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430回目 2020/5/18

 音楽について、年をとってから見方が変わってきたなぁ、と思った話です。


 日曜深夜の音楽バラエティで『関ジャム』という番組を時々見ている。


 ジャニーズのバラエティ担当みたいな色が強い関ジャニ∞が、音楽に関する割と込み入った(ディープな)話をアーティスト等のゲストに紹介してもらう、的な番組である。


 ちょっと前から視聴していて、興味がある回とない回があるものの基本的にバラエティ仕様なので、音楽に詳しくなくとも楽しく視聴できる番組だと思っている。


 なお、興味がない回は『楽器』にフューチャーされた回だ。ギター、ベース、ピアノ、パーカッションなど、楽器なんて触らない私にとっては雰囲気だけでみるのは限界がある。


 反面、とても興味深く視聴できているのは『楽曲の歌詞』に焦点が当てられた回だ。『歌詞』は文字通り詩的な表現を用いているものの、ほとんどの場合『ストーリー仕立て』になっている。


 それをプロの視点から解説を添えられて説明があると、素人でもわかりやすく『歌詞の世界観・ストーリー』が浮き彫りになって理解できるため、短編や掌編を読んでいる時に近い面白さを感じられるのだ。


 特にギャップが強いのは、十代くらいに何気なく聴いていた楽曲の解説だ。『歌詞』を丁寧に説明されると、私がいかに雰囲気で音楽を聴いていたのか思い知らされる。


 たとえば『BUMP OF CHICKEN』は結構聴いていたアーティストで、アルバムかなにかをレンタルしてCDやMDなどに移して聴いていた記憶がある。


 ほかにも『コブクロ』とか『ポルノグラフィティ』とかもそうだったと思う。まあ、私が聴いていた楽曲はそんなに多くないので、番組内で取り上げられることはまれなのだが。


 で、アルバムはいろんな曲が収録されているため、私の好みに合う曲もあればあわない曲もあった。そのあわない曲を解説されたとき、『あぁそういう意味だったんだ』という気づきがあって感動を覚えたのは記憶に新しい。


 なお、好みに合う曲はそのまま『歌詞をストーリー仕立てで覚えられた楽曲』がほとんどで、話の流れが見えやすいためか割と『失恋ソング』が記憶に残りやすい人間だった。まともに恋もしたことないくせに。


 具体例を挙げると、『BUMP OF CHICKEN』の『リリィ』とか『スノースマイル』とかだ。昔は普通にいい曲だなーとか、カラオケで歌いやすいなー、くらいの感覚でしか聴いていなかったが。


『ストーリー仕立て』という意味でも『BUMP OF CHICKEN』の楽曲は覚えやすい曲が多く、今ではあまり聴く機会がなくなっていたためまた聴きたくなってきた。『天体観測』や『K』なんかはわかりやすいだろう。


 それはともかく、また年代によって物の見方や捉え方が変わってきた実感と遭遇して、自分の老いをより鮮明に感じたのは間違いない。


 小説を書いている身としては感性が育って喜ぶべきか、代わりに失った若さや根拠のない自信の分だけあいた穴を嘆くべきか、困りどころである。


 今はほとんど新しい曲といったらアニソンしか聴きませんね。声優さんが歌うキャラソンよりは、一般のアーティストが歌ってる曲が多いです。


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