404回目 2020/4/22
ネタがないので、誰の役にも立たない食品レビュー(?)でも書くことにします。
みなさんは『アマニ油』というものを知っているだろうか?
一時期テレビで話題になった、オメガー3とかが健康にいいらしいとか何とか言っていた割高な食用油のことだ。
私が数年ほど毎日のように摂取していたのはオリーブオイル(ヨーグルトにきな粉とともに混入し、レンチンした後に食す)だが、件のアマニ油を食べる機会があった。
暇なので、その食材としての感想について少し書いていこうと思う。
まず、第一印象は最悪だった。ふたを開けた瞬間、焼き魚を数日放置したような異臭が鼻を突いたからである。
あ、書き忘れていたが私が食べたのは『購入直後』ではない。以前、家族が興味本位で購入して使用した後、だいぶ放置されたあげくに賞味期限を『半年』ブッチした本格醸造の逸品である。
そんな臭いだけで食欲を一気に減退させる曰くつきの油だったが、私は貧乏性でかつ無駄なチャレンジャーだった。
『賞味期限で半年ならセーフ』と心の底から思っていたので、残り少なかったアマニ油の攻略に打って出たのだ。
ちなみに、『消費期限』であれば迷わず捨てた。『味の保証期間』である『賞味期限』はさておき、さすがに『品質の保証期間』である『消費期限』を破ろうと思うほど命知らずではない。
さて、次に迷ったのは食べ方だ。アマニ油をはじめ、オメガー3脂肪酸だったか? は『熱に弱い』という話を小耳に挟んでいた。買いもしないのに情報だけはあった私。
そのため一般的な調理には使えない。かといって、『普通の』アマニ油の使用例であるサラダにかけて~なども使えない。誰が魚臭い野菜サラダなど食べたくなるものか。
結局、私が選択したのは納豆だった。臭いものには臭いものをあてがえば、少しは気にならないと判断したが故である。なお、私は納豆の臭いに抵抗がない関西人である。
今でも思い出す、醸造アマニ油と納豆のファーストコンタクトは最悪だった。信じられるか? 納豆の臭いを巻き込んで醸造アマニ油臭がより強力になったんだぜ?
焼き魚風味の納豆をすする私に、家族の反応は冷ややかだった。『生ゴミ食うなら部屋から出て行け』とまで言われた。反論できなかった。っていうか生ゴミより臭ぇ。
そんな生活が半月は続いただろうか? 醸造アマニ油の量はさほど多くなかったが、臭いが臭いだったので一度に多く消費できなかったのだ。
ふと、臭いがマシになっていることに気づいた。あの独特な焼き魚が腐ったような臭いが、いつの頃からか薄まっていたのだ。
最初は私の鼻がついにイカレたかと思った。余談だが、武漢ウイルスにより味覚・嗅覚異常の症状が出ると知る前のことである。当時はただただ不思議だった。
しかし、その日を境に醸造アマニ油は一気に表情を変えた。たぶん、これが元のアマニ油の香りだったのだろうと思えるほど、これまた独特な植物っぽい香りが鼻の奥を通っていく。
さんざん焼き魚スメルに苦しめられてきた私には、もはや通常のアマニ油など取るに足らない風味になっていた。むしろクセになってきてさえいた。
ただ残念なことに、通常アマニ油を味わえた時間はそう多くなかった。瓶の中に残っていた油の量が少な目だったのに加え、醸造アマニ油が半分ほどを占めていたのが悪かったのだろう。
こうして数日前にようやく、私は醸造アマニ油の刑から解放されることになったのだ。
今になって思う……腐ってなかっただろうな? と。
現状、醸造アマニ油を食べている最中も腹を下したような兆候はなかったが、遅れてくるタイプかもしれないので警戒は解かないでいようと思う。
これを読んでいる皆様も、『賞味期限』が切れた食品の摂取は自己責任を胸に刻みつけて実行してほしい。私に責任を問われても困るのであしからず。
ある意味でダイエットにも効果があったかもしれない醸造アマニ油ですが、えらいもので二日か三日もすると焼き魚が腐った臭いにも慣れるんですよね。人体の神秘。
食欲減退効果は意外にも長続きしない可能性がありますので、そこらへんはご留意の上で参考にしていただければと思います。
……まあ、『賞味期限切れの食べ物を食うな』って話ですけど。




