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469回目 2020/6/26

 前に書いたアニメ感想の続きになると思います。


 以前……先週? アニメの『イエスタデイをうたって』に関する登場人物への扱いやグチなどを書き連ねたものを投稿した。


 で、少し前に最終話を視聴し終えてからもう一度、自分の考えをまとめようと思ってここに書いていくことにする。


 結論から言えば……ストーリーに関する評価はあまり変わらない。


『なんか納得いかない・気にくわない』という思いが依然として残っているのは事実である。


 一応、収まるべくして鞘に収まった、と言ってもいい締めではあったが、それでものどに引っかかった小骨はどうしてもとれてくれなかった。


『遠回り』と題された12話の内容をなるべく語らないようにして、それでも私が感じた不満を言葉にするとしたら、一つしか思い浮かばなかった。


 すなわち――『同族嫌悪』である。それは登場人物である『リクオ』と『シナコ』に対してだ。


 ぶっちゃけてしまえば、前回の感想で衝動のままに書いた苦言や不満は、よくよく考えると全部自分へのブーメランだったんだな、と気づいたのである。


 優柔不断なところも、相手を傷つけないようにする優しさも、その結果からより相手を傷つけてしまう残酷さも、すべて『自分が同じ立場だったら』と考えれば、残念ながら『共感』しかできなかった。


 それこそ『自己投影』できてしまうほど、私は『リクオ』と『シナコ』の性格的問題に『感情移入』できてしまったのだろう。


 だからかもしれない、『ハル』や『ロウ』をまぶしく感じてしまうのは。


 あくまで私の解釈だが、『リクオ』や『シナコ』の対人関係は『嫌われない位置』を維持する方に力を割いている。


 似たような性質を持っていると自覚する私が思うに、それは『消極的な対人関係』だ。『嫌われない』とはつまり、相手との距離を『詰めようとしない』上に『一歩引いた場所に置く』こととほぼイコールだ。


 いわばローリスク・ローリターンな、保守的で無難で自分の立ち位置を微調整で変えていく『受動的』な心構えである。自ら踏み込まない代わりに、懐にはなかなか入れさせない、『傍観者』にすらなりかねないスタンスだ。


 対して『ハル』や『ロウ』は『好かれる対人関係』を探して進んでいく、私からすればすごい勇気のある精神と行動力を持った人物像といえる。


 それを『積極的な対人関係』と呼ぶことに、私は違和感を覚えない。相手の心に『自分』が存在しない状態から、何とかして『自分』が割り込み、影響力を増していこうとする様子は、どこか未知の場所をかき分け進む『冒険者』のようにも感じた。


『嫌われない対人関係』との違いは、常に『嫌われるリスクを承知で近づいていく』ところにある。相手の迷惑になる可能性を考慮してなお、自分の信念や欲求に従って『能動的』に誰かと関わろうとする姿は、本当にうらやましく思う。


 もちろん、『嫌われるリスク』を前提に行動しているわけだから、引き際がかなり大事になる関わり方だ。自分のことばかりで相手のことを考えないと、ただの自己中野郎になってしまう。


 現代の言葉で寄せて言うならば、『消極的な対人関係』は『陰キャ』と、『積極的な対人関係』は『陽キャ』と変換しても、大きく間違ってはいないだろう。


『嫌われるリスク』に重きを置くか、それとも『好かれるメリット』を重視するか。単純な分け方をしてしまえば、たったそれだけの違いであろう。


 それでも、『嫌われるリスク』が心の中で大きくなりすぎてしまった私にとって、『好かれるメリット』に目を向けられるだけ、とても健全で、溌剌(はつらつ)としていて、うらやましく思ってしまうのだ。


 そう考えると、私はこのアニメを『自己嫌悪』と同時に『隣の芝生は青い』みたいな感情を抱えて視聴してきたのかもしれない。


 よって、視聴後もいまだにもやもやとした気持ちを拭いきれないのだろう。私へ向けた不満や後悔を、アニメの中においてきてしまった気がするから。


 数年前までは、こんな考えが自分に浮かぶなんて思いもしませんでした。本当に冗談じゃなく、年々いろんな物に対する感情移入が強くなってきている気がします。


 二十代は登場人物がキツい境遇にありながら逆転する、みたいなストーリーを好んで書いてきましたが、これからはそれも難しくなるのかな、とわずかに危惧(きぐ)していたりします。


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