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408回目 2020/4/26

 っ……! は、はらが……っ。


 腹が邪魔してっ、上体起こしがっ、できんとです!!(号泣)


 私は忘我(ぼうが)した。必ず、()邪魔(じゃま)膨大(ぼうだい)脂肪(しぼう)(のぞ)かねばならぬと決意した。


 私には痩躯(そうく)がわからぬ。私は、自称・小説家である。キーボードをたたき、文字と遊んで暮らしてきた。


 けれども運動に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明私はマットを敷き、半袖半ズボンで、十回やっては一分の休憩を挟んでやってきた。


 私には、ノウも、ハウもない。筋肉もない。十六回も、うっかりやると筋肉痛だ。この筋肉痛は、一日や二日では収まらぬほど、痛々(いたいた)、継続して(こた)えることになっていた。


 三桁台(さんけただい)も間近なのである。私は、それゆえ、深夜の散歩やら筋肉のトレーニングやらを行い、いやいやダイエットに目覚めたのだ。


 ()ず、その筋肉を奮い立たせ、それから腹の肉をぶらぶら揺すった。


 私には積年(せきねん)(とが)があった。食後の昼寝である。今もこの日常の中で、気づくとしている。


 その(とが)と、今から向き合ってみるつもりなのだ。久しく(目を)()らしてきたのだから、向き合うのが苦痛である。


 震えているうちに私は、自分の様子を怪しく思った。ぐったりしている。もう既に汗も落ちて、私がつらいのは当たり前だが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、体全体が、やけに苦しい。


 のんきな私も、だんだん不安になってきた。汗を拭ったインナーシャツをつかまえて、何があったのか、二年まえにやっていたときは、今より体が動いて、腹筋はスムーズであった(はず)だが、と自問した。


 私の頭では、首を振っても答えは出なかった。しばらくノルマをこなして背筋に移り、こんどはもっと、呼気(こき)を強くして持ち上げた。


 背中は答えなかった。私は勢いで背筋の回数をこなして(おとろ)えを覚えた。私は、あたりをはばかる低声で、わずかこぼした。


「時間は、筋力を落とします」


 なぜ落ちるのだ。


 回数が少ない筋トレで心がくじけそうな作者(わたし)の感想――フューチャリング太宰治(だざいおさむ)(ちょ)・『走れメロス』――でした。


 途中からだんだん楽しくなってきたのは深夜テンションだったからかもしれません。青空文庫で読んだ冒頭(ぼうとう)しかさらっていませんが、なかなか面白かったです。


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