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484回目 2020/7/11

 私の中でハードなお題がきました。


 挑戦を開始した直後、私の目に飛び込んできたお題に一瞬だけ頭が真っ白になった。


『箱の中の狸』……だめだ、猟友会のシーンしか思い浮かばない。


 発想の貧困さが露呈し、仕方なくそのイメージで進めることにした。なお、必須要素(無茶ぶり)は『携帯』。電話でいいや、と半ば思考放棄の延長で設定の足場を作る。


 そうして『15分』を何とか絞り出してみたが、なんというか、勢いよく流れ落ちる水道の水に指先を広げた両手でバシャバシャやったような手応えのなさだった。


 というのも、そろそろファンタジー系の話を書いてみたいなぁ、と思っていたところでの猟友会ワードだったので、肩すかしを食らった気分になったしまったのだ。


 どうも、私は与えられたお題に対して現実よりの思考が働きやすいらしく、あまり突飛な発想の話が出てこないようである。準備していればファンタジーよりになるのに、不思議だ。


 でも一応、短編っぽく締めることができたので昨日のリベンジは成功したと言えよう。なんだかんだと888文字書けたのなら上等だ。……誤字は一つ、見つかったが。


 しかし、落ち着いて考えれば私は『狸』にとらわれすぎていたかもしれない。そう、やろうと思えば『シュレディンガーの狸』なんて改変ネタをやれた可能性もある。


 要は重心を『狸』ではなく『箱』に置く、という考え方だ。そうすると自ずと、『狸』の使い道もなくはない。


 それだ、『狸』といっても実際に生きているものでなくてもいい。小物やストラップなどを贈り物用の箱に入れて、かわいくラッピングすれば贈り物にぴったり……とはいえなくとも、恋愛系に派生はできる。


 他にも『狸』を擬人化してマジックショーなんかでもよかったのではないか? 箱に入って剣を串刺しにして脱出ショー、みたいな内容ならある意味ファンタジーな世界観でもあるし。


 あー、でも『携帯』の扱いが微妙に難しくなるかもしれない。恋愛系に向ければ電話としてプレゼントを贈る相手に連絡する、などとできるがマジシャン『狸』だと見せ所が厳しい気もする。


 う~ん、修行不足だな。いいアイディアがあまり思い浮かばない。


 手応えが微妙だったからか、昨日感じたような高揚感も対抗心もない。通常時よりは饒舌(じょうぜつ)(?)に書けているものの、のどに魚の小骨が引っかかった感覚が抜けない。


 まるでこちらが『狸』に化かされてしまったみたいだ。うまくとも何ともないけど。


 しかし、フリック操作はミスしたら復帰がなかなかできないのがネックだ。今回は完成した後で一分程度の余裕があった物の、執筆中に手が止まったのが何回か合ったのは反省点だ。


 それに内容が薄いのも気になる。本当に『物語のような物を書いただけ』な感じがして、もっとこう、面白ポイントを入れてみたい。


 たぶん、私にありがちなハードル上げの始まりだろうから、自分へ気にしすぎる必要はないと言い聞かせつつ、それでも早くて質のいい物を作れるのなら意識しないわけにはいかない。


 すぐダメなところばかり目がいってしまうものの、短編として完成させられたのは成功と言っていい。成果もあったので、あまり悲観しすぎるのもよくないか。


 次も完成の形を最優先にして作っていこう。


 それにしても『狸』って……マジで何も思い浮かびませんでしたよ。


 このトレーニングは、自分に身近でないワードが出てきたら危険ですね。白紙で出すことはないにせよ、なんかよくわからない物を生み出しそうでおっかなびっくりです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 狸と言えば、というところではもう故事成語に頼りがちになりそうです。 あとは化かす、化かされる……といった昔話でしょうか。 狸が箱に入れられていて、泣いているのを助けたら逆に箱に入れられて狸に…
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