験はぱっぱと作って積まないと、代わりにエタの経験が増えるだけですからね。変なこだわりはなるべく捨てるようにします。




