431回目 2020/5/19
おそらく、作家としては正しい反応なのかもしれません。
検索無精で『なろうテンプレ』がひしめくランキングばかり眺めていると、新鮮な作品はもう無理かなとあきらめる心がありつつ、ときおり無性にわきあがる衝動がある。
『なろうテンプレ』をストーリーの主軸に利用して、いかに自分好みの物語にできるか? というシミュレーションの名を借りた妄想である。
これ、意外と多角的な視点で物語や要素を見る訓練になりそうだし、どうすればおもしろくなるか? を考えるいいきっかけになるかもしれない。(個人的な感想)
たとえば最近読んだエッセイでも『地雷率が高い』と評されていた『主人公最強系』のテンプレだと、物語の構造的にはワンパンマンに近い手法をすればつまらなくはならない。
次に、『物語のカタルシス』を『主人公が敵をスカッと倒すこと(=わき役のドラマ)』におくか、『主人公とその周りで演出するギャグ的かけあい』におくかなどで、ストーリー自体が変わってくる。
『最強主人公』はどうあつかっても機会仕掛けの神にしかならないので、面白さを表現する選択肢はだいぶ限られるのは、類似作品を何度も読んだ方ならわかっていただけるだろう。
だからこそ、『なにに面白さの重心を置くか?』で作者の嗜好や作品に個性がでる。ワンパンマンの場合だと、原作のONE様であれば『ギャグより』で村田様であれば『わき役ドラマより』な印象を持っている。……画風の問題じゃない、と思う、よ?(自信ない)
ともかく、同じプロットでも表現方法を変えれば作品の印象も当然変わるのだから、ある意味で『自己表現の練習』と割り切れば『テンプレ』って優秀な題材だろう。
特に『なろうテンプレ』の場合、『誰が書いても同じような作品になる』というメリットにもデメリットにもなる特徴が強い。だからこそ、『テンプレ』でありながら『作家の個性』を残せれば武器になりうる。
そういう思惑で『なろうテンプレ』を書くのであれば、使いやすい『練習プロット』として好き勝手してもハードルは低いだろう。ついでに『自分の生涯通して書きたい要素』が見つかれば御の字だ。
ちなみに、私が『最強系主人公』でやりたいと思っているネタは『成り下がりもの』だ。誤字ではない。『成り上がり』ではなく『成り下がり』である。
大まかな流れとしては、自他ともに認める世界最強の戦闘力を持っている主人公だが制御がガバガバで、このごろ日常生活にも支障が出始めたから『弱くなること』を決意する。
しかし、魔族(人外者)の軍人(最終兵器)として生きてきた主人公には『普通』がわからないため、秘書的能力は万能だが戦闘能力が皆無な副官に指導を受けながら『力の制御』を目指す、という感じ。
最後はシリアスになってしまうだろうが、大まかな流れは副官のスパルタ指導と無茶ぶりを受け、主人公が泣きながら弱くなる努力をする、というギャグテイストを意識している。
やるとしたら短編(十万文字以内)の分量になるだろう。まあ、プロット段階のため一文字も書いていないのだが。
他にも『学園卒業式型・悪役令嬢婚約破棄』とか、『学園内庭園型・悪役令嬢婚約破棄』とか、『冒険者パーティ追放ざまぁ』とか、『勇者NTR型・平民婚約破棄』とかがネタとして浮かんでいます。
落ちが全部既存の『なろうテンプレ』とは違うコースになりそうなネタばかりですが、練習もかねていつか書けたらいいなとは思っていますよ。書けたらね!




