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410回目 2020/4/28

 たぶん、自分が考えている以上に危険な考え方なのでしょうが――


 ――創作意欲が眠気に負けているようじゃダメ、なんて考えが頭のどこかにこびりついているように思う。


『寝食を忘れて』、なんて表現があるように、もしかしたら私にとって『生活に必要な要素を削ってまで夢中になること』がすごく美化されているんだろう。


 逆を言えば、『生理的欲求に創作欲求が負けている内は大成しない』、みたいな考え方をしているとも言える。


 要は『夢や目標のために生き急げなきゃ(=死ねなきゃ)意味がない』、って危険思想を頭から排除しきれていないのだ。


 昔から私の性格に根強く残っている『完璧主義傾向』が、悪い方に傾いている一例なのかもしれない。『~しなければならない』とか、『~すべき』とかって考え方を自然としてしまい、自縄自縛に陥る。


 生活からいい加減になってしまった今も、考え方はすべてがいい加減になったりはしていないのか。タイルに根を張ったカビみたいに、とにかくしつこい思考である。


 というのも、実際に昨日小説をぽちぽちやっていたら、途中で眠気がおそってきた。さらに前日の就寝時間が迫っていたため、体内時計としては正常なのだがそのまま眠ってしまったことに敗北感を覚える自分がいる。


 眠くなったから寝る。別におかしいことではない。っていうか人間は毎日十分な時間の睡眠をとれないと作業効率がめっちゃ下がるので、医学的にも間違っていないはずだ。


 なのに、ふと気づけば昭和の精神論や根性論みたいな理屈が顔を出し、『怠け癖があるからダメなんだ』と思ってしまう自分がいる。普段が怠けているから、よけいに『メリハリつけろ』って(くぎ)を刺してしまうのかもしれないけど。


 特に体調を崩したとか、精神が落ち込んだとかの実害が出たわけではない。ただ単純に、『自分を責める癖』が直っていなかったんだな、と気づかされただけだ。


 私はどうも加減を知らないようで、『完璧主義』を直そうとして『適当な生活』に走るくらいには極端な選択肢をとってしまう。ちょうどいい選択肢がとれないし、わからない。


 関係ないかもしれないけど、学生時代の記憶に印象深く残っている場面がある。


 何らかの折り、『だいたいこれくらいの長さが何センチかわかるか?』みたいな話になった覚えがある。そのとき、私は素直に『わからない』と答えた。


『なんで? 定規が使えるならだいたいはわかるんじゃないか?』のようなことを言われたような気がするが、私にとっては『だいたい』がわからなかった。


 単純に私の空間認識能力が低いだけかもしれないけど、『これくらい』と示された手と手の間の距離と『定規の目盛り』が一致しない以上、『だいたい』でも答えなんて出せるはずがないと混乱したのだった。


 詳細は覚えていないものの、たしか当てずっぽうで答えたら見当違いな長さを答えていてあきれられたと記憶している。時間経過で自ら記憶を改竄(かいざん)した可能性もあるが、なんかダメ出しされたことだけは覚えている。(私は根に持つタイプだ、たぶん)


 この『空間識問題』は今でも『わからない』と答えるだろうけど、私の頭の中ってこれと同じようになかなか融通が利いてくれない。


 何でも『正解を探す癖』、になるんだろうか? ともかく、『失敗を積極的に避けようとする姿勢』と『失敗するなら動かない姿勢』は直せるものなら直したい。


 頭では『失敗から学べることも多い』とわかっているのにできないのは、どうにももどかしい。時々、自分の面倒くささに辟易(へきえき)としてしまう。


 無理やり長所っぽく言い換えれば『慎重で思慮深い』ってことになるんでしょうけど、私にとっては『あと先考えない行動力(鈍感力)』こそが魅力的に思えて仕方ないです。


 まあ、どっちもどっちで()()しなんですけどね。『慎重』だと『知識』が豊富になる代わりに『経験』に乏しくなりやすく、『行動派』だと『経験』に富めど『知識』が浅くなりがちですから。


 私にとって本やネットなどの純粋な情報――『知識』よりも、身を削って手に入れられた教訓――『経験』の方がより輝いて見えるのでしょう。無い物ねだりですね。


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