498回目 2020/7/25
今回は二勝できましたが、やっぱり私の戦績はイーブンっぽいです。
最初のお題は『あいつの車』で、最近のワードからしたらかなり平凡なものだった。こんな無味無臭なお題もあったのかと、内心でちょっとびっくりしている。
さらに、必須要素(無茶ぶり)も『口臭』ととてもおとなしいもので、こちらとしてはありがたかったが次に挑戦するときの反動が怖かったりする。考えすぎかもしれないが。
いちおう、『887文字』で完結までこぎつけたのだが、残り時間の関係でそこまで納得のいく締め方はできなかった。
それに追加の反省点としては、よくよく考えれば必要のないキャラを出していたこと。この『即興小説』では三人のキャラクターを登場させたが、実質話を回していたのは二人だったのだ。
シチュエーションを考えればさほど違和感のないキャストだったものの、『小説』として考えると『いてもいなくてもいいキャラ』は極力出さない方がいいのは自明。
なぜなら『いてもいなくてもいい』ならそれは単に『読者にとって余分な情報』でしかないからだ。著者にこだわりや思い入れ、はたまた伏線などの仕掛けがあれば別だが、そうでないなら出さない方がマシである。
とはいえ、書いた後でそうした判断ができたのは、なにも気づかないよりもいいだろう。時間をかけてネタや文章を練るいつもの小説と違って、書き捨てだからこそ『客観視しやすい』のも『即興小説』の利点かもしれない。
よかった点は、私には珍しく会話を主体に書けたことだろうか。台詞だけでキャラのかき分けができたかは微妙だが、短時間で書いたにしては上出来だと現段階では思う。
ほかにも大まかな流れが瞬時に浮かんだのも大きい。時には数分を要してストーリーを考えることもあるので、ぱっと連想できたのも書きやすかった要因だろう。
まあ、内容はコメディかつややお下品なオチだったが。必須要素の『口臭』であらかた察しがつくと思う。たぶん、ぜんぶ『あいつ』が悪い。(責任転嫁)
次に挑戦したとき、与えられたお題は『奇妙な排泄』だった。また下かよ、と思わなくもない。いや、前に下ネタにしたのは私の責任なのだが。
ただし、その横に用意された必須要素(無茶ぶり)を見て考えを改める。
『全力のグロテスク』。なるほど、今回は化け物的『ホラー』をお望みか。方向性が一気に絞られた感覚に従い、以前に見たモンスターのたぐいが出てくる洋画の記憶を掘り起こす。
なにぶん、最近は洋画を見ることが少なくなり、それこそ十代とかそこらまでさかのぼらないといけないので、ちょっとモンスターの外見描写に多少苦労した。
さすがに『排泄』と『全力のグロテスク』という危険な物同士を混ぜるわけにはいかず、『グロテスク』はモンスターの外見描写に全力で振ることに。
そこからは何とか『奇妙な排泄』要素をクリアし、『858文字』で完結させる事ができた。時間がぎりぎりだったので、誤変換の修正はできなかったが。
内容に関しては、読み直すと短編というより『パニックホラー』のワンシーンみたいな感じになっていた。映画の始まってすぐにある臭わせ描写を終えた、インパクト重視の化け物初登場シーン、のような?
それが悪いというわけではないものの、どうしても『短編』と見るには難しい終わり方になっている。これ絶対続きあるだろ? みたいなシーン切りをしたのだから仕方ないかもしれないが。
それと『グロテスクなモンスター』を描写したのはほぼ初めてで、『怖さ』や『気持ち悪さ』を表現するのが思った以上に難しくて驚いている。
それっぽい単語を並べて文章を作ってはみたものの、どうにも『生々しい質感』が出てこなかった。まあ、ちょこちょこ書いてるファンタジーな魔物的人外はともかく、SF的地球外生命体系人外生物をプロの文章で目の当たりにしたことがなかったので、技量の限界はあったのだろう。
やはり、昔見た映画の記憶だけでは『文章で訴えかける気持ち悪さ』を表現するには足りなかったらしい。もう少し時間をかければマシにはなっただろうか? いや、焼け石に水だったかもしれない。
何にせよ、私にとっての新境地を開いたのは間違いない。これを執筆ジャンルのレパートリーに入れられるかは、これから書くだろう小説の内容次第にはなりそうだ。
単純に化け物の外見描写だけでもうまくなれば、ファンタジー生物のそれに応用できそうなので、たぶん鍛えて損はない。興味がわいてのばせるところはなるべくのばしていこう。
ほぼ半々で『今回はいける!』って感覚と『あ、今回は無理』って感覚が入り乱れるのは、私の執筆にムラがあるからなのでしょうか?
いやまあ、どんな物でも書けます! なんてうぬぼれる余裕なんてありませんけど、それにしても打率が低い気がしないでもないです。




